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理想を念じろ、理念を語れ

緊急事態宣言の延長に伴い、今日は本来九州出張で博多にて第17期職人起業塾の研修講座の講師を務める予定でしたが、例によってズームを使ってのオンライン講座となりました。神戸在住の私にとって朝9時から博多で講義を始めようとすると、始発の新幹線に飛び乗らねばならず、夜明け前からドタバタと走り回る考えれば、オンラインでの研修の開催は随分と楽ができそうに思いきや、朝から夕方までみっちりとパソコンの画面に食らいつき、十数名の塾生相手にグループコーチングを行い続けるのは、実はリアルな会場で講師を務めるよりもずいぶんとエネルギーを使うものです。ふと思い立って昨日から始めた24時間断食(朝と昼の食事を抜くだけ)の影響も相まって夕方にはずいぶん消耗しておりました。それでも、半年間15回の研修講座の3分の2を終えて、塾生達の成長も加速度を増して来ており、このところ一皮向け始めたこともあって終始高いテンションで檄を飛ばし続けました。

使いっ走りの人生からの脱却

全国各地で大工や左官といった建築職人を始めとした若手の現場実務者たちを集めて私が熱心に伝えているのは、乱暴に一言にまとめてしまうと「主体性を持って人生に取り組め、自分自身に対してリーダーシップを発揮して自分も気づいてこなかった貴重な才能を開花させて、圧倒的な価値を生み出す重要な人間になって建築業界を牽引する人材に育ってくれ!」と言うことです。講座の中ではHEAT UPして、「君は一生涯、使いっ走りの人生を一生送るつもりなのか!」と厳しく詰め寄ったりしてしまいますが、誰もが少し意識を変えて、自分から善なる意図を持って行動を起こすだけで大きな価値を生み出せるようになることに気づいてもらいたいとの親心からです。誰もがうすうすは感じていたり、表面的に知っている、しかし十分にその威力を使うことができない人が世の中の大半である、習慣の力や返報性の法則、ゴールデンサークルと呼ばれる意図が持つ力等の原理原則を実際に体感し、なんとか自分のものにしてもらいたいと強く思うのです。


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構造改革はボトムアップから

一般社団法人職人起業塾で行っている研修はすべて実践型の研修となっており、「能書きはいらん、行動で示せ」と塾生達に毎回口を酸っぱくして言い続けています。座学で学んだ原理原則論を自ら自分の役割や職種に合わせて日々の習慣に落とし込むアクションプランを立案してもらい、毎回その検証を行いながら徐々にブラッシュアップを繰り返し、最終的には卒塾後に事業所で彼らに主力となって取り組んでもらう現場改革、業務改革のプランへと押し上げていきます。建築業に限らず、未来の売り上げを作り上げるには目の前の顧客からの高い評価に基づく圧倒的な満足から生み出される信頼が不可欠です。そしてそれは、現場でリアルに答えを出すしかなく、決して経営者がコントロールできるものではありません。事業所の未来を左右する顧客接点を担っている自覚を持って、末端の実務者からボトムアップ式で会社の利益構造を変える仕組みの立案と実践を私たちの研修の出口に設定しています。

志を以って万事の源となす

人の道を守り、信頼を積み重ねることで未来を切り開く原理原則系の古典的マーケティング理論を実務者たちに実践してもらうにあたり、私が最も重要視しているのは目的意識です。研修講座の中ではそれを「志」と言い換えておりますが、善なる高い志を持って事業に取り組むと、その思いに心を打たれ共感してくれた人が、単にメリットとデメリットの比較、損得勘定だけではない基準で応援してくれたり、仕事のオファーを与えてくれたりします。今日の講座でも繰り返し「君は何のために働くのか?」と言う問いを繰り返し、目的と手段を決して履き違えることがないように繰り返し答えを出し続けて貰いました。金が稼げたらいい、自分が楽できたらいい、今だけやり過ごせばそれでいい、と目的も理想も持たない人とは、一緒に働きたいとは誰も思いません。逆に人に共感される目的や意図を持って熱心に仕事に打ち込めば、誰でも必ず多くの人から支持をされ応援されるのは自明の理、「私の理念は〜」から始まる志を照れることなく恥ずかしがらず、まっすぐに語ることと、それが事業所の目指す方向性と整合しているかをしつこい位に何度も確認してもらいました。


誰もが才能を持ち、開花出来る

「職人起業塾」という変わった名前の研修講座は元々、私が代表を務める株式会社四方継の社員大工向けの独立起業支援の勉強会です。大工という職業柄、一人前になったら独り立ちしたと思う者が多く、独立するなら流れの応援大工で日当を稼ぐような働き方ではなく、事業を成り立たせる起業をしなさいと、経営者になるに当たって最低限知っておくべき原理原則を教えておこうと勉強会を始めました。元社員で独立して立派に事業を営んでいる経営者もいます。ただ、この10年くらいは殆ど独立すると退職する大工はいなくなったのは、経営の知識を得れば得るほど、経営者として事業を継続していくことの難しさを理解したからかも知れません。ちなみに、今は、起業できるくらいのスキルと才能を持ったリーダーの集まりで事業を継承できる組織づくりを目指しており、事業承継のぷろじぇくと進めています。
全国で行っている研修事業も基本的な考え方は同じで、塾生に経営者と同じ感覚を持って、現場で顧客に向き合ってもらう事で、圧倒的な信頼を勝ち取り、事業所の中心的な役割を担ってもらえる様な成長を目指しています。その根本的な考え方は、タレンティズム(才能主義)に近く、専門の知識と技術を持った実務者は明確で善なる意図を持ち、それを行動で示すだけで圧倒的な力を発揮する、希少で貴重な才能を開花させることができるとの私の経験則に裏付けられた持論です。

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志を掲げることから始めよう!

今日の講座では、私がビジネスを行う上で最も重要だと考える意図を明確に示してもらえる様に、「私の理念は〜」となんのためにこの仕事を行うのかを一人ずつ発表してもらいました。その中で、国産木材にこだわった金物工法のプレカットを提供している塾生は「日本の林業を活性化させ、豊かな環境を守ると同時に、安心できる安全な住宅を供給して世の中を幸せにしたい」と述べられました。最近、新規営業に行った先では、「君は経営者の親戚なのか?」と聞かれたと言っておりましたが、事業所の理念を腹に落とし、自分の言葉で熱く意図を語ることで、今まで取引がなかった規模の事業所の経営者に興味を持たれで視察に来られたとのことでした。きっと、理念に共感した経営者同士で良い取引がスタートするのだと思います。また、左官職人の塾生は「卓越した左官の知識と技術を身につけて、それを発信することで業界に関わる人々の幸せに寄与したい」と何の衒いもなく、非常にフラットな雰囲気で、しかも固い意志を醸し出しながら語っていました。この人に仕事を依頼したい、この人と一緒に仕事をしたいと思われて当然の状態になりつつあると思います。大きな志、善なる意図を持つということは、自然な流れで相手に対する貢献する力を高めようとします。それが自信につながり、さらに影響力を増す結果を導きます。誰にでも出来る「志を持つこと」それだけで在り方を見つめ直し、仕事のやり方も提供する価値も大きく変わります。それがタレンティズムの本質だと思うし、そんなきっかけを提供するのが私のライフワークなのだと改めて実感することができました。最終講での塾生によるビジョンプレゼンが楽しみです。塾生のブログ、紹介しておきます。(^ ^)

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誰もが持つ才能を開花させる研修やってます。



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