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誰もが反対した。よりも誰もが共感した。#逆説の逆説は本質

私は神戸の西の端にある株式会社四方継の本社3階にあるTUGIスタジオで毎月1階、無料の勉強会を主宰しています。原理原則論に基づいた持続可能な循環型ビジネスモデル構築のための実践的な勉強会で毎月、様々なジャンルから経営者や経営幹部の方が参加され、今月で103回目を迎えます。その継塾では1年に3回、参加メンバーの中からピックアップした方のビジネスモデルを皆でディスカッションを通してアイディアを出し合いブラッシュアップする機会を設けています。端的に言うと、ビジネスモデルの再構築をお手伝いするワークショップです。

誰もがいいって言ったものはだめだ説

ビジネスモデルを新しく考案する、もしくは既存のモデルをイノベートする際に昔から、よく言われるのは「誰もが賛成するありきたりのビジネスアイディアはうまくいかない、99%の人がそんなの無理だと反対するようなアイディアこそイノベーションを起こす。」と言うことです。確かに、誰でも考えつくようなアイデアが社会にインパクトを与えるとは考えにくく、それがうまくいく位ならすでに誰かがやっていると考えるのはおかしなことではありません。しかし、自分自身はこのプランがあれば世の中の課題が解決できると確信を持っていて、誰に相談しても共感されずに反対されるアイディアを生み出すことなど至難の業と言うよりも、偶然が重なった突然変異ぐらいの確率でしか生まれそうにありません。特殊な才能や卓越した知識を持たない一般人には到底イノベーションを起こすことができないと言われているのと同じです。

ビジネスモデルキャンバスを使ったホットシートの発表

イノベーションの種

私は以前からその説にそこはかとない違和感を感じていて、問題や課題は常に現場にあるし、現場を深く知っているものこそがその根本的解決へのアプローチを感じることができると思っていますし、誰でも課題に真剣に向き合い、深く考え、試行錯誤を繰り返せば、解決への道を見つけられるのではないかと考えています。そんな想いもあって継塾ではホットシートなるビジネスモデル再構築のワークショップを繰り返し開催しています。実際、その場で出されたアイデアを実際の事業に実装して成果に繋がった例も少なくなく、小さなイノベーション(問題解決)への扉を開く効果があると実感しています。問題は常に現場にあるし、解決の種も現場にあると思うのです。

逆説の逆説は本質

そのホットシートのワークショップを何年にも渡って繰り返していて私が感じるのは、多くの人から共感を得られるアイディアは決して悪いものではないと言うことです。逆に、共感を得られないようなビジネスモデルは成り立たないし、スケールすることもないのではないかと思っています。上述の99%反対説の間逆の考え方ですが、100%の人に共感されるアイディアこそ、スケールする可能性が高いのではないかと普通に思います。逆説の逆説は当たり前、と言うことだと思いますが、どう考えても多くの人に反対されるより、応援される方が良いに決まっています。

ビジネスモデルのフラット化

逆説がひっくり返ったのは、あくまで私の私見ではありますが、時代の変化も大きく影響しているのではないかと感じています。1%の人間が画期的なアイデアを振りかざし、99%の人の反対を力で捻じ伏せるのは資本主義社会のピラミッド型ヒエラルキー構造そのものといえます。今まで誰も考えつかなかった商品やサービスをマスメディアを駆使して広く世間に知らしめ、一気呵成にビジネスモデルを構築するパターンは資本主義の行き詰まり、誰もが情報を手にできる情報革命と共に成り立たなくなっているのではないかと思います。これからは、信頼や共感、関係など目に見えない価値が資本として認められる共感資本社会へのシフトチェンジが進むと言われる中、多くの人に共感され、支えられ、協働できるビジネスモデルこそ時代に適応できると思うのです。

誰もができるビジネスはなぜ駄目なのか?

なぜそんなことを考えたかと言うと、最近私が新たに取り組みをスタートさせた志×技能×高等教育を提供する新しい形の職人高等学校の事業構想を話す度に、私の話を聴いてくれる相手全員が、共感する、いいと思う、一緒に取り組みたい。と言ってくれるからです。私がビジネスモデルを語る口調が熱を帯びているからかもしれませんが、誰1人異を唱える人がいないのは、さすがに、少し気持ち悪く、若干不安になったのです。そういえば、以前、誰もが賛成するような新しいビジネスや商品、サービスは誰にでもできるしすぐ陳腐化する、成功するわけがないからやめておいたほうがいいと言われたことがあるの思い出しました。

社会課題解決型モデルの本質

その言葉に全く説得力がないわけではありませんが、よく考えたら前提条件が全く変わってしまっていることに気が付きました。私が目指す成功とは、使い切れないほどの巨万の富を稼ぐことや、事業をIPO、バイアウトして悠々自適の暮らしを楽しむとかではなく、単純に自分が生きてきて違和感を感じたこと、生きづらさの元になっている課題を解決したいだけで、多くの人が私が作ったモデルを使って課題解決に取り組んでもらえればこんなに嬉しい事はありません。そのためには多くの人から共感を得る必要があるし、また一緒にやる価値を感じてもらうことができなければ、自分1人の力では実現不可能です。社会課題解決型のビジネスモデルとは、これまでの価値観や、セオリーと全く関係のない新しい考え方に基づいて構築すのだと改めて気づいた次第です。多くの方々の協力と協業を得ながら、創業の志に掲げた職人の社会的地位向上と、建築業界の職人不足、そして私と同じような学歴マイノリティーが未来を標榜できるそんな世界を次世代に継ぎたいと思います。

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職人の社会的地位の向上を叶えるビジネスモデル構築のサポートをしています。

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