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立志、立計、立龍 〜2024年の計画策定〜

10年前から私が主宰する私塾「継塾」は元々、原理原則系のマーケティングを学ぶ無料の勉強会としてスタートしました。時代の流れ、移り変わりと共にその姿を少しずつ変え続け、現在は経営の持続性を高める自律循環型ビジネスモデルを構築する実践と情報共有の場になっています。
一年の初め、1月の会では毎年、計画の策定について考え、計画を立てる、立計をテーマにしています。

アクションプランとグランドデザイン

事業計画の策定は目の前、足元で何を行うか?を明確にするアクションプラン:短期的目標、計画と、単年では到底達成することが出来ない事業の目的、ビジョンに対する中長期の計画の両方が必要です。この2つの目標、もしくは中期と長期を分けて短期と合わせて3つの計画を立案することをオススメすると共に、自分自身も計画の見直し、ブラッシュアップを行う機会にしています。
ごく当たり前ですが、どんな目標達成も課題解決も行動なくして成し得ません。行動は一回やってみただけでは大した成果をもたらしません、継続して行う為にはその時間を確保する必要があります。計画無くして行動も成果もあり得ません。計画とは即ち、時間を使う優先順位を決めることに他なりません。緊急性と重要性の2軸を鑑みて、目標設定に届く時間の使い方を今回も話し合いました。

PDCAは機能しない

計画の重要性は誰しもが認めるところだと思いますが、残念ながら私も含めて殆どの人は計画を立てるのが苦手、もしくは実効性のある計画を立てられません。その理由は、人は基本的に縛られるのを嫌う生き物で、他人に縛られたく無い以上に自分に縛られるのを嫌います。自分自身が目的や志を達したいと思っていても、緻密な計画を立てて自分をがんじがらめに縛りつけるのを嫌い、すぐに予定を変えれる様に余白を作ってしまうからです。
簡単に変更される計画に大した実効性は無いのは当然です。実はこれがすっかり世間で一般的になったカイゼンのフレーム、PDCAが上手く回らない理由で、穴だらけの計画に曖昧な行動、ツッコミどころ満載のチェックではいくら回しても大した成長は無いし、同じところをぐるぐる回ってしまいがちです。まずは計画を立てられない自分を認知すべきだと考えています。

目的と対象の明確化

人は基本的に計画が嫌いで下手。そんな基本に立った上で、私は立計のワークショップを行っており、実効性を高める工夫として、2つの点に留意してもらっています。
ひとつは目的の明確化です。本当にやりたいこと、やらねばならないこと、誰のために、何のために、どんなことを実現したいのか?その問いをいつまでに、どの様なプロセスで、どの範囲を対象に行うのか?と、所謂5W1Hを明らかにするのがそもそも計画の策定だと伝えています。
もう一つは誰とやるか、誰に広げるか?を考えることです。一人では曖昧になりがちな計画も協働する人やサービスの対象者を明確にする事で計画にリアリティを付加し、一番破ってしまいやすい自分との約束を、簡単に反故にしにくい人との約束に転換して計画の中に入れ込むのを推奨しています。

SECIモデル

全ては一人から始まるが、一人では何も成し得ない

これらの概念を元にSECIモデルと呼ばれる螺旋的成長を誘うとされるフレームで事業の組み立てると共に計画を策定して貰っています。
SECIモデルでは、全ては一人の人の強い想いから始まる。との人の持つ大きな可能性(暗黙知)をベースに、その想いを人に伝え(表出化)共有し、共に練り込んでみる、連結、共同化のプロセスを経て更にレベルを高めた行動に繋げる。強い想いを持った人と、共感して行動を共にする人が計画に深く関わり、暗黙知と形式知を行ったり来たりしながら実際に行動、実践に繋げていくフレームになっています。
心の奥から強く、実現や目標達成を望み、人を巻き込んで立てる計画は一人で考える緩い計画よりも実効性が高くなるのは想像に難くないと思います。また、このSECIモデルを立体的に積み重ねることで長期にわたる目的に対して螺旋的な成長を計画する事も可能になります。

20年の総決算の年

また、今年の計画策定のワークショップでは時代の大きな流れも加味する必要性も示唆しました。未来予測の精度が高すぎると数年前から大きな話題になっているオムロンの創業者、立石一真氏が提唱したSINIC理論では、現在の最適化社会は今年で終わり、来年、2025年から自律社会へと社会は大きく変わるとされています。今年は言わば、最適化するフェーズの総決算の年になると捉えるべきで、自分自身や自社の取り組みの20年間の流れを俯瞰すると共に今後の計画に活かすべきとの位置付けになります。今一度、20年前に立てた志について、そして最適化に進んできたであろう20年間について振り返ることをお勧めしています。
SINIC理論についてはこちらに詳しく書いてます。

雲を突き抜けてあたらしい世界に飛び込む年

今年は甲辰。60年に一度の始まりと天を駆け上る龍のように成果を手に入れたり、これまでの蓄積が形になる年だと言われます。
これまでの20年間を振り返り、新しい時代に適応した計画を立てるのにもってこいの非常に縁起の良い年とも言われています。
一人の強く、善なる想いから全ては始まる。その想いを共有し、共感してくれた人たちと連結し、共同化することで一人ではできないと思っていた困難なことが実現出来る。何度も話し合い、意見を戦わしながらブラッシュアップを繰り返すと必ず道は開ける。最適化社会の最終年の総決算の年の計画はそのまま、来年からの自立社会への扉を押し開くアクションに繋がるはずです。せっかくの節目を生かして、未来を想像して創造するそんな機会にされてみては如何でしょうか?

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計画立案、実践、検証を人の心のありかと共にデザインするお手伝いをしています。繋がってください!

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