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ものづくりの楽しさと嬉しさを。

株式会社四方継の建築事業部「つむぎ建築舎」では夏休みのこの季節毎年木工教室を開催しています。ご縁があったお客様や地域の子供たちに楽しんでもらえるこのイベントは、かれこれ17年継続して開催しており、近年では「夢をかなえる木工教室」と題して、子供たちが作りたいものを事前に絵に書いて送ってもらい、それを若手の大工がサポートして実際のものに仕上げると言う手の込んだイベントになっています。今年も奇想天外な発想の図面が送られてきて、若衆たちは準備段階で随分と頭を悩ましたりもしておりましたが、そろそろ満足なモノづくりを楽しんでもらえたようです。

本物を作ったらもっと面白い

毎年の木工教室で、子供たちと付き添いで来ている親御さんも含めてとても楽しそうにされているのを見て、どうしてもっと大工になりたいと希望する子供たちが増えないのか本当に不思議でなりません。椅子や机やクワガタや猫の家を作ってをこんなに楽しいんだから、実際に人が住む家を作って、そこで幸せな暮らしが営まれるのを肌で感じられる職人の仕事が面白くない訳がありません。私が思うに、ただ単に職人として働く事がどんなに楽しいかを知る機会が少ないだけではないのかと思うのです。実際にものづくりの楽しさを体感した上で、職人として働くことの意味と意義、将来性や無限の可能性のあるキャリアプランに触れたらきっと多くの若者が建築業界の現場に殺到すると思うのです。

出前、職人体験WS

そんな自分自身の経験則から思い立ち、現在、建築業界の有志の方々と共に歩みを進めている職人育成の高等学校のプロジェクトで夏休み明けから職人の技に触れて、その可能性を知る機会となる出前授業のボランティア活動始めることになりました。現在、ダブルスクールの制度を利用して学生として若者の受け入れ先として名乗りをあげている事業所は既に10社を超えており、職人としての専門職種も大工、左官、板金、足場鳶、塗装と多岐に渡ります。それらのメンバーと選択肢の広い分厚いカリキュラムを組み立てて、中学校や就労支援施設、フリースクール、養護学校など様々な教育機関に出張して出前授業を行おうと言うものです。

金の卵にならないか?

その昔、この国が戦後の復興から高度成長期に差し掛かる頃、敗戦による影響で人材不足に苦しんでいた企業では、田舎から都会に出てくる集団就職の中学生のことを金の卵と呼んでいた時期があります。すっかり学歴偏重の社会になった今、そんな言葉は死語になったと言われてきましたが、圧倒的な職人不足が建築業界だけ問題ではなく、日本全体の設備投資やインフラ整備を支える上で喫緊の課題になりつつあります。職人の世界は考え方や知識も重要ですが、なんといっても現場での経験がものを言う世界です。明確な目標や目的がないまま全日制の高校に通うよりも、私たちが推し進める職人の技術を学べる通信制高校に通うと言う選択肢は、新しい時代の金の卵を生み出す可能性があると思っています。若者に、職人の技や働き方、生きがいを見せたい、触れさせてみたいと思われる方、お気軽にお声掛けくだされば幸いです。

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職人の社会的地位向上と学歴マイノリティーの若者にチャンスを提供する活動をしています。


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