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経験と論理と直感の相関関係と親和性 〜感性の磨き方〜


昨日のnoteではモデルナワクチンを打った後の副反応の私の体験をもとに、ヤバイと直感で感じたら、あれこれそれっぽい理由をつけてそれをひっくり返すのではなく、直感を裏付けるエビデンスを考えるべきだったとの考察を書きました。「考えるな、感じろ」との言葉は昭和人の我らがヒーロー、ブルース・リーが映画のセリフで口にしたことでツトに有名ですし、一見、対局にあるように思いがちな直感と論理ですが、実は一体だと理解したというエピソードでした。その部分を備忘録がてら、もう少し整理しておきたいと思います。昨日の記事はこちら。

考えるな、感じろ。の時代

私が将来、あんな風に歳をとりたいなー、と憧れている大先輩の一人にBe研修で有名な行徳先生がおられます。来年は是非とも職人起業塾のフォーラムでご講演をお願いしたいと企画を練っているところで、元気な間に数多くの若者に行徳先生の哲学を中心に据えた人生のあり方に触れてもらいたいと思っています。その行徳先生が芳村思風先生との共著で上梓された『いまこそ、感性は力』という本が(ジャニーズの村上くんが愛読していることから)最近、再び人気となっているとのニュースがありました。地の時代から風の時代に変わった、弱肉強食資本主義から共感資本社会への移行がダボス会議で話題になるなどの最近の流れと相俟って、時代は論理から感性へ、ロジックからクリエイティブへと重心を移しているとも言われています。要は考えるな、感じろ。の直感重視の世界です。(写真は致知出版社のサイトから拝借しました。)

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どうやって直感を鍛えるのか?

私自身も最近の世界の大きな変化を肌で感じており、人は論理で行動を選択するのではなく感情が動いたときに行動に移す。との原則論を実感することも多く、感性を磨かなければと意識をしましたし、この1年間、研修やセミナーでもその様なことを随分と口にしてきました。しかし、我が身を冷静に振り返った時、さてどうやって感性を磨いたものかしら?との疑問が浮かびます。すぐに思いつくのは、茶道や書道、ヨガや座禅に勤しんで精神統一を図ったり、ランニングで頭を空っぽにして汗をかいたり、または感情を揺さぶられる本を読んだり、映画を見たり、美しい景色や絵画、建築を観たりといった内観の習慣とロジック以外のインプットが思いつきますが、果たしてそれらを行うことで仕事の実務にも生かせるような感性が磨かれ、直感力が身につくかというと甚だ疑問というか、頼りない感じは否めません。

感性は引き出しにあり

そんなぼんやりした、そこはかとない違和感を抱えたまま、これからは感性の時代だ!直感力を鍛えるんじゃ!と叫んで見ても若干、虚しい感が否めませんでした。しかし、今回のコロナワクチンの一件でどうしたら感性を磨けるか?との問いに対する答えが漸く見えた気がしました。それは、直感と論理は決して相反関係にあるのではなく、表裏一体であり、論理、非論理の垣根なく経験則の引き出しを多く持つことで直感を鍛えることができるとの気付きで、引き出しを増やす意識を持って物事に接することこそが直感力を養うことに繋がるのだと、ストンと腹に落ちたのです。ちなみに、キングダムで大きくピックアップされた「本能型武将」も実は直感力に優れた武将であり、代表的なヒョウコウ将軍然り、主人公の信にしても戦場で経験を積んで本能型の特徴である直感を身につけていきます。決して単なるインスピレーションに頼っているのではないのです。そして、そのような視点で普段行っている仕事のやり方を振り返ってみると、意外と直感を使って業務を行っていることも多くあると改めて認識しなおした次第です。

直感の使い方

私は設計事務所を併設した事業所の代表で、建築と地域コミュニティー事業も行なっています。スタッフは大工と女性設計士だけの事業所でいわば全員が建築技術に強みを持つ職人(設計士も職人だよね)です。事業とは「作る:product」「売る:marketing」「回す:management」が複雑に絡み合い、お互いに影響し合いながらブラッシュアップを繰り返し、徐々に持続可能な循環型モデルに整えていくもので、またそれを支えるコーポレート機能が必要です。そんなあれこれを職人のみのメンバーで事業にまつわるありとあらゆることをこなすのですが、「作る」以外のタスクに関して少なからず苦手なものがあるもので、その部分について私に相談されることが多くあります。私も元大工でしかも中卒の職人あがりなので、「売る」「回す」についてそもそも得意ではありませんでしたが、今ではスタッフが悩むことに対して即座に解を示すことができるし、課題解決のサポートも出来ます。この即座、という部分こそ直感だと思うのです。

感性の時代こそ、直感が活きる

元々、マーケティングやマネジメントの専門家でもない私が、事業を運営していく上での正しい答えを全て持っている訳ではもちろんありません。しかし、時代の流れを読み、事業の本質を見定め、即断即決で物事を進められるのは起業してから20数年間に少しの成功と数多くの失敗を積み重ねてきた経験則が蓄積され、引き出しの中に格納されてからだと思うのです。そして私たちは毎日、次々に迫られる選択に対して思考停止して先送りを繰り返すわけには行きません。昭和よりも平成、平成よりも令和の方が時間の流れは圧倒的に速くなり、その高速化に対応するには考え込むのではなく、直感に頼って数多くの選択、決断を繰り返すことが必要になっています。熟考する時間さえ許されない今の世の中に対応するには一瞬で最適解を見出せる瞬発力が必要で、それが的外れにならないのは積み重ねた経験から紡ぎ出した知見であり知恵を身につけているからだと思うのです。感性の時代こそ、直感がものを言う時代、奥深い引き出しを持てるようにしたいものです。

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直感力を鍛え、変化の時代にあった人材育成を行なっています!




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