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慣用句の重要性

建築現場実務者向けの研修事業を行っている一般社団法人職人起業塾では実践の為の座学と共にワークショップスタイルの実修研修も取り入れています。そのカリキュラムの一つにコミュニケーション講座があり、元JALアカデミーの講師で関西の接遇講師の草分けとして有名な横山桂子先生に御登壇頂いて合計3回に渡ってコミュニケーションの真髄をお伝え頂いています。

コミニケーションは身嗜みから

先日、コミニケーション研修の開催日にちょうど大阪での所用があり、少しだけ研修会場を覗いてみました。今回は2回目の講座で、前回の講義内容がしっかりと伝わっていたのか、ほぼ全員がこざっぱりと身なりを整えて姿勢正しく研修に臨んでおりました。横山先生が提唱されるコミニケーションの真髄とは「相手の気持ちに立って考える」との非常にシンプルな考え方ですが、頭髪やヒゲ、服装などの第一印象を整えるところから講座を始められます。既に、私の講座の時よりも全員がこざっぱりと好感度の持てる印象になっていました。これだけでも本当に身に付けることができたら大きな力になるのは間違いありません。

第19期職人起業塾 コミニケーション講座

受話器の向こうをイメージする

私が研修会場に足を運んだ時はちょうど電話応対の実習を行っていました。明るい声でハキハキとわかりやすく話す事はもちろんですが、電話の向こうの相手をイメージして、寄り添う気持ちを持って丁寧に対応することで電話といえどもコミニュケーションは大きく変わります。「おはようございます。」や「こんにちは。」など、電話を取った冒頭に話す慣用句の言葉をしっかりと言う事、名前を正確に伝わるように話すことなど、改めて練習をすることで普段とは全く違う話し方に変わっていくのを塾生たちも体感しているようでした。

慣用句の功罪

改めて、何気なく使う慣用句が非常に大切なのだと認識させられるとともに、そういえばとふと気づいたことがあります。それは、いつからかビジネス上の電話やメールの枕詞に「お世話になります。」をつけるようになっている事と、それをあまりにも頻繁に使うようになったがために全く心のこもってない言葉として耳に入ることが多い最近の傾向です。最近スタンダードになったその慣用句は一見、丁寧な言葉遣いをしているような印象を与えそうですが、実は以前から、お世話した覚えもない人からお世話になりますと言われたり、お世話になると決まっていない段階でその言葉を会話の冒頭に話したりするのに、私はそこはかとない違和感を感じていました。丁寧なのかそうでもないのかよくわからんな、といった感じでした。

横山先生による実習研修

関係の質を上げる入り口

私たちは社会の枠組みの中で生きている以上、ビジネスにおいても組織においてもすべては人間関係で形作られているといっても過言ではありません。最近は、人間関係の質が結果の質や成果の質を担保するとよく言われます。ここ最近、私が最も頭の中にこびりついて離れない言葉は「人の心はどこにあるのか?」との経営実践研究会の藤岡会長がよく口にされる問いで、そこにあらゆる課題解決や成果を生み出すヒントが隠されているのではと感じています。そのように考えると、コミニケーションの入り口として使う何気ない常套句や常用語に気をつけて、本質的なコミニケーションに留意する事はその入り口なのかもしれません。

あらゆる問題解決の糸口

人が抱える課題や問題は全て人間関係に由来する。と言われたのは心理学の大家アドラー博士。その言葉がテーゼだとすれば、あらゆる問題や課題はコミニケーションが解決してくれる、いや、相手の心のありかを探す本質的なコミニケーションができなければ一切何も解決しない事になります。そして、人間関係はある日突然、急に改善することなど決してなく、少しずつの蓄積が時間とともに関係となって現れるもの。日常の中で見過ごしてきた些細な言葉遣いや態度を少し見直してみる事は解決の糸口が見えない問題や課題に対するアプローチの入り口になる可能性があると感じました。今更ながら、気をつけてみたいと思います。

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本質的なコミニケーションを伝える研修を行ってます。

7月26日はリフォーム産業フェアで登壇します。

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