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もう一回聞くで、君は何のために働いてるのか?

昨日は神戸の西の果て、株式会社四方継本社3階のTUGIスタジオ&テラスにて第98回継塾を開催しました。この継塾なる私塾はもともと独立したいと言う社員大工のために、起業するなら最低限経営者としての基礎知識を身に付けてから計画性を持って事業を立ち上げたほうがいいよとアドバイスした流れで8年ほど前にスタートしました。

螺旋的成長は繰り返しから

継塾は毎月開催する無料の勉強会で、小手先の売り込みの手法ではなく、自分自身のあり方に着目する原理原則論を学び、実践する実践復習会と言う位置づけで、今では下は中学生から、上は退職してセカンドキャリアを模索している方まで、様々な業種から老若男女問わず多くの参加を頂いています。毎年ほぼ同じテーマをぐるぐると繰り返しながら、切り口を変え、少しずつ視点をずらしながら原理原則に向き合う時間を持ち、それを実業に反映することで、一切の売り込みを排除して、自然に売り上げ利益が保てるような持続可能な循環型ビジネスモデルへの移行、状態を整える取り組みを推し進めてもらっています。

意図こそが重要

今回のテーマは「意図」でした。TED Talksで有名なサイモンシネックの“ start with why”のゴールデンサークルを題材に取り上げて、卓越したリーダー、ビジネスモデルを構築した企業は、What(何を)やHow(どのように)ではなくWhy(なぜ)に重点を置いて物事を考え行動している、人はロジックではなく感情に突き動かされて行動を選択するとの理論を紹介した後、「何のために仕事をしているのか?」と言う根源的な問いを参加者の皆さんに投げかけました。

学問のススメからの提言

セッションを始めた冒頭にその質問をぐるっと回った際は、お客様の笑顔のため、自分と家族の為、自分の達成感のため等々、差し障りのない表面的な答えが多く返ってきました。その後、福沢諭吉先生の学問のすすめを引用し、額に汗して働いて家族を養い衣食住をたらしめるだけでは万物の霊長足る人間の目的を出したとは言えない、少しでもこの世界を良くして次の世代に継げるように自分の原体験から紡ぎ出すそこはかとない違和感、不条理に対する憤り、誰かから引き継いだ想い、自分が信じるものなどを鑑みて、魂の声に耳を傾けて改めて自分は何のために働くのか、何のために生きているのかを聞いてみました。

圧倒的な反応の変化

何のために?と言う同じ質問を繰り返したわけですが、2週目は、業界の悪しき習慣を是正して、そこで働く人の地位を向上させたい。尊敬する父親の夢を引き継いで叶えたい、一生懸命がんばっている人が報われるように応援したい、それぞれの人たちが1階きりの人生、自分が生きてきた証を残したいと、自分自身のリアルな体験をもとに世の中を良くしたいと語られました。質問への答えが一巡した後、参加者に聞いてみると、一の質問の際の答えを聞いても別に何も思わなかったが、2回目の返答を聞くともっと話を聞いてみたい、この人と仕事がしてみたい、この人にお願いしたいと感情を揺さぶられたとのこと。ゴールデンサークル理論が瞬時に実証された瞬間でした。

心に刺さらない自己紹介

今だけ金だけ自分だけの利己主義な人ではなく、同じ仕事を頼むなら、良き意図を明確に持った人に仕事を頼みたい、当たり前と言えば当たり前ではありますが、その中心にある「何のために?」を正面から向き合って突き詰めた上で、それを事業に落とし込む人は決して今の世の中ではスタンダードではありません。今回も、とある参加者は冒頭の自己紹介の際に新しく新規事業でドローンの活用を企画していると言われましたが、屋根の点検ができます、動画も撮れます、お気軽にご依頼頂けます、一般的にドローン事業で収益を上げている会社がほとんどないのでなんとか収益化したい等々、何を、どのように、ばかりを話して何のために、誰に対してどんな想いで、どの様な課題や問題の解消を提供したいか等、Whyに関することを全く話されませんでした。

Whyから始めようぜ!

一般的な世間の常識として、商品やサービスの説明をする際に具体的な目に見えるバリューを前面に押し出して説明するし、聞き手もそれを期待します。しかし、卓越した価値を提供出来るこれまでになかった、まさしくイノベーションだと目を見張る様な商品やサービスが簡単に出来る訳も無く、殆どの事業所のプレゼンは上述した方の様にあまり興味を持たれない伝え方に終始してしまいがちです。サイモンシネックや福沢諭吉先生が提唱された原理原則論から鑑みれば、何を提供するかよりもなんのために、なぜ提供するかを個人的な体験や感情と共に明確に伝えた方が共感を得られるのは明らかです。こんな誰もが知っている、しかし行っていない事を実践する事こそコミュニティの形成につながり持続可能な循環型ビジネスモデルの構築の足掛かり時なると思っていますし、私たちはその実践で10年以上の長きに渡り一切宣伝広告を行わずに事業を継続する事が出来ています。今一度、Whyから始めてみませんか?

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第99回継塾は来年の閉館を控えた生田神社会館で行います。一般参加ももちろん大歓迎です!

自立循環型ビジネスモデルを支える現場実務者向け研修やってます。

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