NPO法人で取り組むべき持続性の追求
今日は私も理事に名を連ねているNPO法人ご安心リフォーム推進委員会の運営委員会に参加してきました。この団体では「安心リフォーム基準」と言う名のリフォーム事業者向けの認定基準を設けており、建設業許可やリフォーム瑕疵保険への加入等の条件をクリアした事業者だけが正会員になることができます。技術や知識、ガバナンスのレベルを見える化して地域の人たちにに安心して仕事を依頼することが出来る事業者がいる事を知ってもらう啓蒙活動を行っています。また、正会員も入会時に一度、認定を受けたからといってずっと継続して参加できるわけではなく、年に1度の認定更新研修会を受講して最新の情報に触れ、時代の変化に合わせた事業体制への刷新が求められるリフォーム事業者団体としてはなかなか厳しい、真面目な団体です。
建築業界でのSDGsへの取り組み
その更新研修会が来月に予定されており、なぜか毎年私が講師を招聘する役目となっています。今回は誰もがぼんやりと知っている、しかし、実際の事業には全くと言っても過言でない程反映されていないSDGsについて理解を深め、リフォーム事業者が実際の事業で持続可能な循環型社会へのシフトに取り組める様に研修を行うことになりました。会員各社が具体的な取り組みと数値目標を定めることを目的に、岐阜県のひだまりほーむの石橋社長を講師に招き、ご自身の事業所で実際に行われている具体的な取り組みについてご紹介いただきます。石橋社長率いるひだまりほーむ社は私が知る限り最も早くからSDGsにしっかりと向き合われ、事業計画の中に落とし込んでおられます。国連で採択され、世界中の国々が批准して取り組みを進めているSDGsが掲げる理念、持続可能な循環型社会へのシフトは今では日本の小学校の授業でも紹介されるようになり、もはや中小零細事業者も知らない、関係ないでは済まされない状況になってきています。他業種に比して圧倒的に閉鎖的で変化に疎いと言われる建築業界でもそろそろ真剣に取り組まなければならないと考えています。
きっかけをチャンスに
今日の運営委員会では今回の更新研修をいい機会と捉えて、NPO法人自体でもSDGsの取り組みを明確にしようとの声が上がりました。現在のHPでは全く触れてもおりませんが、現在の取り組み、そして今後の計画を鑑みてSDGsに沿った活動目標を設定したいと考えています。具体的には来月の研修後の運営委員会でメンバーの皆さんに諮ってから決定し、HPなどで告知をしたいと考えていますが、そもそも私たちのような地域密着の事業者は地域経済を回す役割を担っており、持続性のある循環型経済を目指すSDGsとは非常に親和性の高い存在です。そんなこともあり、今更取り立ててこれみよがしにSDGsの目標について声を大にして叫ばなくても既に取り組んでいることが数多くあるのだからいいのではないか、との声も聞こえますが、行動を概念化して伝えるのも非常に重要なこと。子供頃からSDGsに慣れ親しんだ若者にすんなりと理解され、共感を得られる様に情報発信をしていきたいと思っています。
現在既に取り組んでいること
あくまで私の個人的な感想ではありますが、NPO法人ひょうご安心リフォーム推進委員会が現在行っている活動でSDGsの理念に沿った取り組みとして挙げられるのは「3.すべての人に健康と福祉を」「11.住み続けられるまちづくりを」「13.気候変動に具体的な対策を」の3つぐらいではないかと感じています。当NPOの活動で発足時から中心的なテーマに掲げているのは、デザインや使い勝手を良くする表面的な工事ではなく、住宅性能を向上させるリフォームを普及させることであり、メンバー内では長期優良化リフォームの認知を広め、顧客に提案し、実際の工事での住宅性能向上を強く推進しています。複雑で綿密な計画を行い、助成金活用には煩雑な申請が必要なこともあり、新たに取り組まれる事業者向けに構造計算や性能評価などのサポートも会として行っています。長期優良化リフォームの要件にはバリアフリー、CO2削減、耐震化、長期のメンテナンス性が含まれており、これらの要件に適合した優れた住宅を供給すること自体がSDGsの理念に沿った活動だと考えています。
今後目指すべき方向性
また、現在のNPOの活動ではあまり意識されていませんが、今後の取り組みとして、女性の活躍への後押しや、企業ガバナンスへの取り組み、職人向けの教育、地元産の木材活用、建築廃材の分別と再利用等々、団体として明確に方向性を打ち出して、メンバーが率先して一般市民の方々に持続可能な循環型社会への意識喚起を行うことが求められていると考えています。そして、他者に推す前に行うべきは自らのあり方を見つめ直し、自分たちから能動的に行動することだとだと思います。今回の研修会をきっかけにしてNPO法人全体として新しい世界へのシフトを実践レベルで計測し、ブラッシュアップするようにできればと考えています。私自身も自社での取り組みを今一度見直し、スタッフとともに共通の認識を持てるようにしたいと考えています。
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循環型社会構築のためのコミュニティーづくりをしています。
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