見出し画像

ストア主義と至誠が起こした奇跡

毎週火曜日の朝は早朝に起き出して「経営者の真摯な学びの場」と称される倫理法人会のモーニングセミナーに参加するようにしています。今朝も、神戸のポートピアホテルに足を運んで会員の宝石店を営む若手経営者がこれまでの人生を振り返りつつ、原理原則の学びを通して実践してきた体験談を熱く語られているのを拝聴し非常に心を動かされました。学び続けられる環境に身をおけるのは本当にありがたいことです。アウトプットは最大の学びの場と言いますが、私にもモーニングセミナーの講話の依頼を頂くことがたまにあり、来週の6月16日は宍粟市倫理法人会で、7月20日は神戸市倫理法人会で登壇させて頂く予定になっています。自分自身での整理の意味を込めて、お話しする(予定の)内容を以下にまとめてみたいと思います。

ピンチをチャンスに変えるストア主義

私はこれまでの人生を振り返ってみて、幾度となく大きなピンチに遭遇した、というよりも、そもそも若い時は学も金もコネもないまま勢いだけで起業してまともに事業を行う実力がありませんでした。それでもなんとか20年事業を続けて来れたのは、自分で決めたことくらいは地道にコツコツやり続ける習慣の力に依るところが大きかった様に思います。その昔、ギリシャの哲学者の一派、ストア主義ではピンチこそチャンスだと提唱されていたようで、その概念に触れる機会があった際に、なるほどと随分と腹に落ちました。

画像1

ストア主義の代表的な哲学者のエピクテトスが「哲学は人間が自分の外部にある全てのものを手に入れることを保証しないが、代わりにその適切な主題の中に眠っているものを手に入れるであろう。大工の使う素材は木材や彫刻用青銅であるから、生き方の素材は各人の生である。」との言葉を残されています。人生そのものを素材と考え、それをどのようにデザインするか、加工したり造形するかを考えることで人生は自由に思う方向に進めて行くことが出来るとの非常に力強い言葉です。そして、世界は物質的で、神あるいは自然として知られている理性的な実体であり、能動的・受動的の二種類に分けられるとして、受動的な実体は物質であり、「何にでも使える実体だが不活性で、何者かによって運動を加えられないと動かないままでいる」
逆に運命あるいは普遍的な理性(ロゴス)と呼ばれる能動的な実体は知的なエーテルつまり原初の炎であり、受動的な物質に働きかける。と、普遍的な理性、倫理、道徳(ロゴス)を学び、志(エーテル)を燃やし、使命を見出すことで環境に対して能動的に働きかけることが出来るとピンチをチャンスに変えるストア主義的方法論としてまとめられています。習慣に対して執着し内向きな研鑽に熱心に向き合う姿勢をストイックといいますが、それはストア主義の考え方を由来にしているようです。私は自分のことをストイックと称するつもりはありませんが、ストア主義的な考え方は昔から持っていた様に思います。

ストイック 【stoic】( 形動 )
〔ストア哲学の信奉者の意から〕禁欲的に厳しく身を持するさま。 

7つの習慣

私の身の上に起こった奇跡

あまり書きたくはありませんが、これまでの私の人生を大まかに要約すると、こんな感じです、

→少年時代、手がつけられない悪ガキだった。
→青年時代、学歴社会から完全にドロップアウト
→25歳の遅がけから職人に(既に落ちこぼれ)
→カネ、コネ、学が全く無いまま徒手空拳、勢いだけで起業
→経営とは?経営者とは?さえ分からないまま法人成り
→決算書も読めないのに勢いだけで自社ビル建設

一言で表すとどうしようもないバカな男です。しかし、そんな私でもなんとか経営者として20年間事業を続けてきて、現在、3つの法人の代表、5つの団体役員を務めています。奇跡というしかないよね、というのが私の正直な感想ですが、そんなどうしようもなかった私に奇跡が起こりました。

起業した際に最もまずかったのは、心の拠り所、指針、理念、信条、判断基準、目的さえも明確になかったことで、流石にこれではまずいと暗中模索の中、私が取った行動とは、ジュンク堂書店に先人の教えを探しに行き、原理原則の書に触れたことでした。そこで購入した成功法則が書かれた本(7つの習慣)を読んで実践してみたことは、とにかく、決めた習慣を守り抜くことでした。しかし、そんな簡単に人生が大逆転する訳もなく、悩みは尽きませんでした。そんな中、大きな転機となった運命的なご縁がありました。それは、私を倫理法人会にお誘いくださった、パワフルな女性経営者の(当時お客様だった)村山順子さんに一緒に学ばない?と誘われて中小企業同友会に足を運び、そのご縁から知り合ったビジネスコーチにコーチングをお願いして以来、現在まで18年間コーチングを受け続けていることです。当初は、自分で決めたことも、時間がない、忙しい、もっと優先順位が高いことに追われている。とおざなりにしており、目先、足元のことばかりに囚われて全くなんの変化も起こせませんでしたが、2年ほど経過したある日、まるで歯車が違うギアにかかり出したかの様に全てを自分で仕切らなければ気が済まなかったのが、スタッフに仕事を任せることと同時にスタッフを育てることに時間を割けるようになりました。自分で決めた自分との約束を守れる力を身につけたことの効果は絶大で、緊急性の低い、しかし重要なことに意識が向く様になるとそこから一気に世界が変わって、職人の親玉から経営者へと変わる転機になった様に思います。

画像2

破約失福

私が原理原則論に出会い、ひょんなきっかけで自分との約束を守る力を身につける様になった体験を通して最も深い学びと気づきを得たのは「誠実さ」の定義でした。それは、吉田松陰先生が好んで用いられた「至誠」に表されるように、誠実さとは誠に至ることであり、人との約束を守る前に、まず自分との約束を守るべし。との原理原則です。倫理法人会のバイブル的存在の万人幸福の栞の中に「破約失福 〜約束を違えれば、己の幸を捨て他人の福を奪う〜」との項目があります。平成30年の最後に一年の締めくくりとしてモーニングセミナーで学んだビデオ講座では約束を守れない人間の行く末を以下の通り列挙されていました。

1、他人からの約束を破られて苦しむ
2、一貫した実践力を失い無責任な人間になる
3、次第に嘘をつく性癖が強くなる
4、多く七八分まで行って崩れてしまいます
5、信用されなくなり人間失格の烙印を押される

逆に、誠実さを胸に刻み自分との約束を守れれば、

1、他人が約束を守ってくれる
2、実践力を持つ重要な人間になる
3、次第に真実が見えるようになる
4、七八分までで崩れそうでも立ち直る
5、信用を集め、影響の輪を広げられる

ということになります。「至誠息むこと無し、息まざれば久し。久しければ徴あり」と中庸に書かれた孔子の言葉の通り、ストイックに自分との約束を守ることに固執して、習慣の力を身につければ、道は必ず開けると身をもって体感して来ました。現在、このnoteに書き残しているログは毎日更新を行い始めてかれこれ14年になりますし、隔週の書道や毎月の茶道、毎週日曜日のランニングに毎日の筋トレや読書も同じ14年近く続けています。全ては自分との約束を守る実践から、時間と共に少しずつ影響力を拡大することができるのを、どうしようもなかった私自身で証明してきた形です。そんな体験談を倫理法人会のモーニングセミナーで詳しくお話ししたいと思っています。ゲスト参加の参加費は無料ですので、よかったら覗きにきてください。

_______________

6月16日 宍粟伊沢の里

7月20日神戸ポートピアホテル

誰もが持つ才能を開花させる研修やってます。










この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?