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新しい学校の2つのスタンダード 〜志とコーチング〜

昨日は来年4月開校予定の新しい職人育成の高校「マイスター高等学院」の準備室定例mtgを行いました。本格的に生徒募集をスタートするにあたり、教育体制を整えるべく、京都の有名進学通信制高校であるゴールフリー高等学院と、進学塾として圧倒的な成果と知名度を誇る成基学園の佐々木代表にアドバイスを頂いた内容を踏まえて、参画事業者にその内容をシェア、運営体制に組み込む手筈を整えました。これまでになかった新しい学校を創設するにあたり、教育方針や運営体制も斬新な枠組みを構築することで合意を図りました。

先達からのアドバイス

学歴社会からこぼれ落ちそうになった若者に対して、志と技能とキャリアを提供するマイスター高等学院では最も重要な基本的価値観としてタレンティズム(才能主義)を掲げています。誰しもが無限の可能性を秘めている、その才能を開花させるのが学校の主たる目的であり役割でもあります。この教育方針を体現するにあたり、2つのスタンダードを採用することになりました。それはコーチングのコミュニケーションと明確で非常にわかりやすい志を立てるワークショップです。元来、この度の学校での授業の中心となるカリキュラムは一般社団法人職人起業塾で長年運用してきた目的(志)を明確にするグループコーチングであり、大筋は既定の路線どおりではありますが、その内容を生徒を紹介してくれる教師や保護者に伝えるのが難しいと感じておりました。その問題を解決できるスキームが組み込めたのは大きな前進であり、それもこれも教育革命家の肩書きを持つ、ロッキー佐々木こと成基学園の佐々木代表の応援の賜物です。心から感謝しています。

コーチングが生み出す変化変容

私は20年くらい前からビジネスコーチによるコーチングのセッションを受け続けています。無知で荒っぽい、トップダウン式が得意な大工上がりの経営者だった私が、スタッフに業務を委譲して現場から離れて経営者本来の仕事に時間を割けるようになったのも、今のフラットでメンバーそれぞれが役割を担い主体的に働く自由な環境の事業所になったのも、全てはコーチングを受けてきた成果だと言っても過言ではありません。過去と他人は変えれないと言いますが、コーチングのメソッドでコミュニケーションを繰り返し、積み重ねていくと自分と未来は変え放題だと気付かされます。意識変容、行動変容の入り口としてコーチングは絶大な効果を発揮するのは自分自身の体験で深く理解しています。今回、成基総研のコーチング室の松久さんにご協力頂き、教育担当者向けのコーチングスキル取得の資格講座のご案内を参画企業メンバー各社向けに行って頂きました。現在、教育コーチングは民間だけでなく公立の学校でも多く取り入れられて世間に知れ渡っており、マイスター高等学院で教育コーチングの認定校を取得することで、生徒を送り出す保護者にも大きな安心を与えることができるようになると考えています。

志の方程式

もう一つのスタンダードは志共育のワークショップメソッドの導入です。私自身が志共育基礎講座の受講をしてこれまで職人起業塾で行ってきた目的を明確にする講座をもっとわかりやすく、ブラッシュアップすると共に、参画事業者の皆さんと共に志プロジェクトに参加して学びと実践を深めたいと考えています。一言で「志の教育」を中心にした学校です。と紹介したところで、その印象は非常に曖昧で、私たちの意図が伝わらないことは明白です。
志共育のメソッドは四魂の窓と呼ばれる智、勇、信、愛の4つの概念から自分自身をカテゴライズして個々が持つ基本的価値観を明らかにするところからワークをスタートさせます。自分と他者の本質的な違いと素晴らしさを掴み、自分の特性や志向を理解した上で「挑戦する」や「守る」「導く」「探究する」などの志動詞と言われる言葉を選択する志方程式を使って、志の一文を作ります。また、未来の志の実現までのロードマップや今直ぐ取り掛かる習慣を決めるなど、短期から長期に渡ってモチベーションを持続させる緻密な設計になっています。この志プロジェクトに参画することで、具体的にどのような成果を生徒等に与えられるかをとてもイメージしやすくなるのは間違いありません。

高いモチベーションと主体性を兼ね備える職人育成が未来を創る

コーチングでのコミュニケーションで生み出そうとしているのは、学生が自ら考え答えを出して、自分との約束を守る行動力を身につけること。志教育で身につけてもらいたいのは、世のため、人のためになることは何かと考えて、自分がこの世に生を受けた意味や意義、役割や使命に気づいて自尊心と自負心、自信、自己肯定感を持って主体的に人生に向き合う姿勢、在り方です。
これらの2つをしっかりと身につけることが出来たなら、モチベーションの設定、マインドセットが出来て少々のことがあってもやる気を失うことはありません。人生はやるか、やらんかだとよく言われますが、モチベーションが高く、いいと思ったこと、やると決めたことを即行動に移せて、それが持続できればどんな目標も達成できる様になります。しかも、まだ未成年の若者がそんな力を身につけて主体的に仕事に向き合ってくれるようになれば、自ずと事業所の状態も良くなるのは目に見えて明らか、というよりも現場から大きな価値を生み出してくれる様になるのは間違いありません。まさに建築業界の未来を創造する教育になると思うのです。これから本格的に生徒の募集を始めるのが楽しみでなりません。

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職人育成高校と同時に建築実務者向けの社会人向け研修も行っています。

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