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判断がつかない問題へのアプローチ。

私が代表を務める株式会社四方継、つむぎ建築舎では基本的に宣伝広告を一切を行わずに、リピート、ご紹介いただいた方のみを対象に設計、施工を行っています。一見さんお断りと言うわけでもないのですが、それでも全く関係性のない方からの問い合わせはほとんどなくて、ある程度私たちの取り組みについてご理解をいただいた方が来られます。そんな関係で、問い合わせと言うよりもご相談をいただくと言うスタンスが多く、私も弊社で工事を請け負うか否かは別として、できるだけ第三者的な情報提供を行うように心がけています。
相談されると言うのは、判断基準がよくわからないと言うことがその根底にあり、判断できるだけの情報を提供、もしくは持っている情報の整理ができれば、悩みが解決すると考えています。これは、お客さんに限ったことではなく社内でも同じようなことがあり、先日のミーティングでも判断基準について迷いがあるとの質問があったのでここでまとめてみたいと思います。

判断ができない2つのパターン。

担当者として裁量を渡され業務を任されているにも関わらず、(判断に困り)相談があると言うのは大まか2つのパターンに分かれます。1つは、結論は大まか(もしくはなんとなく)分かっているけれども自分の責任の範疇を超えているので責任をとってくれる人に相談しておきたい。もう一つは、判断するための材料、知識が不足しており判断基準が明確でなく判断ができない。大まか、この2つに集約されると考えています。相談される私としては常に答えを提示しなければならない訳で、判断をする訳ですが、私が何でも知っている神の様な存在である訳はありませんし、情報化革命が起こった今は情報は誰にでも平等に手に入る様になりました。経験量が豊富にあると言うのは大きなアドバンテージではありますが、元々、創業時は無かった訳ですし、今尚、初めてのケースにしょっちゅう遭遇します。判断をする、答えを出すのは圧倒的な知識量でもなければ全てを知っている経験量でも無く、問題点を細かく分けて考えれる思考のルートだけの問題だと思っています。

分解すれば大きな問題は無い。

アクティブブレインセミナーという記憶術の講座で分割法なる技法があります。「薔薇」等の難しい漢字を覚えるにはパーツをバラバラにして一つずつを覚えて、それらを関連付ければ忘れ無くなるというものです。この思考法は非常に汎用性が高く、記憶だけでは無く、問題解決のルートとして大きな効果性があります。例えばよくある例として、予算が厳しい中で建物を建てなければならない場合、予算自体を見直す、リースを使うなどイニシャルコストをランニングコストに置き換える、緊急性の低い項目を先に伸ばす、若しくは部位を減らす、明細のコストを見直す等々ぼんやりとした大きな問題ではなく、小割りにした一つずつについて考えれば自ずと答えというか、落としどころが見えて来るものです。あとはそもそも何のために?と言う目的意識を明確に持っていればそんなに間違った判断をする事は無いと思います。大きな問題に直面して頭の中が混乱している時ほど、問題を分割して考えることを意識するべきです。

責任を負えない問題

もう一つの責任の範疇を超えてしまうので判断出来ない場合についても同じ事が言えます。以前にも組織論の中でこのnoteにも書きましたが、責任の定義を細かく割ってみると、
【責任】
1 立場上当然負わなければならない任務や義務。
2 自分のした事の結果について責めを負うこと。
3 法律上の不利益または制裁を負わされること。
以上の3つに分かれます。(出典:デジタル大辞泉)それぞれ見てみると、1については立場なりでの約束を守る程度のこと、ごく当然の大人として守るべき事柄なので、自分の範疇を超えることはありません。2については結果についての責めなので、結果がわからない事についてはハッキリ正直に分からないと言えば、それ以上の責めを負うことはありません。これはコミニケーションの問題です。3については丁寧に法律に照らす作業をするだけです。法律、もしくは就業規則や社内規定等という答えが明確にある以上、基本的には誰が判断しても同じ答えに帰結するはずです。とは言え、世の中はそんなに単純にできているわけではなく、正義と悪も表も裏も表裏一体、どちらが正解で片一方が間違っていると簡単に割り切れるものではありません。50歳も半ばに差し掛かった私でも、未だに知らないことも、わからないことも山のようにあります。しかし、人生は選択で作られると言うように、毎日判断を繰り返さなければなりません。ときには、判断できない。と言う判断をするべきこともあると思うのです。とにかく、思考停止に陥って問題や課題を棚上げしたまま放置してしまうことが1番問題だと思います。

解決策の咀嚼とパターン化

私は年齢を重ねるに従って、相談することよりもされることの方が圧倒的に多くなりましたが、それでもいまだに自分の専門外の問題に対しては、その道の専門家に相談する事が少なからずあります。ただ大事なのは、相談してアドバイスをもらうにしても、出来る限り自分の頭で考えてから相談することと、アドバイスを受けて最終的に導かれた答を自分の中で咀嚼して1つのパターンとして蓄積していくことが非常に重要ではないかと思っています。人に相談して解決出来ると非常に楽チンではありますが、その分、次は自分が相談される立場になって、人に楽をさせてあげれるように知見を身に付けようとする姿勢が最も問題解決力を高めるコツなのかもしれません。対外的でも社内的にも持ち上がる問題は実はそんなにバリエーションがあるものではなく、パターン化して整理すると問題解決のカギになる部分は同じようなところに帰結することが少なからずあります。私は個人的にその部分こそが原理原則になるのだと思っていて、ほとんどのことが「状態を整える」普段の連続した選択の積み重ねである習慣に集約されると思っています。人生は習慣で作られる。と言いますが、問題解決のパターンを知れば知るほど、習慣を持つことへのモチベーションが高まると思うのです。


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