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良い選択に必要なこと。

令和3年3月8日晴れ

人は環境の生き物。

今日の神戸は天気が崩れるとの予報もありましたが、昨日の日曜日に引き続き朝から気持ちの良い青空が広がりました。朝は少し風が冷たいと感じましたが、日中はポカポカ陽気で一気に春らしい雰囲気になりました。人は環境の生き物とよく言われますが、それは環境に順応すると言う意味合いと、環境に影響されやすいと言う面の両方があると思っていて、季節が春になり、気温が暖かくなるだけで何となくウキウキとモチベーションが上がる自分を見て、確かに影響されやすいものだと思ってしまいました。

選択は環境に由来する

人生は選択によって作られると言いますし、人は1日に数千回の判断や選択を繰り返しながら生きているとも言われます。そして、環境による影響でその選択は大きく変わっていくのだと思います。良い選択が良い人生を作り、よくない選択を繰り返すと不本意な方向に人生は流れていってしまいます。選択が重要なのは当然ですが、人は意識的に選択するよりも、無意識下で行動に移してしまうことの方が圧倒的に多いと考えれば、普段の環境をいかに整えているかで結局人生は決まっていくのかもしれません。

家は最も身近な環境

日常の些細な選択では大きく人生が変わる実感をなかなか持てませんが、習慣が人生を変える大きな力だと言われるのは、日々の小さな選択に他なりません。また、人生の方向を決める大きな選択を迫られるシーンが人生の中にはいくつも現れます。少年から青年時代にかけての進路の選択、社会に出てからの転職や結婚、そして暮らしのベースを作る住宅の取得も大きな選択の1つだと言えると思います。私としては特に住宅は最も身近な環境であり、その後の人生に非常に大きな影響を与えると思っていて、できるだけ慎重に、間違いのない選択をしてもらいたいと家づくりをサポートする者としていつも思っています。

7割の人が抱える後悔

そんなことを思う背景には、新築住宅を取得した人の7割が何らかの不満や後悔を夢のマイホームを手に入れた後に抱えていると言うアンケート結果を目にするからですが、自分の身の回りで住宅を取得された方々を見ていると、そのアンケート結果とは大きな乖離があるように感じており、私たちがサポートすることによって良い選択をしてもらえているのだと感じると共に、人生の一大プロジェクトである家づくりで後悔される人はどんな環境に置かれていたのかを考えてしまいます。誤った選択はその人個人の問題ではなく、環境の問題が大きいと思うのです。

選択の基準

選択と言う言葉を聞くとつい、二者択一でどちらかを選ぶといった印象を受けてしまいがちですが、選択の本質はできるだけたくさんの選択肢を集め、条件を整え、自分の未来のあるべき姿に最も近づける選択肢を探り当てる複雑な行為だと思っています。このように書くと家づくりを進める場合、多くのハウスメーカーや工務店などをめぐって、それぞれの強みやオススメを聞いて回って自分たちに合うものを選択すべきだと思いがちですし、実際そのようにされる方が多くおられます。それでも後悔する人が後を絶たない理由は「条件を整える」と言う部分についてあまり意識せずに、曖昧のまま選択してしまうからではないかと思うのです。

重要なのはそもそも思考

「条件を整える」とはすなわち、判断基準を明確にすると言う意味です。目先の不動産取得や建築にかかる費用も大事ですが、それ以外の表面に出てこない経費や、新しい住まいに住み始めてからのランニングコスト、そして、そもそもの目的であるはずの新居での暮らしがどのようなものになるかを資金面とまだ見ぬ新たな体験の両方から詳細にイメージして、そこから逆算した条件で選択を行うべきだと思います。その辺を曖昧なまま目先のメリットデメリットを並べて損得勘定で判断を下すとせっかくの理想のライフスタイルを叶えるための家づくりが却って生活を苦しめる結果になったりしてしまいます。どんな事業にも共通して言えることですが、目的を明確にすることが何よりも重要だと思うのです。

情報収集の環境問題

後悔しない判断をするためにとても大事なのが環境だと思うのです。情報革命が起こり、誰もがいつでも何でもインターネット上で情報収集ができるようになりましたが、それは同時にフェイクニュースやポジショントークに騙される危険性が増大したとも言えると思います。リアルな情報はインターネット上に全くないとは言いませんが、釣り針のようなフィッシング的なサイトがやたら増えたと最近になってつくづく感じています。家づくりのような一人ひとりの人にとって大きく違う(はずである)プロジェクトを成功させる判断材料を取得する環境がインターネット上にあるとはどうしても思えません。

第三者的な相談窓口の是非

それではどのようにして最善の選択を行える環境を整えるのか?と言う非常に難しい問いに対する答えは、本当に信頼できる人との交流にしかないように思います。先日のnoteにもまとめましたが、構造的に利益が相反しない相手に相談すべきだと思いますし、それがボランティアではなく、なりわいとして行われている人の方が熱を持って対応してくれるのは自明の理です。最近は、家づくりの相談窓口みたいなところもたくさんできましたが、その中でも単に建築会社に送客することで利益を上げる会社と、本質的なサポートをすることで持続的な事業を行っている会社があります。もちろん見極めは大切ですが、第三者的に相談に乗ってくれる先があると言うのはずいぶん良い環境になると思うのです。とにかく、良い選択を行うためにはまず環境づくりに意識することが大切だと思うのです。

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