人が抱えるあらゆる問題を解決する5つの要素
一般社団法人職人起業塾では毎年11月に神戸で卒塾生向けのフォローアップ研修を開催しています。研修の終わりは実践のスタートを合言葉に研修の最終日に塾生を送り出し、卒塾時に立てたアクションプランの実践を邁進してください!と言い続けているのですが、「男子の志は塩のように溶けやすい」と言われる様に研修受講時のテンションをずっと維持するのは難しいのが現実です。そこを何とかしたい、テンションが下がった心に継続的に火を灯し続けることを目的に開催しています。
本当の自分を取り戻すフォローアップ
フォローアップ研修では、その年に仕入れた新しいワークショップ等、最新のコンテンツを提供するようにしております。今年の場合は京都の成基学園のロッキー佐々木氏にレクチャー頂いた学生向けの志を立てるワークを紹介させてもらいました。また、同時に職人起業塾の研修の本講で伝えている内容の復習もきっちりと行うようにしており、コミュニケーション・接遇研修を担当頂いている横山桂子先生にも毎年ご登壇頂いて、人が抱える全ての課題や問題を解決する可能性を秘めたコミュニケーションの本質を繰り返しお伝えいただいています。
横山先生がいつも口にされるのは、コミュニケーションには五つの原則があり、それを何時如何なる時も意識し、行動として表すことができれば、全ての塾生は必ず大きなパフォーマンスを発揮して、圧倒的な信頼を得られるようになる。との持論です。そして、それが出来ていないのは本当に勿体ない、本当の自分に成れていないよと、優しくも厳しくご指導くださいます。
五原則と五感のコミュニケーション
横山先生が提唱される本質的コミュニケーションの根幹は「相手の立場に立って物事を考える」ことです。この基本を守った上で五つの原則(挨拶、態度、言葉、身だしなみ、表情)を整えれば、必ず人との信頼関係を構築できると言い切られます。毎年聴かせて頂いている言葉ではありますが、来年から高校の講師として継続的に授業を受け持つ事になっている私としては、今年は特に横山先生の言葉が深く胸に残りました。また、五つの原則を伝えるにあたって、相手は五感を使って受け取っているとの言葉も非常に重たい言葉だと感じました。コミュニケーションは決してテキストで論理的に伝えるものではなく、55%を視覚情報で認知するとのメラビアンの法則で語られるように、見た目の雰囲気やオーラに深く留意する必要性を改めて強く感じました。特に顔に強面っぽく大きな傷をつけてしまった今、特に気をつけるべきだと思った次第です。
嫌われる勇気を薦める理由
職人起業塾の研修の中で、塾生に様々な書籍を紹介、推薦して学びの幅を広げる様に推奨しています。志を固め、大きな挑戦をした歴史上の人物(上杉鷹山)や命を賭してリーダーシップを発揮した小説の中の人物(阿弖流爲)等の伝記モノを強く勧めることが多いのですが、そんな中でも自己啓発系の「嫌われる勇気」は必ず薦める様にしています。アドラー心理学では他人の課題と自分の課題を切り分ける概念が良く取り上げられますが、私は人が抱える課題の全ては人間関係にあるとの前提条件に非常に強く同意した事もあり、コミュニケーションの重要性を伝える意味を込めて紹介をしています。そして、横山先生が伝えてくれる本質的なコミュニケーションこそ、皆が抱えている悩みを解決に導いてくれる扉なのだと説明しています。
成果の質は関係性の質に由来する
実際、建築実務を担当していて起こる全ての問題はコミュニケーション不全に由来すると言っても過言ではありません。もっと言うと企業という組織の内部の関係性の質が全ての結果の質に大きな影響を及ぼします。近年、特にコミュニティ内の心理的安全性を担保する必要性が組織論を語る上で取り上げられる様になりましたが、その原因を取り除くタスクをシンプルに整理すると横山先生が言われる五つの原則(挨拶、態度、言葉、身だしなみ、表情)に集約されると思うのです。他人に対して能動的にコミュニケーションを取るのはエネルギーが必要です。定期的に心に火を灯すフォローアップをする事で塾生達があらゆる問題解決の足掛かりにして貰えたら幸甚だと思っています。横山桂子先生、今回も素晴らしい講義をありがとうございました。心から感謝致します。
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志を立てて能動的なコミュニケーションで問題解決を図る人材育成を行っています。