見出し画像

やりたいことが出来る、パタンランゲージ

類は友を呼ぶ。良い意味でも悪い意味でも同じような志向の人が集まってくると言う風に言われます。今年私は、代表を務める株式会社四方継で未来創造企業の認定を受けたり、学校になじめない行きづらさを抱えた子供たちを救うべく職業訓練の通信制高校を運営する一般社団法人マイスター育成協会を立ち上げたりと、社会課題解決型モデルへのシフトを鮮明にしてきました。それらは本業で社会課題の解決を目指す経営者のコミュニティー、一般社団法人経営実践研究会に参加して学ばせてもらったことが大きなきっかけです。その結果、今年は特に世の中にはびこる様々な問題や課題、不条理をなんとか解消したいと志す人たちと多くのご縁を頂きました。

類友

ご縁をいただいた経営者さんの中にはCSV経営と言われる経済的価値と社会的価値を両立した事業を行っている方も多くおられます。しかし、30代40代の若手経営者さんの中にはやりたいこと、実現したい課題解決は明確にあれども、それをどのように実現したら良いか、具体的な事業の計画が立てられないと悩む方も少なからずおられます。
私自身も20数年前の起業の時から長年悩み続け、様々なところに足を運んで教えを乞い、多くの先達に学ばせてもらいながらCSV経営に取り組んできたこともあり、そんな若い人からの相談を最近とみによくいただくようになりました。これからの世界を作っていく若き経営者達に頼ってもらえるのを嬉しく思うと共に、新しい価値観や考え方に触れて学ばせて貰える機会でもあり喜んでいます。今年最後の週末は恒例の15年続く建築事業者の仲間と神河町の温泉宿への忘年会にいきましたが、そこでも熱心に質問攻めに合いました。類は友を呼ぶと言うことなのでしょう。

峰山温泉 豊楽

原則のパタンランゲージ

事業計画を立てて、それを実行し、年度の終わりにその検証を行い、うまくいかなかった事を反省しては翌年の事業計画をブラッシュアップする、そのサイクルを20年間繰り返してきた結果、目指す成果を手にできるようにするには一定のパターンや法則があることに気づかされます。それは書籍を読むとかセミナーを受けるとかでは決して感じられるものではなく、自分でやってみて初めて得られる感覚のような気がします。そしてそのパターンとは意外にシンプルで、当たり前のことの積み重ねの上にしか当たり前の成果は成り立たないことであり、それを長年繰り返し体感してきました。「結局、原理原則に回帰する。」と言われる経営者が多いのは私と同じように感じられる人が多いのだと思います。

15年続く猪鍋の会

全集中が未来を潰す

事業計画を実現に導く、成果を手にする法則とは、全て状態を整えられるかにかかっています。シンプルすぎる、「あらゆる成果は状態に由来する。」との原則通りですが、その状態を整えるアプローチの選択肢が数多くある&本当に重要にすべき優先順位が分かりにくい事が経営判断を難しくします。起業した当初は経営に対する課題が山積しすぎてなにから手をつければいいかわからなくなってしまうのと、まず、事業を安定させたいと足元の売り上げ利益を上げるために注力してしまいがちです。経験値の少なさからパターンが読めないのは致し方無いのですが、走りながら状態を整える意識を持つ事なく、目先のことに全集中しすぎると、学ぶことも情報収集も出来ずに陳腐化するのを待つだけの消化試合を続けることになり兼ねません。プレーイングマネージャーの経営者が「目先が忙しいから」と未来への可能性を潰しているのをよく見かけます。

未来創造起業認定にコミットするメンバー

恐怖からの逃走の肥大化

一度、近視眼的な経営に陥ると、そこから抜け出すのは困難を極めます。人は未来を今の延長線上での成長拡大だと思いがちで、全く違うギアに入れ替える必要を感じないし、その今までと違う慣れないレイヤーに飛び込むのを厭います。今だけ、金だけ、自分だけ良ければいいと考える人とは誰も付き合いたいとは思わないと分かっているはずなのに、世の中に今、金、自分のパラダイムで事業を行う経営者が非常に多いのは、起業した時の先行きの不安や恐怖から逃れる、まず金銭的な余裕を持ちたいとの思いが肥大してしまった結果だと思うのです。しかし、この思考ではCSV経営に代表される本当に世の中にとって価値のある、良い事業を行うことは出来ませんし、弱肉強食の強欲資本主義的な価値観が広がり、世の中はどんどん行き詰まっていくばかりです。

キレイゴトから始めよう

企業は社会の公器、事業は人の世の課題解決のためにある。経営者は世のため、人の為を考えて経営に努めなければならない。と言われますし、その言葉に面と向かって誰も反論することはないと思います。しかし、その反面、「綺麗事でこの厳しい世界を生きていけるかよ、金が無ければ事業の継続さえもおぼつかないやないか」との声も多く聞かれます。経済持続性は重要ですが、それはキレイゴトで目指して行くべきだと私は思っていて、渋沢栄一が「論語と算盤」が大事だと言われた通り経済性と倫理性の両立こそ本質的に持続可能な事業計画の大本になると思っています。冒頭のCSV経営を目指す若手経営者に対して私がいつも申し上げるのは、「まずは誰もが共感して、応援してくれるような自分の熱い想いを表出化した事業計画を立ててみよう」ということです。まず、目的を明確にすることからスタートすることで起業当初のリソースが無いこと、収益構造が固まっていない部分を人が持つリソースを使わせてもらい補える可能性が高まると思っています。

優勝したゴルフコンペでの打ち納め

計画と実践と他力本願

私が20数年で学び感じてきた、事業で成果に結びつけるパターンは、状態を整える計画を立てることとその実践、もう一つは自力だけで解決を図るのを目指すのではなく、弱さやリソースを持たないことを認め、人から応援してもらえる様になる「他力本願」です。無責任なように聞こえるかもしれませんが、「本願」が本当に世の為、人の為に良くなる事業を成就したいと心から願うならば、自力で出来ないと腰を折ってしまうよりもずっと良いし、所詮、人が一人でできる事は高が知れています。一人ひとりの力は小さくても、本願に共感する人が集まり、共同体を再構築することが出来れば、不安と恐怖と閉塞感に満ち溢れたこの厄介な世界にも光が差すと思うのです。若干、宗教っぽい言い回しになりますが、儲かるとは信じられる者と書きます。経済を回すには信頼関係の構築に焦点を合わせ同じ志を持つ人同士が力を合わせることで、光を見出せると思うのです。

_____________
私、一応、起業塾の塾長を努めております。起業及び起業後のマネタイズの相談など、ご相談承っています。お気軽に問い合わせフォームからどうぞ。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?