環境問題も戦争も塵も積もれば山となる論で考える #未来創造企業
「良い会社」にしたい。とは経営者も企業で働くスタッフも誰しもが思うこと。で、その定義は?と訊かれると、答えは人によって様々で、収益性の高いこと、人に喜ばれる仕事をしていること、地域社会や環境に貢献していること、社会の課題解決に向かって取り組んでいること等々、立場や価値観、視座によって千差万別です。また、主観での良い会社よりも外部から観て客観的にその事業所が良い会社なのかそうではないかのかの方が一般的には重要です。HPを覗いたら悪徳業者でも立派な理念を掲げていますし、本当のところが知りたいというのはユーザーが依頼先を選択する際の本音ではないでしょうか。先日、レオ財団の橘会長の講演で「人を見るときは何を言っているかではなく、何を行なっているかで判断すべきだ。」と言われていました。人ならまだしも、会社がやっていることを見ると言うのは簡単ではなく、良い会社か否かの判断は難解です。
塵も積もれば山となる理論
現在、世界では戦火が世界中に飛び火しないかとビクビクしながらロシアとウクライナの情勢を見守っています。人類が起こす最悪の所業である侵略戦争が一日も早く終わることを誰しもが願い、祈っていると思いますし、同時に21世紀にもなってなぜ、またこの様な惨劇が繰り返されているのか?との問いを持たれているのではないでしょうか。もしくは、暴力による現状変更が行われる野蛮極まりない世界から抜け出す為に自分に何か出来る事はないか?と無力感を覚えながら、平和で成熟した世の中になる事を願い、自問自答を繰り返されているかも知れません。そんな今、ひとつだけ明確なのは今も世界は弱肉強食の奪い合いの理論に支配されていると言う事で、世界中の人々がその呪縛から解放されなければ世界平和は実現しないとの厳しい現実です。そして今の世の中での奪い合いとは、要するに経済活動のこと。政治家を選ぶのは国民であり、その圧倒的大多数は職業人で、そこには企業の持つ文化や風土、思考が少なからず反映されます。いつまでたっても止むことがない戦争は経済活動を行う企業と経営者、そこで働く人たちが、金だけ儲かればいい、自分たちだけ良ければ良いとの考え方で仕事をして、自分たちに都合の良い政治家を選んだ結果だとも言えなくありません。環境問題は少しずつの環境負荷が積もり積もって起こると言われますが、戦争も基本的な構造は同じです。世界中の国々で経済活動を行う企業、その運営を司る経営者と役員、そこで働く従業員の意識と行動の積み重ねが地球を良くも悪くもすると思うのです。
未来創造企業
大げさに言うと世界平和さえも深く関係するくらいに、企業(経営者)の在り方、思想は社会に大きな影響を与えます。良い会社が数多く存在することが社会にとっても地球全体にとっても非常に重要だと認知されるようになり、その良い会社の定義を明確にしようとする動きが近年多く生まれ、様々な認証制度が整備されつつあります。その一つに、日本最大級のシンクタンクである一般財団法人日本総合研究所の監修で未来創造企業と言う認定制度があり、私たち株式会社四方継でも現在その認証にチャレンジしています。未来創造企業の認定でチェックされる項目は7分野85項目にも広く細かく分かれており、いわゆるガバナンスだけではなく環境や社会的価値にも評点が振り分けられています。経営者の在り方、理念やビジョンの実行度を測定する社会・経済的価値から始まり、従業員、取引先、顧客に対する関係主体幸福度、地域、社会、地球の社会的価値とその視点は大きく広がり、事業全体は社会の公器であり、その集積が世界を良くするのを如実に表せるように数値にて可視化、レーダーチャートのグラフでその会社の全体的な取り組みが一眼でわかるという優れものです。これまでの決算書のみで企業の良し悪しを決めていたのとは大きく違い、企業が事業を通してどのような社会課題を解決しているか、どのような価値を早出しているかを同じ基準を元に算定できるような仕組みです。
四方良しとは社会価値そのもの
私が代表を務める株式会社四方継では15年前の元請け化への転換を果たした際から職人の正規雇用、労働法への完全適法を目指すと共に、ステークホルダー、顧客との関係主体幸福度の向上、また、地域に根ざしたローカル企業として、地域で産出される木材の利用、地域の活性化に取り組んできました。3年前から1年間かけて社内で行ったリブランディングでは、暮らし、建築だけではなく、もっと幅広く地域課題(経済の空洞化)の解決に向けてつない堂なる地域コミュニティー事業を新たに立ち上げ、地域の事業者の紹介や無料で行うプロモーション、またコラボイベントなどを通じて地域経済の活性化に向けての取り組みを熱心に続けています。現在、初めてのチャレンジとなる地域通貨の発行と物々交換的な循環経済実証実験に向けての準備を行なっております。その他にも兵庫県のちょうど真ん中あたりの多可町産のヒノキの良さをユーザーに知ってもらおうと地産地消のショールームを作ったり、建築関連のNPO法人や任意団体なども立ち上げから関わってきました。企業としてのサイズ感は小さいですが、環境や社会課題の解消に向けた社会的価値創造への取り組みを熱心に続けてきましたし、それ自体が四方継の事業ドメインそのものになっています。そもそも、志を掲げ、そに実現のために事業を行なってきた私たちにとっては(おこがましい感もありますが、)未来創造企業の認定基準やその思想は15年前から考え抜いて実践し、整えてきたことばかりです。現在、認証取得に向けてチャレンジしていると前述しましたが、どちらかというと追認してもらいたいとの気持ちが強いのが正直なところです。
塵のような小さな良い会社が山となる世界
自分たちの事を良い会社だとアピールするつもりはサラサラありませんが、建築業界の中小零細の事業所では労働基準法に完全適合で事業を運営していると胸を張って答える経営者さえあまりおらず、残念ながら「良い会社」が少ないのが現実です。グレーなゾーンで商売をしているというのは、お天道様の下に出て来れない、何かしらの犠牲や負荷を生み出しているということでもあります。結局、それは今だけ、金だけ、自分だけ良かったら良いとの価値観に囚われている証であり、環境破壊や戦争の元になっている奪い合いの世界に生きていることに他なりません。
「自分だけが良ければ良いんじゃない。」というのは多分、誰もが思っていることだと思います。しかし、法律を守ることさえままならない厳しい現実があり、綺麗事を実行できるほどこの世は生やさしいものではない。と諦めてしまっては一向にこの世界は良くなって行きません。世界が大きな変化を迎えている今、「良い会社」が当たり前になる世の中に、企業のスタンダードを変える必要があると思っています。そのためにもまず私たちが未来創造企業の認定を取得して、その取り組みを広く知ってもらうことで、「良い会社」の基準が(少しでも)広く知られるようになり、そこを目指す経営者がもっと多くなってくれる事を心から願っています。ちりも積もれば山となる理論が地球を守ることにも、世界平和にも繋がると思うのです。
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未来創造企業として社会課題解決に取り組んでいます。
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