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障害が絶望ではなく、希望がないことが絶望だ


本業で社会課題を解決する。をテーマにして全国の仲間と熱心な活動を行っている経営実践研究会の6月の兵庫定例会にパラクライマーの大内秀之さんにご登壇いただきました。大内さんは生まれてすぐに神経芽細胞腫(脊髄にがん、左腎にがん)が発見され脊髄と腎臓を切除、全身への転移を危惧されて5歳までの命だと宣告されると共に両足の機能全廃になりながらも、明るく元気にそして今ではパラアスリートとして大活躍し、パラクライマーの日本代表として海外でも大いに活躍されています。大内さんの経歴については一緒に参加されていた野中さんのnoteに詳しいのでそちらを参照ください。

やるか、やらんか。

大内さんの講演ではご自身の人生を振り返りながら厳しい体験の数々を乗り越えてきた中で見出した真実や真理を端的な言葉で概念化し非常にわかりやすく私たちに伝えて下さいました。私たちの胸に響いた、と言うよりも心が震えた名言のいくつかを以下にご紹介します。大内さんは明日からのワールドカップ出場の為のオーストラリア遠征を控え、超忙しい中お越し下さったにもかかわらず、終始にこやかにフランクに私たちに語りかけてくれました。名言の宝箱のような講演でしたが、その中でも「できるかどうかじゃない、やるかやらないか」と人生は選択で作られることを何度も繰り返し強調されていたのが印象的でした。両足が機能せず、歩けない事は確かに大きなハンデではありますが、歩ける私たちにできないものを大内さんは持ってるし、その自己認識を持っているからこそ、人一倍人生に選択肢があることを感じてやることもやらないことも意識的に選択して生きて来られたのだと感じました。大内さんの言葉はただ単に、闇雲にポジティブになってやる選択を繰り返せと言っているわけではなく、やるのもやらないのも選択であり、それらを明確に強い意志を持って選ぶことの重要性を示されていました。

経営実践研究会 兵庫定例会

死生観

講演が始まった冒頭に大内さんが口にされたのは「とりあえず、ぶっちぎりで生きてます。」との自己認識でした。スティーブ・ジョブズが毎朝鏡に向かって今日死んでも悔いのない人生を送っているかを自問自答し続けたのは有名な話ですが、人は誰しも逃れることのできない3つの真実(人はいつか死ぬ、それはいつかわからない、そして毎日確実に私に近づいている)を常に抱えながら生きております。そしていつ来るか分からないリスクに正面から向き合い、日々を全力で生き抜くのは決して簡単なことではありません。大内さんが「今日は昨日亡くなった人が生きたかった明日だ。」と朝起きて最初に覚悟をセットするようになったのはご自身が生まれながらに死と隣り合わせで生きてきただけではなく、介護福祉施設で働いていたときの経験で人の死と隣り合わせの仕事をする中で死生観を身に付けられたとの事でした。その結果、明るく楽しく元気よく生きるとシンプルかつ強力なコンセプトを持って生きておられますのだと思いました。昨日のnoteに書きましたが、私自身も19歳の時に余命はあと20年くらいだと医師に宣告された経験があります。今はすっかり健康になって一旦死は遠くに離れたように感じていますが、死と向き合って生きていた時の切羽詰まった感覚は今も胸の奥底に残っており、大内さんの言葉には大いに共感した次第です。

人生の目的は恩返し

もう一つ、重要なキーワードだと感じたのは恩返しです。大内さんの志を端的に言い換えた単語がそれで、これまでの人生で彼が感じ続けてきた感謝に報いることこそ人生の大きな目的だと言われているのだと思いながら聴いていました。生まれながらに不自由を抱えてきたからこそ、人が生きる価値やそこに人がいることの大きな効果、誰もが認め合う社会への渇望と憧憬、そして自分が生きているうちにできるかは分からないにしても、全ての人が認め合い、支え合い、助け合うことで生きがいをもって生きられる世界への変容を本気で目指しておられるのを強く感じた次第です。最後に大内さんがまとめられた人生の目的とでも言うべき名言を紹介しておきます。
大内さん、この度は無理を押してのご登壇、本当にありがとうございました。心が震えましたし、自分にももっとできる事があると勇気をいただくことが出来ました。私もかっこいい方の人生の選択、繰り返して参ります。
深謝。

多様性とは、
人がそこにおるかどうか、
次も一緒におりたいかどうか、
存在を認め合えるかどうか

多様性の実現こそ
生まれた時の自分への
恩返し!

夢への挑戦こそ
生まれた時の自分への
恩返し!

生まれた時の自分への
恩返しこそ
社会課題への貢献!
大内秀之の名言

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人生の選択をワークショップと実践で学ぶ研修事業を行っています。


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