見出し画像

絶望する勇気

私は出自が本屋の息子です。書店経営をしていた父親のおかげで物心ついた時から読書になじみ、半世紀近く本を読み続けています。これまで読了した本が何冊になったのか分かりませんが、その中には私の人生を大きく変える転機を与えてくれた書籍もありまして、読書習慣は人生をより良いものにするには欠かせない、アイテム以上の存在だとの持論を持っています。父親に教わったのは、
「人は皆、一回きりの人生をぶっつけ本番で生きている。当然、上手くいかないことも多いが、本を読むことで他人の人生を間接体験することが出来る。何度も甦って人生を繰り返す程の価値が本にはあるんやで」
との読書の意味と意義です。そして、その通りに本で人生をアップデートさせてもらいました。なので、私は誰彼構わず機会を見つけてはオススメの書籍を紹介しては読書に誘います。
以下は2007年〜2021年までのオススメ本まとめ。

読め、なら読む

他人にオススメの本を読んでもらったところで別段、私には何がある訳ではありませんが、喜んでもらえた時、それで人生が変わったと言ってもらえると心底嬉しく感じます。これまでそのような事が何度か有ったこともあり、頼まれもしないのにすぐに「本を読め」と押し付けがましく言ってしまい、書籍紹介魔の様に思われる事もしばしば。
そんな自分を反省するわけでは無いのですが、人としての在り方として、人に薦める以上、自分も勧められた本は基本的に全て読むように心がけています。それは小説やビジネス本はもちろんのこと、それだけに限らず、マンガの大作でも区別はありません。きっかけは塾生に勧められたキングダムで、その内容が面白かったのも去る事ながら、娘との共有の話題が持てたことは衝撃的に良い体験でした。それからは、ベイビーステップ、進撃の巨人、カペタ、編集王、へうげもの、ドラゴン桜関連一式、未完の超大作ワンピース等々結構な量のマンガも読了しています。
それぞれ、とても良い作品でそれなりに示唆に富んでおりました。笑

ついでに映画も見ます

禁断の沼

また、コロナ以降はマンガを読む代わりに動画配信でアニメになったそれらを観るという禁断の沼に足を踏み込んでしまい、最近は専らマンガはNetflixで観るようになってしまいました。
それも初めはアニメではなく、小説でも最高級に面白かった「破門」をドラマになっているのを聞いて見始めたのですが、普段からショートスリーパーを自認していた私が毎夜、空が白んでくるまで沼にどっぷりとハマってしまい、その悪習慣がアニメに波及してとうとう最近、ワンピースの最新配信に追いつくまでになってしまいました。
ワの国のシーズンが最後まで配信されていないのに衝撃を受けつつ、人生の限られた時間をこんなことに使っていて良いのかしら?と思うことも少なからずありますが、マンガ(アニメ)にもドキッとさせられるほど、深い学びと気づきを受け取ることも少なからずあり、読書と同じように人生を豊かにする本質がここにもあると感じて夜毎熱心に動画配信を見続けています。

自己啓発の書としてのサッカーマンガ

そんな私が最も最近、強く勧められたのが「ブルーロック」なる少年サッカーのアニメです。知り合いの経営者から最近のイチオシだと勧められて、はい分かりました、と素直に見始めたのですが、これが確かになかなかのもので、子供がこのアニメを見て間接体験として考え方や物事に対する姿勢や取り組み方を身に付ければとんでもないパフォーマンスを叩き出せる人材になるのではないかと思ったくらいです。
この作品を観て私の中で印象に残っている主なキーワードは「覚醒」「勝利の方程式」「化学反応」です。それは、個としてのアイデンティティーや目的を深く掘り下げることで大きな進化を遂げる、意識の変容だけでは結果に結びつかないのを理解して、パタンランゲージを繰り返し強みを磨き結果を出せる状態を作る、そして高いレベルでリテラシーが揃った個が協働することでそれまで想像もできなかった爆発的な成長を遂げる。と組織論、教育論、ビジネス論のどれにでも当てはまる真理をストーリーに落とし込んでいるように感じました。

絶望する勇気

もう一つ、「史上最もイカれたサッカー漫画」と言われるこの作品には厳しい勝負の世界を舞台にすることで、常に勝者と敗者が明確に分けられるとの残酷さがつきまといます。そこで示された「絶望の才能」という、敗北、失敗、無力に対して正面から向き合い、言い訳や他責を廃して、己の不甲斐なさを認知することの重要さは50代半ばを過ぎたポジティブシンキングのオッサンの私の胸に突き刺さりました。

大事なのは”敗北に何を学ぶか”だ。なのに多くの凡人共はこの”絶望”を正しく刻まない

by絵心甚八

人は大きな失敗、目標の未達、ドン底の苦境に立たされた時に、これで終わりじゃない、次があるさ、諦めずに続けたらなんとかなるさ、やり方を変えて再トライや、死ぬこと以外はかすり傷!と無意識下で自己正当化や慰めを行いがちです。子供向けの作品にも関わらず、絶望するレベルまで自分の中の原因に向き合い二度と絶対に同じ過ちを繰り返すことが無いように自分を追い込む重要性を示唆していました。薄っぺらいポジティブ思考は結局、課題の棚上げや誤魔化しにつながることを私たちは知っています。私は自死さえも考えた絶望の淵を歩いたことがあるからこそ、この作品の凄みを強く感じました。成長するには「絶望」という深い闇まで目を向けなければならない。その勇気を持った者だけが、失敗を糧に出来るというのは私達、大人がもっと胸に刻むべきことだと思った次第。
是非、ご一読を強くオススメします。

__________________

世の中の真実に正面から向き合いながら、本質的な価値創出を目指す職人向けのビジネススクールを無料と有料で行なっています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?