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大工しか勝たん

私が代表を務める一般社団法人職人起業塾では、若手建築現場実務者向けの6か月15回の研修を北は仙台から南は鹿児島までの全国5カ所を順繰りに回りながら随時開催しています。
昨日は本拠地神戸での第18期業務改革研修の最終講、塾生全員による卒塾検定のプレゼンテーション大会でした。塾生を送り出しておられる事業所の経営者、経営幹部の方々をはじめ、今後の研修事業への参画を検討されている事業者が和歌山や熊本などの遠方からも参加され、多くのオブザーバーと共に聴いた塾生達の半年の学びの成果、今後のビジョンを語る卒塾検定は大いに盛り上がりました。

成長が加速する正のスパイラル

今回の第18期生の塾生達は非常に前向きに研修に取り組まれました。職人起業塾は、開講日にスタートを切ってもらう人生を変える30日間チャレンジを皮切りに、毎回、座学で学んだ理論や概念を元にアクションプランを計画し、その内容を現場で実践して次回の研修日にその報告と検証を繰り返す実践研修となっています。皆、とても熱心に取り組まれ、受講中の取り組みで既に大きな成果と手ごたえを手にされた塾生も複数名おられました。意識を変えて、やればできると計画を立てて、行動に踏み切れば必ず結果は出るものだとの当たり前の実践理論を全員が体感されたように思います。
計画する→行動する→変化がある→成果に結びつく→喜ばれる→成功体験を手にしてセルフイメージが変わる。と言う良いスパイラルに全員がセットされたようで本当に良かったです。

自立分散型組織へのアプローチ

職人起業塾と言う団体名からよく誤解されますが、私たちは決して安易に職人を独立起業させるための研修を行っているのではありません。これまでの建築業界のスタンダードだったトップダウンのヒエラルキー型組織ではこれからの情報革命後の多様性に対応しなければならない時代では事業所、組織を持続させるのは難しく、末端の顧客接点を担う実務者が才能を発揮する自律分散型の組織への移行が必須だと考えています。正規雇用されている社員職人、施工管理者、設計士等の顧客接点の実務者に経営感覚を持って顧客に向き合ってもらうことでそれが叶うようになると考えての研修で、起業できる位の高い意識を持ってボトムから価値創造をしてもらえるための研修なのです。

大工しか勝たん

今回の塾生達のプレゼンテーションはどれも素晴らしく文句なしに全員に合格点をあげられる内容でした。その中でも私のテンションが最も上がったのは奈良のトップランナー工務店、楓工務店の大工、大迫くんのプレゼンテーションでした。学校を出てから大工一筋(まだ6年ですが、)後輩の弟子を育てながら大工仕事を行い、会社員として現場運営の仕組み、マネジメントを改善する意欲に富んだ若者です。その彼のプレゼンテーションは大工になって本当に良かった、誇りとやりがいを持って働いているし、この大工という素晴らしい仕事を広く世に知らしめて、多くの若者にその良さを知ってもらいたい。と熱く語られました。極め付けは、これ以上素晴らしい仕事は無い、「大工しか勝たん」と力強く宣言されたのには(大工あがりの)私は胸が熱くなりました。

職人不足解決のボトムアップ革命

彼等若手の大工がこの燃え上がるモチベーションを持続して、ただの作業員では無い、多くの役割を引き受け、付加価値を生み出す働き方を実践し始めると、職人不足の深刻化が進む建築業界にも一条の光が差すと思いました。若者からそっぽを向かれた業界に人気を取り戻すにはそこで働く者達が若者に、子供達に憧れられる存在にならなければなりません。今回の研修を受けた職人達、末端で顧客と接点を持つ若者達には未来への礎になる大活躍をしてもらいたいと心から思います。
みんな、期待しているよ、気合い入れて社会にインパクトを与える素晴らしい働きをしてください!

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建築業界のボトムアップ革命を提唱し研修でサポートしています。


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