夢見る小学校と子供たちへの新たな選択肢
子供達への学校教育を考え直す啓蒙活動が日本各地で盛り上がってきています。小中学校の不登校児童が三十万人を超えてものすごい勢いで増え続けている現状は単にコロナの影響だと片付けられる問題ではなく、私が子供だった頃の40年前から大して変わっていない学校教育に対して、激動の時代から他の産業や業界と同じく根本的な見直しを突きつけられている様に感じています。教育業界のみならず、子供達の変化に対して危機感を感じている人は多くおり、それが様々な形で動き始めています。
夢みる小学校、上映会イン神戸
これからの新しい時代に適応した学校教育のひとつの方向性として、子供達が机上ではなく実際の体験を通して自分で考え、気付き、興味を持った事に対して自主的に学ぶプロジェクト型の学校教育が注目を集めています。
実際に、そのような教育方針のもと運営されている学校が全国に続々と生まれており、その教育現場での取り組みがドキュメンタリー映画として制作され、全国で次々と公開されています。その「夢見る小学校」と題された映画の上映会がこの度、神戸で行われました。神戸市の西の果て、西神中央駅近くのなでしこホールに関西一円から会場いっぱいの500人のオーディエンスが集まり、上映会と教育関係者や自治体の首長を集めてのディスカッション、またオーディエンスを小グループに分かれて、映画の感想や現在の教育の課題、これからの教育に対する考え方などをシェアし合う時間が持たれました。最後には、地域ごとに集まってディスカッションする場も設けられており、非常に有意義で刺激的な時間となりました。映画の詳細については一緒に参加していた野中さんのnoteをご参照ください。
職人育成高校への大きな期待
今回、私は一人のオーディエンスとして参加してきましたが、自己紹介をする際に、職人育成の高等学校をこの4月から立ち上げるとの説明をしたところ、多くの人からとても興味があるとの言葉をいただきました。そして、4月以降本格的に募集を開始する中学校などの教育施設に向けたものづくりのワークショップの開催にも是非とも詳しく話を聞きたいと食いついて頂けて、自分達が始めた事業が、多くの人から意義を認められるのだと大いに自信を深めました。
その背景としてあるのは、定時制や通信制の学校、フリースクールや子供の居場所づくりに関わっている人たちが、皆さん、子供たちが社会に出る際の出口、就職先への不安を抱えておられるからだと思います。
出口の見えない対処
学校に馴染めない、学力が伴わず、学校の授業についていけない、生きづらさを感じている子供たちに対する日常生活のケアをする必要はありますが、出口の見えない対処になってしまうのは問題の先送りに他なりません。社会に出て自立した生活ができる、生きがいを持って働いて社会に貢献できる大人になってもらいたいとの願いを誰しもが持っておられますが、実際は非常に難しい現実に直面されておられます。学歴マイノリティーと呼ばれる、学歴社会からこぼれ落ちた若者の受け入れ先は非常に限定されている現実があるし、正規雇用されることさえ難しいのが現状です。
その1つの解決策の提案として、私たちは一般社団法人マイスター育成協会を立ち上げて、学校で学びながら、職能を身に付け、社会で活躍できる力を身に付けながら、可能性を広げる教育を受けてもらえる、そしてキャリアプランを持って就職に直結する、そんな場づくりを行っていきます。
子供たちのものづくりへの熱意
日本中で大きな反響を呼んでいるドキュメンタリー映画、「夢見る小学校」の冒頭に、子供たちが木造の大きな遊具を作る映像が映し出されます。それは、子供たちが設計をして、模型を作って検討を重ね、実際に材木を加工して組み上げる、大人の手を借りることなく、子供たちだけでこんなことができるのだ!との驚きと共に、大きな可能性を見せつけられます。そして、ものづくりをしている子供たちは、皆が楽しそうに生き生きと作業をしており、そんな姿を見ると、私たちがマイスターを子供たちの未来の職業にしてはどうかとの提案も、あながち間違っていないと感じられる瞬間でした。
木工教室でも必ず盛り上がるくらいなので実際の建物を作る仕事は面白いに決まっているし、それが未来に希望が持てる安定した安心できる雇用体系になっていれば自ずとモノづくりの世界に飛び込みたい若者は増えると思っています。
教育こそ、未来への投資であり、根本的課題解決
今回のイベントに一緒に参加されていた先生シェアハウスを運営されている野中さんも枚方で上映会イベントを開催したいと決意を表明されておられました。次は、芦屋でも開催の予定があると耳にしましたが、今後、近畿圏で開催されるこのようなイベントに私たちマイスター育成協会もブースを出展し、子供たちの選択肢の中にものづくりの世界で活躍できる道があるのを普及啓発していきたいと思います。テストの点数が通信簿の評価、内申書などと関係なく、やる気があり、ものづくりに興味を持つ子供たちを広く募って、圧倒的に若者離れが進み、絶滅危機に陥っていると言われる日本のものづくりの再生を進めていきたいと思っています。
私たちは、建設業界だけにとらわれず、同じ思いを持たれている仲間を広く募っています、ご興味ある方はお気軽に私(高橋)までお声掛けください。日本の未来を共に創ってまいりましょう。
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志をかける教育を中心に、技能と高校卒業資格の両方を得られる高等学校の運営をしています。
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