道を征け 、歩き続けろ
先週末、経済的価値と社会的価値の両立を事業で行う経営者のコミュニティー、経営実践研究会主催の地域フォーラムが京都で初めて開催されました。基調講演は、京都はおろか全国的にその名を知られる学習塾、学校の運営をされ、圧倒的な成果を上げ続けている成基グループの佐々木喜一会長が登壇され、志を立てて行動することの重要性を熱い口調で語られました。
佐々木会長にはマイスター高等学院立ち上げの際に、成基学院の大躍進の源になっている志教育の指導要項や、教育コーチングを教師が習得する事の重要性、また一般の事業所がWスクールで学校になるには生徒に基礎的な学力を身に付けさせるための能力が必要だろうと、オンライン学習のコンテンツ配信を行われている学びエイド社を紹介頂くなど、学校を立ち上げるために必要な事柄を全てご教示頂きました。そんな大恩ある佐々木会長のご講演ということで、非常に楽しみにしながら参加してきました。
志の実現に命を使い切る
圧倒的な社会の変化、そして日本人の劣化に警鐘を鳴らす佐々木会長のお話はやはり、志を教育の中心に据えねばならないと強く再確認させられる圧倒的な熱量を感じました。人生の残りの命を使って、教育業界を、世の中をよくするのだと気迫を込めたご講話は多くの人の胸を打ったのではないかと思います。
基調講演の後の会員によるプレゼンテーションもそれぞれの志と信念を貫いて社会課題の解決に取り組む素晴らしい内容でした。また、京都の経営実践研究会のメンバー企業が集まって自治体や学生を巻き込み、高校生による政策提言をまとめて自治体の首長に対してプレゼンテーションを行った事例発表もあり、次の1000年に向けて挑戦する京都でありたいとのフォーラムの趣旨を日頃の活動で体現されているのがよく伝わりました。
まさに、地域に根差す地域企業から社会を変えていくのだとの意気込みを古都で閉鎖的、保守的と言われる京都で感じることが出来ました。大きな一歩を踏み出したと感じました。
SINIC理論と最適化社会日本
今回のフォーラムも非常に充実した素晴らしい内容でしたが、その中でも私が最も印象にの起こったプログラムは、オムロン内シンクタンクである株式会社ヒューマンルネッサンス研究所 代表取締役社長の立石 郁雄氏と最適化社会プロデューサーであり、元参議院議員の二之湯武史氏が登壇されたトークセッションでした。オムロンの創業者、立石一馬氏が50年前に提唱した未来予想、SINIC理論を私は3年ほど前に知り、人類の成長発達、そして成熟に希望を見出したのですが、その理論を今こうして改めて直系の子孫の立石社長から詳しく伺えるのは本当に幸せな時間でした。また、先日の名古屋での特別公演でも登壇をご一緒した二之湯武史氏はSINIC理論にインスパイアされて「最適化社会日本」を上梓されており、時代の急激な流れとそれに最適化する、これから重要視すべきことを分かりやすく書かれています。このお二人のトークセッションは元々知っている者からするとまさに神回と言っても過言でない必見のイベントとなっておりました。
文化、経済、教育、組織の最適化
二之湯武史氏が書籍の中にも書かれており、今回のイベントでも口にされた4つの概念があります。
世界で最も長く国としての歴史を紡いできている日本が衰退してしまわないためには「文化立国・日本」をキーワードとして、モノづくりではなく、ソフトを世界に発信すべきとの観点を基本におき、経済的には最適資本主義(国民が豊かで幸せになれる経済)へと富の再分配の制度設計、また愚民の集まりは愚国との原則に従って、教育の最適化(一人一人が自らの天分を伸ばせる教育へ)が必要で、現代の学歴偏重、詰め込み主義の教育の見直し、そして企業、自治体含めてトップダウンのヒエラルキー型になってしまっている「組織」の最適化が必要との持論を今回も展開されました。全く、その通り、御意。とつい口走ってしまう程の真っ当でわかりやすく、リアリティー溢れたその話はまさにSINIC理論が示した未来への羅針盤と整合しているように思いました。こんな考え方が世の経営者の当たり前、スタンダードになった時、日本はきっと今の重たい閉塞感漂う社会から変容を遂げると思いました。
信じた道を征け
その神回のトークセッションのモデレーターを務められた中尾世話人から、最後に、最適化社会の実現に向けて、私たちが具体的に行うべきこと、もしくは胸に刻んでおくべき心得のようなものをご教示ください、と振られて、大石社長はオムロン創業者からの理念、会社は社会の公器であるとの認識をブレる事なく堅持する事、二之湯先生からは続けることだとのシンプルな言葉が返ってきました。修験者を自認される二之湯先生は日本で長年培われてきた文化は「道」として承継されてきており、そこを継続して学び続けることを強く推されました。それは修験道だけではなく茶道、書道、武道、花道と道として確立されたものだけではなく、一つのことを長い年月を極める、道を歩み続けることこそが、長い時間軸で物事を見れるようになったり、視座を高める在り方に気付かされる入り口だと申されました。
茶道や書道、ランニングやブログでの情報発信などを15年以上続けてきた私は、習慣の力を信じられてことこそが何者でもない私を4つの法人の代表を務めるそれなりの役割を背負う者にしてくれた唯一無二の才能だと思っており、二之湯先生の口から非常に価値観の近い言葉を聞けて大いに勇気づけられました。今は何もなくても、今すぐに始めれば15年で大きな力を手にする可能性が誰にもあるのだと、多くの人に気づいてもらいたいものです。
多くの人が志を立て信じた道を征く。それこそがより良い世界へと変容する唯一の方法なのだと思うのです。
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建設業から組織、教育の最適化、変容を誘うサポートの事業を行っています。