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チームの、チームによるチームのためのチームビルディング

先日、埼玉で開催された建設職人甲子園の全国大会に審査員とパネルディスカッションのファシリテーターとして参加してきました。全国大会は地域予選を勝ち上がって来た職人会社による映像とリアルのプレゼンテーションを見て、投票を行い優勝を決める決勝大会となっており、職人の未来を切り開く良い会社を選ぶイベントでもあります。パネルディスカッションでは、建設業界のトップランナーの経営者を集めてチームビルディングについてお話を伺いました。短い時間だったので大事にされている概念を一言に集約してもらう程度でしたが、様々な意見が出てオーディエンスにとっては非常に参考になったのではないかと思います。

建設職人甲子園 fbより

チームビルディングの成功法則

全国から集まった卓越した成果を出されている、素晴らしいチームを作られている経営者の方々にチームビルディングで大切にしていること、取り組まれている事をお伺いすると、「なんのために?との問いに向き合う、目的意識と理念の浸透」「安心、満足して働ける環境作り」「リーダーの丁寧で深い関わり合い」「全員でいいチームを作ろうと思う情熱」等々、確かにおっしゃる通り、それが大事ですね。と言う意見が次々と出てきました。簡単に考えれば、良いチームを作ろうとする時、上述の概念を取り込んで、それを全て事業に実装すれば確実に良いチームができると言う事になると思いました。卓越した成果を残されている数々の事業所のチームづくりの良いところを全部取り込めるわけですからきっと良いモデルが出来上がるはずです。

建設職人甲子園 fbより

チームビルディングの効果

しかし、言うは易し行うは難しと昔からよく言われますが、そんな簡単に概念を事業に実装できたりはできません。どれひとつとっても、一朝一夕で出来る事はなく、皆さんの話を伺いながらチームビルディングは時間をかけて腰を据えて取り組まなければならないのだとも同時に感じさせられました。
チームビルディングとは、「メンバーの能力や経験を最大限に引き出し、高いパフォーマンスを上げるチームを作る」ことだと一般的に定義されています。人間が1人でできる事はたかが知れている、ならば助け合ってチームを組むことで大きな成果を手にすることができるはず。また、人と人とが信頼関係で結ばれ、お互いに助け合うことができれば相乗効果を発揮して1 +1 = 2以上の効果性を期待できる。というのがチームビルディングをすべき理由であり考え方です。

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手放す経営ラボ DXOから

(みんなが良くなる様に)好きにやれ

ちなみに、パネルディスカッションの際に私も少しだけ自分が大切にしているチームビルディングについての考え方を話させてもらいました。私が代表を務めている株式会社四方継では現在、リーダーシップチームの運営メンバー向けに事業承継の取り組みを進めており、まさにチームビルディングの真っ最中です。そこで大切にしているのは、メンバーそれぞれが好きなことを好きなようにやるのと、全員でそれを承認し、助け合い全体最適を目指す方向性です。好き勝手にどうぞ、と言いつつも、事業所内での役割や責任はそれぞれが分担しており、最低限守るべき事はもちろんあります。それでも各々が自立してやりたいこと、好きなことに没頭できる環境を作ることが、自律分散型組織を標榜している私たちのチームビルディングには欠かせないと思っています。

ボトムアップ&タレンティズム

一昔前までチームの概念はトップが進む方向を決めて、それに向かって一丸となって走る組織が良いとされてきました。軍隊式は少し言い過ぎですが、それでも組織は上意下達のヒエラルキー型こそが目標達成能力が高いとされてきました。しかし、トップが方向を間違えれば一蓮托生で全員が沈んでしまうリスクや、トップダウン式の組織運営では個々の才能が発揮されない問題点が指摘されるようになり、チームがより大きな効果を生み出すには自立分散型の組織の方が良いのではないか、というのが最近の風潮です。また、ピラミッド型のヒエラルキーは18世紀〜20世紀にかけて植民地を支配して富を吸い上げ流ことで世界を席巻した資本主義的システムには非常に相性が良かったのも事実です。しかし、トップ3%の富豪が世界の富の半分を所有して格差が広がり続けたことへのアンチテーゼが世界に広がり、フラット革命、グレートリセットが世界中で叫ばれる様になっている今、あらゆる組織もその流れを組んで、ボトムアップ式のタレンティズム(才能主義)への移行は自然な流れだと感じています。

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手放す経営ラボ DXOから

最重要の経営戦略

また、近年、結果や成果の質を追い求めるよりも、先ず組織の関係性の質を高める方が結果的に効果性が高いと言うのも様々な書籍や文献で示されています。成果は状態に由来する。との原理原則から鑑みれば、当然と言えば当然ですが、個々の才能を発揮してチームのパフォーマンスを最大化するにはまず心理的安全性の高い場を作り上げることが重要だとのその考え方に私も強く賛同しています。現在私たちが行っている事業承継の取り組みにはDXOと言うテキストを活用しながら、関係性の質の向上へのチーム内での対話と、共通言語を持つこと、組織の存在意義を共有するところから進めています。チームの、チームによるチームのためのチームビルディングはお互いの人格、才能、志向を認め合い、受け入れる場の醸成からだと思うのです。
中小企業が持つリソースは結局、人のみ。企業は人なりをテーゼとするなら、組織のパフォーマンスを最大化するチームビルディングこそ最重要の経営戦略になると思うのです。

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