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未来のマイスターに伝えた5つのコト

令和5年4月1日。今日は私にとって特別な日になりました。
職人の社会的地位の向上をミッションに掲げ、20年以上職人育成とその正規雇用での内製化に取り組んできて、7年前からはそんな自分たちが培ってきた文化を全国に広げるべく、建築実務者向けのビジネススクール、職人起業塾の活動を北は仙台からりなには鹿児島まで全国で展開してきました。
その進化形として、志と技能とキャリアを習得させる職人育成の高校、マイスター高等学院を本日付で開校することになりました。ここからが私の本当のスタートだと考え、モノづくり企業が教育機関を併設する文化を全国に広めるのだと胸に誓う日になりました。

学生と社会人のパラレルキャリア

来週の高校の入学式に先立って、今日は入社式を行いました。マイスター高等学院の生徒は学生といえども、現場で実技を教わるOJT研修を学習の中心にすえるため、学生でありながら、3年間の幸雇用契約を結んで見習い大工として現場で働いてもらいます。いわば、パラレルキャリアで社会に飛び出してくることになります。見習いと言えども、一応、会社の看板を背負って現場に出ていくため、私たちの行っている事業の内容も深く理解してもらう必要があります。組織の一員となる意味を伝えるべく、1日たっぷりと時間をかけて育成担当の若手大工、和希と一緒に入社オリエンテーションを行いました。

知的資産経営報告書を使ってのレクチャー

和希がオリエンテーションを行うに際して1年間の技術習得のカリキュラムと一緒に準備していたのは、昨年、未来創造企業認定取得と同時に作成した株式会社四方継の知的資産経営報告書でした。
私たちの事業ドメインは建築会社ではなく、地域に貢献する地域コミュニティーの事業所であること。事業の目的は、単に利益を追求することではなく、四方良しの世界を実現すること。そして、大工には将来へのキャリアプランがあり、ただ現場で作業ができるようになるだけではなく、建築のプロとして資格を取得したり、現場のマネジメントや顧客対応など、経験年数を重ねるごとにステップアップしていくキャリアシステムがあること等、事業所の理念や存在意義、組織を成り立たせている構造までを丁寧に説明してくれていました。

未来のマイスターに伝えた5つのこと

私からは、これから半分学生、半分社会人として生きている上で大切にしてもらいたい5つの言葉を伝えました。
まずは良い職人である前に良い人であること。人の心を想い、人を思いやれる人になってほしい。自分だけ良ければ良いと言った考えには絶対になるな、それが全ての根本だと伝えました。
2つ目は仕事は金儲けのために行うのではなく、信頼を得るために行うものである。目先の損得に囚われたり、自分可愛さに面倒から逃げる様なことは絶対にするな。3つ目は人は一人で出来ることは高が知れている、常に誰かの協力が必要であることを忘れることなく謙虚な心を持ち続けること。4つ目は、生涯学び続ける必要性と人からから教えをもらったときに素直に受けとめること。最後に、は自分との約束を含めて誰も裏切らない誠実さを持つこと、決めたことを守れば、必ずやっただけの成果を手にできるとの原則を伝えました。そして、3年間、いかなる時もこの5つの言葉を胸に刻み込んで行動するようにと強く念を押しました。

教え、育む義務と責任

中学校を卒業して15歳でストレートにマイスター高等学院に入学した優太は、父親も祖父も大工で、子供の頃から将来は大工になりたいと夢見ていたと言います。その夢の第一歩を私達が新たに作った職人育成の教育機関、マイスター高等学院を選んでくれたのは本当に嬉しいことです。
実は、面接にきた時、彼は既に全日制の普通高校に合格していました。面談の際に、私がマイスター高等学院で運用している職人のキャリアプランの表を示して、職人としての未来の大きな可能性を示したのに強く興味を示して、大工になるなら普通科の高校にいくよりも、高卒資格を取得しながら現場で技術を身につけたいと合格していた学校を断って、マイスター高等学院に入学、及び株式会社四方継に入社することを選択しました。私たちは絶対に彼の期待に応えて、立派な職人に彼を育て上げなければなりません。命に変えてもです。

職人が憧れの職業に

今日のオリエンテーションでも話しましたが、私が職人の道に入ったのは25歳です。本日入社してきた優太は15歳、キャリアのスタートになんと10年もの違いがあります。大工歴10年になっても25歳、その頃には大まかなんでもできる一人前の大工になっています。大学に進学した友達よりも所得は多いし、キャリアプランに沿って学びを続ければ建築士の資格も取得して、ただの大工ではなく、建築のプロとして多方面で活躍することが出来るキャリアを手に入れることになります。しかも、現場を知っているというのは何よりも大きな強みになり、マネジメントやマーケティングの分野でも活躍が期待されます。きっと多くの人から頼りにされ、喜ばれる人材になることでしょう。小中学校での成績や内申書の点数など全く関係なく、夢と希望とIkigaiを持って生きられる、そんな選択肢があることを広く子供達に知らしめて、憧れられる大工さんになってもらいたいと心から願っていますし、必ずそのようになるように伴走して行く所存です。

日本の安全保障を脅かす職人不足の根本解決を進める同志募ってます!

Wスクール制度を活用した職人育成の通信制高校、マイスター高等学院は現在、関西圏を中心に11社の事業所がサポート校として受け入れを表明しており、運営団体である一般社団法人マイスター育成協会での認定取得に進んでいます。労働法の完全適法、キャリアプランの運用、評価制度の策定等、これまで建設業では整備されてこなかったガバナンスを整え、ブラックでもグレーでもない良い会社として未来創造企業の認定取得も同時に取り組んでいます。これが整うとそこで働く職人の社会的地位も他業種と比して遜色ないどころか、もっと夢の見れる職種に変わります。
真っ当なモノづくり企業が職人育成の教育機関を併設することで、事業所の未来を描くことが出来るようになりますし、社会からの業界に対する認知も変わる。若者に忌み嫌われる職種から、若者が多く集まる憧れの職業に変化させ、日本の国土、国民の暮らしを守るインフラ事業の役割と責任を果たせるようになると考えています。全国で共感、協働される事業所を絶賛募っております。少しでも興味があれば、お気軽に私(高橋)までご連絡ください。

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4月5日九州博多駅前にて事業説明会を行います!
残席あります!


一般社団法人マイスター育成協会の代表理事も務めています。
SNSアカウントをまとめてますので是非繋がってください。






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