ZMOTからMOTEへ 真実の瞬間から体験へ 〜Moment of true experience〜
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ZMOTからMOTEへ 真実の瞬間から体験へ 〜Moment of true experience〜

高橋剛志 #職人起業塾塾長

私が主宰している一般社団法人職人起業塾が現在、神戸の会場で開催している全15回、半年間の研修、第18期職人起業塾も残すはあと3回、終盤に差し掛かっています。本日は株式会社Shipの小松社長に講師をお願いして「建築実務者のためのウェブ・マーケティング講座」と銘打って、職人をはじめとする現場実務者達に一見関係なさそうなインターネット・マーケティングの基礎的な構造の説明から、彼ら、彼女達がその活用を行うことによって得られる大きな価値についてレクチャー頂きました。講座の冒頭に小松社長が説明されたのは、現代の日本人は平均毎日4時間以上もスマフォを見ている、何か調べようとした時に80%以上が検索エンジンを利用する、そして建築関連企業のHPの閲覧の80%以上がスマフォで表示されているとのデーターでした。もう、インターネット上(スマフォ)に存在していない事業者はリアルな存在がないのと同じ状況になっている事実をまず認識するところからでした。

真実の瞬間〜Moment of true 〜

初めに、あらゆる事業においてインターネットが中心的な役割を担うことになった今の時代を改めて認識しなおした上で、小松社長が引用されたのは、破綻寸前だったスカンジナビア航空が奇跡的な業績回復を実現する過程を著した書籍「真実の瞬間〜Moment of true 〜」です。この本では、業績を回復すべく就任した新しいCEOがユーザーと航空会社のスタッフとのコミュニケーションの時間が15秒間であることに着目し、その顧客接点の強化を図るべく、顧客の要望に対して親身に誠実に対応出来る様にスタッフとの意図の共有、そして現場で即座に判断、対応できるように現場スタッフに権限の委譲を進める業務改革の実例が書かれています。その結果、ユーザーからの圧倒的な支持を得る「真実の瞬間」を生み出すことに成功して、急激に業績を回復させられたストーリーは現場にこそ真実の瞬間が埋もれていることを強く示唆しています。

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ZMOT〜Zero Moment of true〜

真実の瞬間(Moment of true )こそが事業者が顧客にとって卓越した存在になり、業績を向上させる糸口であり、現場にその答えがある。小松社長はそんな古典的な現場主義の話の後で、現代のインターネットに制覇された世界ではリアルなユーザーとのコミュニケーション、ユーザー体験の前にウェブ上で選択、判断が行われることに着目し、Google社が定義したZMOT〜Zero Moment of true〜の概念を説明されました。この未だ事業者とユーザーが出会う前の段階でユーザーが評価、選択するように消費行動は変わってしまっているのは、とびきり腕のいい大工がいい仕事をしていたらいくらでも仕事が舞い込む時代から、インターネット上に存在を認められなかったら、全く誰にも相手にされなくなる危険性の示唆であり、最低限、存在を認められる程度の情報はWEB上になければならない時代になったのだと全員が理解したと思います。

世界のルールはGooglesが決めている

インターネット上での選択ありきの概念、ZMOTを提唱し、またそれを牛耳っているのはGoogle社です。データーを見る限り、世界中の殆どの人がインターネットに支配されたと言っても過言でない状況で、検索で上位に表示されるとビジネスの可能性が広がり、検索エンジンに見つけてもらえなければ存在が無くなってしまいそうな今の時代、世界のルールはGoogles社が決めてしまっています。メディア等への宣伝広告を全くしない私たちも、さすがに、そんなの関係ねー、とインターネットを全く切り離したビジネスにはなかなか移行できません。なので今日もこうやってnoteにログを残しているし、塾生達にも現場での情報発信の価値の大きさを理解してもらう講座を行っているのですが、正直、完全にGoogleの支配下に甘んじて寄りかかってしまうのには怖さも感じています。その危惧を解消すべく、少しずつネット検索が不要な地域社会を作るためにコミュニティー作りに取り組んでいるのが「つない堂」の事業であり、せめて地域で手に入る商品やサービスはインターネットを介すことなく循環的に利用し合える環境を整えたいと思っています。

MOTE 〜Moment of true experience〜 真実の体験の瞬間

顧客とのコミュニケーションの質と量を増やしてGoogleマップにクチコミ、高評価がたくさん掲載されるようにする、ブログを更新する際に検索されるワードを意識してテキストを書く等々、インターネット上で存在感を増す方法で現場実務者が出来ることは沢山あります。何より、玉石混在で何が本当かわからないインターネット社会の中でリアルで信用に値する情報は現場にしかありません。その意味で現場実務者がある程度のWeb上の情報発信リテラシーを持つことは非常に大きな価値があると考えています。しかし、私は今の世界で事業がうまく回ることと同時に、次の新しい世界に備えることも必要だと思っています。本来、私たちのようなローカル・スモールビジネス事業者のあるべき姿はGoogle社のルールに縛られ寄りかかるのではなく、自分たちの力で、顔の見えるコミュニティーでリアルな体験を提供して高い評価と信頼を得て、持続循環型のビジネスモデルを作り上げることが必要なのだと考えます。Googleが提唱したZMOTになぞらえると「Moment of true experience(MOTE)真実の体験の瞬間」を連鎖させて、京都の老舗の料亭のように、一見さんお断り、狭い世界の中だけで独自の価値提供を研ぎ澄まし、数百年もの長きにわたって商売を続けられる環境を整えるべきだと考えます。そして、もちろん、ここでも最も重要なのは現場であり、顧客接点なのは自明の理。現場改革こそが建築事業所の全ての課題解決の源になると信じています。

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圧倒的な顧客接点を生み出す職人育成のサポートをしています。

https://www.shokunin-kigyoujyuku.com


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高橋剛志 #職人起業塾塾長
本業は神戸と台北を拠点に設計デザイン、自社大工による施工を行う建築事業を営んでいます。 自分自身の出自は大工と言う事もあり、職人育成と職人の社会的地位の向上をミッションに掲げ、一般社団法人職人起業塾を立ち上げて日本全国で職人の意識改革、キャリアアップの支援活動を行なっています。