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平成の終わりとラスタカラーのタオルとシーブリーズ せっけんの香り

2019年4月をもって、平成が終わる。

ふとした疑問が思い浮かぶ。

「平成が終わると、何が変わってしまうのだろう」

ちょっとだけ、考えてみた。

僕はいつか必ず、「平成はよかった」と懐かしむ

きっと、何も生活は変わらないことだろう。

たとえ元号が変わろうが、新しいサービスや商品が出てきて暮らしがもっと豊かになるとか、歳をとるとか、そんな当たり前の日々が続くだけだ。

でもこれは、やはり時代の一つの区切り。きっといつか「あの頃はよかったな」って、思い出すことになるのは間違いない。

中学生の時には「小学生の頃は、低学年棟の秘密基地で冒険王ビィト読んでたよな」って懐かしんだように、

高校生の時には「中学生の頃は、マジでモッティ(当時の部活の顧問のあだ名)ウザかったよな」って懐かしんだように、

大学生の時には「高校生の頃は、スーパーキッドで毎日知っとるケ食ってたよな」って懐かしんだように。

きっと数年後、「平成はいい時代だった」って懐かしむことになる。

※スーパーキッド:熊本にあったスーパー、知っとるケ:九州限定のアイス

「あの頃」の美しさは、経過時間に比例する

過去は、時が経つにつれて美化される傾向にある。

僕らはいつだって、「今」に精いっぱいだ。そして、未来のことはいくら考えたってよくわからない。でも過去のことはわかる。

当時、パレットに混濁していたハズの「印象的な出来事」は、「楽しかった」という色だけを残して、徐々に雑色を消して、色鮮やかになっていく。

きっと当時は、初恋なんて苦くて渋かった。それでも今残っているのは、その中にあった小枝の甘さだったり、シゲキックスの酸っぱさだったりする。

きっと当時は、青春なんて汗臭くてドロドロだった。それでも今残っているのは、当時使っていたシーブリーズ(せっけんの香り)だったり、プール後に非常階段で浴びた風の気持ちよさだったりする。

テレビはブラウン管じゃなくなったし、Gコード予約はもうしないし、コンポはほこり被ってるし、MDはもう使えるのかもわからない。

ラスタカラーのタオルはもう使わないし、ガラケーは使わないし、親にテレフォンカードを持たされることもない。

なくなったものの代わりに、新しく使い始めたものは、どれも便利なものばっかりだ。それでも、なぜこんなにも「暖かい感情」が芽生えるんだろう。

***

2019年4月をもって、平成が終わる。

平成が終わると、何が変わってしまうのだろう。きっと、何も生活は変わらない。新しいサービスや商品が出てきて暮らしがもっと豊かになるとか、歳をとるとか、そんな当たり前のことが続く。

でもこれは、やはり時代の一つの区切りだ。きっといつか思い出すことだろう。「あの頃はよかったな」って。

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