今月上旬に子どもがコロナにかかり、その数日後には夫と私にもうつった。
「ついにかかった…」という残念な気持ちもありつつ、その実とにかく休みたい気持ちが強かったので、とりあえず1週間はいろんなことから免責されることがうれしかった。
特に、実家に行かなくてもいい、ということが。
母が倒れる前は数年行っていなかった実家に、週2ペースで通うことを1年以上続けてきたのだ。自分のストレスの源のような実家に。
よくやってるよ。ほんとおつかれ、自分。と思う。
コロナ隔離中は、母からの電話にも、「用事があったらメールちょうだい」と返してほとんど出なかった。
母の声は聞いていて疲れる。話したくない気持ちが強かった。
39℃台の熱が2日ほど続き、かなり強い倦怠感があった。
熱が引くまでは、とにかく眠りに眠った。
ある程度睡眠欲が満たされたら、本を読み、パソコンで映画を観た。
赤坂真理の『肉体と読書』というエッセイ集と小説『東京プリズン』を読み終えた。
赤坂真理は、数年前に読んだ『愛と暴力の戦後とその後』という新書に度肝を抜かれ、以来ずっと気になっている。少し前に出た『愛と性と存在のはなし』も素晴らしかった。同時代にこの人が生きてくれていてよかった…と思うくらい、心のよりどころになっている。
現在出ている『精神看護』という雑誌の巻頭特集に、赤坂真理さんと倉田めばさんのトークの採録が載っているようで、買わねばと思う。
映画は、『愛しのアイリーン』と『リバーズ・エッジ』をパソコンで観た。漫画原作もの2本。どちらも原作愛にあふれている。
『愛しのアイリーン』は、女衒を殺した流れでの岩男とアイリーンの初セックスシーンが妙に泣けた。
『リバーズ・エッジ』はあまりに原作に沿いすぎていて、なんだかなあという感じ。それぞれの人物にインタビューしているようなシーンを挟み込んでいたりはするけれど。
『愛しのアイリーン』は岩男の父役の品川徹、『リバーズ・エッジ』は田島カンナ役の森川葵が一番ハマっていた。というか、俳優さんは皆ノリノリでやっていて、とてもよかった。
映画を観た流れで、『愛しのアイリーン』や岡崎マンガをあれこれ読み返した。笠原和夫のインタビュー本『昭和の劇』と、山田太一のエッセイ本も少し。20代に戻ったかのような自堕落でしあわせな時間。
少しだけだけど、家の掃除もできた。
下記の引用は、今回処分した『わが家の家事シェア』という暮らしの手帖のムック本みたいなものから。夫が買ってきて、登場する人々も魅力的で期待して読んだのだけど、きれいごとしか書いていないような気がして、けっ!と思った本だった。こういうものに期待しすぎるのがいけないのかもしれないが。その中で、ただひとつ、このエッセイだけが心に残った。
梅雨あたりから左の手指に水疱が出続け、猛烈なかゆみがあった。家にあった市販薬を塗ってごまかしてきたが、一向によくならず、いよいよ皮膚科を受診しようと思っていた。それが、コロナでゆっくり休んだらケロリと治った。疲れがたまっていたのだな、と実感。
引き続き、去年の日記から引用。