恋愛エッセイ「ラブレター1」

今回も、私の好きな人以外が読んでも、楽しくもなんともない文章です。
あしからず。

4末にあなたの声を聞いて一目惚れしてから、そろそろ半年が経とうとしています。
そんな状況の、1週間ほど前、イベントでリアルのあなたを見ました。
こういう言い方はなんですが、年相応に老いているあなたを見て、20代後半の頃に恋した別の男性との出会いを思い出しました。
その別の男性は、最初の印象ではとても疲れてるように見えて、「この人大丈夫なんだろうか」と心配になったのを覚えています。
マスクしていたからかは分かりませんが、あなたはそこまで疲れてるようには見えませんでしたけどね。

高い知性と深い洞察があり、誠実で私に興味がある男性なら、あとは何でもカッコよく見えてくるって言いましたけど。
高い知性と深い洞察が諸刃の剣なのはよく理解しているつもりです。
周囲からネガティブなものを否応なく受けとったり、あるいは普通なら見えないものを見てしまったり。
そうしてインプットしたものを吐き出す場所もなく、心は疲弊していくのでしょう。

自身が繊細すぎて辛いと主張できる人は、まだ幸いなわけです。
高い社会的ポジションを目指すなら、弱音ははけないのでしょうし。
強くてカッコいい男という生き方をしたいのであっても、弱音をはけないでしょうし。
実際、そういう生き方をしてるあなたはカッコいいわけですし。
弱音を吐かないのがカッコいいというより、それは本質の副産物ですけどね。
とはいえ、べらべらとあることないことを不必要にしゃべる男性は、私もあまり好きではないですが。

けど、私からすると、そういう高い知性と深い洞察がある人しか私のことを理解できないし。
長期間一緒にいて飽きない人、真に信用・信頼できる人はそういう人だけだし。
そういう人を真に理解できるのも私だけだと自負しているし。
なので、そういう人、つまりあなたのような男性を敢えて選んできました。
あなたのような男性が真の理解者を欲してるかどうかは、なかなか微妙ではありますけどね。

そういう人たちの中であなたがナンバーワンでありオンリーワンであるところは、高い能力と、それを行使する上で必要となる高い倫理観・自制心でしょうかね。
能力が高ければ高いほど何でもありになるので、能力を行使していいか・ダメかの高い倫理的判断力が必要になり、倫理的に不味い場合は自制するという態度が必要になります。
ただ、その高い倫理観のせいで、あなたは自分を必要以上に縛ってしまうこともあるのかもしれませんね。

今までの出会ったそういう人たちの判断の仕方は、あなたよりもっとフラットで、倫理的というより、合理的側面が強かったように思います。
倫理的に不味いからやらないというより、法律に抵触する恐れがあるからやらない、というような。
バレないと確信しているならば、法律に抵触することも厭わない人たちだったように思います。
社会という枠組みの中であくまでプレイヤーとして、ゲームをプレーしているだけ。
あなたの場合、当然社会という枠組みの中でプレーはしているのですが、社会の枠組み自体を判断する力があるというのでしょうか。
社会が良しとしていても、あなたがよろしくないという判断をすれば、やらないということですね。
そういう強い主体的な判断力が魅力かなと。
社会の枠組みはどうしようもないからという理由で、惰性でゲームをプレーしたりしないんですよね。

合理を踏まえた上で、例え自分が不利になったとしても敢えて倫理をとるっていうのは、たぶん私も似たようなものなのだと思います。
だからたぶん、今まで出会ったそういう人たちともし深い関係になっていたら、物足らなく思い、結局は上手くいかなかっただろうと、今なら分かります。
自分の立場や金のためだけに合理を働かせて動く人っていうのは、頭の良さも必要ですし、割り切ってて最初はカッコいいと思うのですけどね。
有能が故に欠落しているというのはそういう人たちのことを言うんだと思います。
あなたのように、倫理で動くというのはつまり、自分以外のその他の人たちのこともきちんと視野に入れているということであり、あなたが誰に対しても平等に見せる優しさにそれが表れているのかなと思います。

今まで出会ったそういう人たちは、人間に失望しているがために、一線を引いて、生きるために役割だけをまっとうしているような印象でした。
なのですけど、あなたは人間に失望していながら優しさを与えられる人で、欠落していない、ハートのある人なんだと思います。

優しいと一口にいっても、色々あると思うのですよね。
見た目だけの優しさ、その場限りの優しさ、下心のある優しさ、など。
あなたは、優しさの影響や結果まで考慮した上で、他人に優しくするのだと思うのですよね。
思慮が行き届いていて、受け取っても安全な優しさなのだと安心できます。

今まで出会ったそういう人たちも、たぶん私と深く関われば、優しく変わることもできたのかもしれないですけど。
生まれついてからずっと他人への優しさとは何かを突き詰めながら生きてきたあなたの優しさに、おいそれと追いつけるわけがないですからね。

あなたという他人を見ることで、自分が何者なのかも、より深く知れたような気がします。
あなたと私は一見、戦略型と衝動型で真逆ですけれど。
本質的な部分で一致するところがたくさんあるのだと思います。
正反対のものも一周回れば、繋がるってことかと。
全く異なる生き方で生きてきた2人が見つけた世界の真理は、共通だった、みたいな。

ただ、あなたは、倫理や責任を意識しすぎるあまり、言動に慎重になってしまうところがあると思うんですよね。
でもそうやって人生をかけて選びに選び抜いてきたあなたの言動は、とてもカッコいいです。
仮に、同じ言葉を他の男性が言ったとしても、重みが違う。

あなたの見た目はいわゆるオラオラ系でした。
レッスンで声を聞いた限りだと、優しい、繊細なインテリ系だと思ってたので、かなり意外でした。
業界で求められるペルソナを被ると同時に、繊細さを内在させていて、繊細さの方はかなり積極的に隠して生きてきた人なのかなと思いました。
繊細さがまったく見えないかというとそうでもなく、行き届いた身だしなみから伝わってくるものはありました。

それと同時に、なかなかアプローチが難しいなと思いました。
たぶん、あなたは鉄の防御壁を心の周りに築いていて、ちょっとやそっとじゃ他人に心を覗かせる人じゃないだろうなとは思いました。
今まで出会ってきた人たちの中でも、最強の難易度かなと。
自身の心を完全に掌握していて、内面が漏れ出る隙がない。
対面で話したことはないので、憶測ですが。

私もいかに自身の心を隠すかということに心を砕いたことがあるのですけど。
無理だったので早々にやめましたね。
自分の肉体や心を隅々までコントロールし、しかもコントロールしていることを誰にも悟られないというのは人間業ではないです。
なら大概のことは開示して、どうしても隠したいことの目くらましに使う、て発想をすることにしました。

ただ、リアルで見たあなたは鉄壁のオラオラ系でしたが、レッスンだと優しくて繊細なインテリ系というイメージで、かつもっとリラックスしてる感じがするので、むしろレッスンが素なのかなと思いはじめました。
最初のレッスンからそうだったので、たぶん、私のレッスンでだけってことはないと思いますが。

私は、相手がどう私の言動に反応するかで色々なことを読み取るんですけど。
あなたがレッスンで私の作品を褒めてくれたときに私はとても嬉しくてお礼を言ったのですが、その褒め方と、私のお礼を受けたあなたの反応が、あなたのいつものレッスンでの万人に優しい対応とは違って、ちょっとだけ私向けの対応のように感じられました。
声だけで表情が見えないので定かではないのですが、身構えつつも、無防備なところを見せてくれたように思えました。

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