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異年齢の「お店やさんごっこ」が育む子どもの力——写真で知ろう!小規模保育【遊び】

2歳児が製作したものを使い、0・1歳児を交えて行う「お店やさんごっこ」。異年齢の活動だからこそ生まれる関わり合いが、子どもの見通す力や、人に伝える力を育んでいきます。

<林にこにこ保育園/香川県高松市>

【参加した園児】20人(2歳児5人・1歳児9人・0歳児6人)
【参加した保育者】6人
【準備物】ペットボトル/フラワーペーパー(ジュースやさん)、色画用紙/新聞(たこ焼きやさん)、色画用紙/千代紙(クレープやさん)

■ ねらいと配慮

一人ひとりの発達の違いが大きい、乳幼児期の子どもたち。当園では、日々子どもたちの育ちを見ながら、年齢ごとに分かれての活動と、異年齢も交えた合同での活動を組み合わせて保育をしています。

今回の「お店やさんごっこ」は、その両方の良さを取り混ぜた活動です。2歳児さんが『製作遊び』でたこ焼きやクレープなどをつくったあと、それを人に渡したり、食べる真似をしたりする『ごっこ遊び』の活動に発展させました。

「生活のなかで生きるようなやり取りを、経験できる機会が増やせたら」というねらいを持っています。

モノのやり取りをすると、時には「もらいたいのにもらえない!」といった状況になることもあるので、数やバリエーションはできるだけ多く準備。仮に欲しいものを手にできないことがあっても、その子の気持ちが別のどこかで満たされるよう環境設定を配慮しました。

■ 振り返り

それぞれのお店で2歳児さんが「どうぞ」声をかけていくと、最初はおもむろにメニューをつかんでいた1歳児さんも、お兄ちゃん・お姉ちゃんたちがくれるまで待つ姿が見られるようになりました。

0歳児さんでも、手が出そうになるところで「これが欲しいのかな?」、もらえたら「よかったね、『ありがとう』だね」と保育士が間に入ってシンプルな言葉をかけていくと、少し待てるようになったり、2歳児さんが差し出すものを手で受け取ったりできるようになっていきます。

一方の2歳児さんも、1歳児さん・0歳児さんにあわせて「どうぞ」とゆっくり手渡すなど、うまくリードしていく姿が見られるようになります。また、経験を積み重ねることで、やり取りそのものが楽しくなったり、「次はこうしよう」と見通しを持っていく喜びを感じたりする様子が伺えました。

そういった姿を連絡帳などで伝えると、保護者からも「家ではこの子が一番下で、そういった姿を普段見せないのでうれしいです」「小さい子どもたちのお世話ができているんですね」といったコメントをいただくことができました。

■ 「小規模保育」としての視点

当園は保育室もワンフロアで全体を見通しやすく、特に今回のような活動をするときは、その規模の小ささがメリットになると感じています。子どもたちの行動もよく見えるので、大切に見守ることも、必要に応じた関わりをすることもできます

また、異年齢の活動も「2歳児と1歳児」もあれば、「1歳児と0歳児」の組み合わせのこともあります。発達に合わせた年齢別の活動と、異年齢での活動を状況に応じて柔軟に組み変えやすいのが、小規模保育園の良さかなと考えています。

【園情報】
林にこにこ保育園(株式会社チャイルドケア24)
https://childcare-24.com/niconico/hayashi/
香川県高松市林町252-1
定員19名
小規模保育事業A型・管理者設置あり

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