心肺停止の発生件数を見て感じること
前回から読む方は、こちら。
前回は救助に当たった救助者の心理的ストレスの対処について書きました。今回は、話が変わって心肺停止の発生件数の話です。
(注:本記事は、一般人が、救命の現場に居合わせて感じたことを共有することが主目的です。また、人の生死にかかわる非常にセンシティブな内容が含まれます。)
年間の心肺停止の発生件数
日常生活の中で心肺停止のケースに遭遇するなんて、滅多にないよねと思うものの、どのくらいの件数が発生しているかを調べてみたところ、一般市民が目撃する心肺停止の件数は2万6,500件だそうです。出所:総務省「令和4年版 救急・救助の現況」。https://www.soumu.go.jp/main_content/000856261.pdf
1年間なので365日で割ると、1日約70件程度あります。多いとみるか少ないとみるか個人によって感想は分かれるかもしれませんが、個人的には意外とあるんだなと思いました。
AEDの実施率
上記の表から読み取れるのは、一般人がAEDを実施した件数は年間1,000件で全体の約4%です。私の事例ではAEDを持って来て、装着してAEDを実施できたということで、全体の割合からいうとよくできたとも考えられます(そう思いたいということかもしれませんが、、)
一方、何も実施されなかったのが約4割あるということも悲しい事実ですね。
AED実施の生存者率と社会復帰率
もう一つ読み取れるのは、AEDを実施した場合の生存者数の率、社会復帰の率はそれぞれ49.3%と40.1%と、何も実施されなかった場合の同比率7.0%、3.2%に比較して非常に高い救命率になっていると説明されます。
この読み方に間違いはないのですが、絶対値としてみた場合には半分以上のケースで助からないわけです。そして前回も少し書きましたが、ネット上によくある「道で倒れいてる方を見つけて、心肺蘇生を行った結果無事に助かりました。消防署で表彰されました」という記事はこの約4割の方のケースを取り上げているということですね。
今日はここまで。次回はバイスタンダー(その場に居合わせた人)について書こうと思います。ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
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