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乱取りの中にも自他共栄の心を~全力でも8割、思いやり2割~

 反復練習で磨いてきた技をお互いが自由にかけ合う「乱取り」。立技、寝技ともに乱取りが好きな塾生様は、子どもクラス、中高生・大人クラス共に多く、最近は少しずつ本数を増やしています。乱取り中の攻防はとても面白く、日常生活の中にはない興奮を味わうことができます。
 ただ、乱取りをする上で最も大切なのが「安全性」です。咲柔館では、「怪我をしない、怪我をさせない柔道」を常に心がけ、勝敗に拘泥しすぎずに、「お互いが笑顔で終えられる乱取り」の実践を目標にしています。“安全第一 おもしろ第二”(糸井重里)です。


 乱取りで大切にしていることは2つです。
 1つ目は、潔く受身をとること。稽古中の受身は負けではありません。再び立ち上がるための立派な技術の1つです。「きれいな受身はかっこいい」。この価値観をしっかりと浸透させていきたいと思います。
 2つ目は、安全に相手を投げること。強引な力まかせの技ではなく、理にかなった技で投げる。投げた後は相手の袖を引く。こうした技術をしっかりと身につけ、意識せずとも実践できるようにしなくてはいけません。
 これら2つのことは、反復練習を何度も繰り返し、体に染みこませることが大切です。ただ、いざ乱取りが始まると夢中になってしまい、ついつい我を忘れてしまうことも…。そこで乱取り前にお伝えしている合葉が「全力でも8割・思いやり2割」です。

 真剣勝負の中にも「自他共栄」の心を持てるのが、真の柔道家です。相手がいてこそ自分を高めることができます。心と体に相手を思いやる余裕を持ち、力まずに、肩の力を抜いて乱取りを行うことが大切です。余計な力を抜くことは、より良い技や受身にもつながります。
 柔道で相手を投げたり、抑えたりすることが暴力になってはいけません。稽古の前後にしっかりと礼をし、お互いに敬意を持って乱取りを行ってこそ、共に高め合う柔道であり得るのです。相手を大切にする気持ちで乱取りをすれば、自ずと稽古をする度に信頼や友情が深まっていきます。柔道をすることで、仲が良くなる。そんな柔道をこれからも追究、実践し続けたいと思います。

〈お知らせ〉
「安全で楽しい乱取りの実践」を目標とした「子どもクラス&中高生・大人クラス合同稽古」7月29日(土)に行います(@栃木市総合体育館)。5月に引き続き、葵陽塾(きようじゅく)様(宇都宮市)もご参加される予定です。前回は、5歳から70代の方まで約30名で楽しく稽古をすることができました。「生涯柔道」や「文武一道塾 咲柔館」にご興味がある方のご見学等も受け付けております。詳しくは咲柔館ホームページをご覧ください。



「柔道家が増えることで、社会はより良くなる」
文武一道塾 咲柔館


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