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「動の稽古」と「静の稽古」~気持ちを切り替える練習~

 お子さんたちはいつも元気一杯。動くことが大好き。休憩時間でも、誰かの「オニごっこしようよ~!」の一言で「ワ~!」と大きな声を出して遊び始めます。時には、稽古メニューが全て終わった後に「先生、〇〇をもう1回やろうよ!」と言うことも。ヘトヘトになっても、少し休めばまた元気になって動きまわれる子どもの体力って本当にすごい!

 体を目一杯動かす「柔道遊び」「受身・技の練習」といった“動の稽古”と同じくらいに、咲柔館では“静の稽古”も大切にしています。例えば「礼法」です。早く動きたい、相手と組みたい、という気持ちがあったとしても、必ず稽古前には一旦心を落ち着けて礼をする。どんなに疲れていても、稽古後にはしっかりと礼をする。こうした礼法をお子さんたちにも徹底しています。他にも「黙想」「古典の素読」「絵本の読み聞かせ」「稽古の振り返りノート記入」「学校・塾の宿題」「着替え」「片付け」など、心静かに1つのことに打ち込む場面も沢山設定しています。未就学児・小学校低学年のお子さんたちでも、こうした“静の稽古”を2~3ヶ月続けると少しずつ落ち着いた行動がとれるようになってきますよ。

 思いっきり体を動かしたり、声を出した後は、静かな場面への切り替えがスムーズにできるようになります。例えば、宿題への集中度を稽古の前後で比較してみると、明らかに稽古後の方が黙々と学習に取り組めるお子さんが多いように感じます。最近、この事に関する興味深いTwitterを見つけました。

思い切りふざけて大騒ぎすると、その後は自然に静かな時間がやってきます。この時、脳内でとてもよいことが起きます。大騒ぎしてふざけることで脳の扁桃体が満足し、静かに過ごすときは前頭前野が扁桃体を抑制します。この切り替えの経験をたくさんすると扁桃体と前頭前野をうまく使う力がつき、扁桃体が司っている怒りの感情も管理できるようになります。これがキレない子です。反対にふざけたり大騒ぎしたりするのを常に抑えつけていると、切り替えの経験ができません。扁桃体と前頭前野を管理する力がつかず、怒りなどの感情も抑制できないままキレやすい子になってしまう可能性があります。

親野智可等(教育評論家)公式Twitterより(2023年6月28日)


 なるほど!脳の扁桃体と前頭前野が深く関係していたのですね。とても勉強になりました。この他にも、親野先生がもう少し詳しく解説されている資料もWeb上にありましたので、ご興味がある方は併せてご覧ください。

Benesse ホームページ内 
ベネッセ教育情報
「ふざけてばかりだとけじめのつかない子になる? [教えて!親野先生]




 もちろん、思いっきり体を動かした後は、必ず静かな時間を過ごせる、という訳ではありません。でも、こうした“動の稽古”と“静の稽古”の切り替えを繰り返す中で、お子さんたちは、少しずつけじめある言動をとれるようになってきました。思いっきり楽しむ稽古、静かに集中する稽古、その両方をうまく組み合わせながら、これからもお子さんたちの心の成長をゆっくり、じっくりサポートしていきたいと思います。

「柔道家が増えることで、社会はより良くなる」
文武一道塾 咲柔館

※文武一道塾 咲柔館 ホームページ


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