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技を体に入れる面白さ

 塾生さんとの乱取りで、タイミングよくきれいに投げられることがあります。「気づいたら投げられていた」といった感じです。受身をとりながら思わず笑顔になってしまいます。相手の力(動き)を使って投げる。これこそが柔道の技の醍醐味です。

 技がかかるようになってきた方にはある共通点があります。それは、反復練習(打ち込み・投げ込み)でスムーズに技に入れるようになってきたという点です。個人差はありますが、50回くらい稽古を重ねると、技の形が徐々に整いだし、乱取りでたま~にかかるようになってきます。週2回ペースで通っている方だと、半年間くらいですね。

 技は頭で考えなくても入れるようになるまで練習する必要があります。この「技を体に入れる」という作業は、とても時間がかかります。まずは、止まった状態でゆっくり技に入る。次に少しずつ動きを速くする。それができるようになったら、動きながらゆっくり入る。そして動きながら速く、と何段階も経て、少しずつ技が自分のものになっていくのです。

 スマホのアプリのように、一瞬で技をインストールできたらどれほど楽でしょう。しかし、学生時代に試験前の一夜漬けをされた経験がある方は分かると思いますが、短期間でインプットしたものは、すぐに忘れてしまいます。
 イエローハットの創業者、鍵山秀三郎さんが、ある時若い人たちに成功の秘訣を聞かれ、こう答えたそうです。「成功のコツは2つある。コツコツ」。何かを身につけ、上達するためには、コツコツと練習を行うしかありません。地道に反復練習を続けていれば、「打ち込みがしっくりくるようになった」という嬉しさ、「乱取りでかかった」という感動をいつか体験できるはずです。 

 ただ、すぐに技がかからなくても大丈夫。むしろそれが当然です。「うまくいかないことも含めて面白い」。そういった心持ちで、楽しみながら気長に技を作っていきましょう。時間をかけて身につけた技は一生の財産です。今日も一本一本に心を込めて、打ち込みを頑張りましょう!

「柔道をやることで、人生はより豊かになる」
「柔道家が増えることで、社会はより良くなる」
文武一道塾 咲柔館


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