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「運動」と「学習」の両立はできる

※トップの写真は高校3年生の私です。

 「全国大会に出場する」。この夢を叶えるために、私は私立高校への進学を決めました。中学時代、県大会で1回も勝ったことがなかった私にとって、それはあまりにも大きな夢だったと思います。夢を実現させるためだけに、青春時代の全て注いだといっても過言ではありません。だから、高校1年生の時は「柔道に集中する」という大義名分のもと、勉強をあまりしませんでした。授業態度も不真面目で、先生に注意されることが多かったです。もちろん、1年終了時の成績はひどいものでした…。それだけではなく、柔道も全く結果が出なかったのです。1年生最後の大会は、1回戦で30秒くらい絞められて負けました。あの時は本当にみじめで、悔しかったです。

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高校入学後に行われる厳しい宿泊研修中でも柔道をしていました…。



 「このままではまずい。色々と無理をして私立高校に入学させてくれた両親に対して、あまりにも申し訳ない。」私は猛省をし、高校2年生からは心機一転、学習にも全力を注ぐことに決めました。色々な先生が「文武両道の大切さ」について話してくださる環境にいられたことは、本当に幸せだったと思います。あとは、その教えを実践するのみです。
 座席は前列を希望し、とにかく授業に集中しました。試験前は、分からない所が解決するまで担当の先生を離しません。ご自宅にお電話したことまでありました。(すごい迷惑行為ですね…。そんな自分を受け入れてくださった先生方に改めて感謝します。)
 学習への姿勢を変えた結果、1学期のうちに成績はどんどん向上しました。すると、学業成績と比例するように、柔道も少しずつ結果が出だしたのです。夏のインターハイ予選では人生初の県大会3位入賞、その後紆余曲折を経て(この話は長くなるので今回は割愛します)、翌年、春の全国高等学校柔道選手県大会出場(団体戦)という夢を掴むことができました。優勝が決まり、仲間や先生と抱き合って泣いたあの瞬間を思い出すと、今でも涙が出てきます。「やればできる」「夢は叶う」ということを実感し、私の人生観は大きく変わりました。
 私の場合、きっと柔道しかしていなかったら、夢を叶えられなかったと思います。学習を通して、物事を広く深く考えられるようになったこと、そして自信をつけられたことが大きな要因です。それに「柔道だけやればいい」と考えていた高校1年時よりも、「文武両道に力を注ごう」と心を入れ替えた高校2年時の方が、明らかにエネルギーに満ちていました。

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夢の全国大会出場。ベスト16でした。



 以前、高校の現代文の教科書に「心の鉱脈」という文章が載っていました。この文章は、心理学者の河合隼雄先生の有名な著書『こころの処方箋』からの抜粋です。私はこの教材が大好きでした。自分が高校時代に柔道と学習を両立させられた理由を教えてくれた貴重な1冊です。その一部をご紹介します。


「23 心の新鉱脈を掘り当てよう」より一部抜粋 
 もちろん、ものごとには限度ということがあるから、趣味に力を入れれば入れるほど、仕事もよく出来る、などと簡単には言えないが、ともかく、エネルギーの消耗を片方で押さえると、片方で多くなる、というような単純計算が成立しないことは了解されるであろう。片方でエネルギーを費やすことが、かえって他の方に用いられるエネルギーの量も増加させる、というようなことさえある。
 以上のことは、人間は「もの」でもないし「機械」でもない、生きものである、という事実によっている。
 人間の心のエネルギーは、多くの「鉱脈」のなかに埋もれていて、新しい鉱脈を掘り当てると、これまでとは異なるエネルギーが供給されてくるようである。このような新しい鉱脈を掘り当てることなく、「手持ち」のエネルギーだけに頼ろうとするときは、確かに、それを何かに使用すると、その分だけどこかで節約しなければならない、という感じになるようである。
             『こころの処方箋』(河合隼雄 著/新潮社)

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 高校2年時の私は、柔道だけでなく学習という鉱脈も掘ったことで、新しいエネルギーがどんどんあふれ出ていたのです。あの頃の私は「プラス思考の塊」のような考え方をしており、どんなことに対しても積極的でした。(高校時代の自分に負けられません!)
 新しい心の鉱脈を掘り当てるのに年齢は関係ありませんが、ぜひ若いうちに実践してほしいです。伸び盛りの子どもたちは、本人の気持ちと環境次第でどこまでも成長することができます。「〇〇だけやっていればいい」と思わずに、運動や学習はもちろん、色々なことにチャレンジしてみてください。きっと心の中に眠っている鉱脈から新しいエネルギーが湧き出てきますよ。


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