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近年の気温上昇について思うこと

地球温暖化対策はとても大きな社会課題。次のグラフは過去130年の日本の年平均気温を示している。

細線(黒):各年の平均気温の基準値からの偏差
太線(青):偏差の5年移動平均値
直線(赤):長期変化傾向
出典元:気象庁

基準値は1991〜2020年の30年平均値。データは気象庁から提供されたもの。

2023年の日本の平均気温の基準値からの偏差は+1.29℃と、1898年の統計開始以降で最も高い値となった。

さらに、私が住んでいる東京では、気温変化率が+3.3°C/100年となっている。

研究によると、世界の平均気温は1880年以降少なくとも1.1℃上昇している。つまり、日本の平均気温上昇率は世界平均よりも高い。これらの気温上昇の主な原因は地球温暖化とされている。

温暖化は気候変動を引き起こし、地球上の生態系や人間社会に大きな影響を与えている。

この記事では、地球温暖化の現状と、個人として今後取り組みたい対策を考えていく。

※筆者は大学等で地球環境学を専攻しておらず、この分野については初心者です。

後世の人々にとって暮らしやすい地球を

「私たちの子孫や未来の世代のために、住みやすい地球環境を残したい」

そう思えるようになった。

きっかけは昨年の猛暑で母親が熱中症で倒れた出来事が大きいだろう。実家のある群馬では7月下旬を中心に連日35°C以上の猛暑日が続いた。これは異常なことだ。

気象庁

人類は5.4℃上昇した地球に住めるのか

太古の人類は気候変動に適応して移動を繰り返してきたことが、考古学的遺跡や化石の分布から確認されている。

現代は科学とテクノロジーの発展により、外気温の変動が大きくても快適な住居が身体を守ってくれる。移動手段である車や電車、職場のオフィスもエアコンが完備されているので平均気温が100年前と比べて1°C上がっても大きな問題はなく暮らせるだろう。

ただ、温室効果ガスの排出が劇的に減少しない限り、2100年までに地球の平均気温は最大で5.4℃上昇する可能性がある。5.4℃も上昇する未来を考えてみてほしい。

  • 極端な高温による熱中症や関連する健康問題が増える

  • 蚊やダニなどの媒介生物が温暖な地域に拡散し、マラリア、デング熱、ライム病などの感染症が広がる可能性

  • 海水温の上昇と酸性化により、漁獲量が減少し、漁業に依存する地域での食糧供給が不安定になる

2100年の日本では、これらのリスクが発生すると言われている。

私は2100年にはこの世に存在していないが、私たちの子孫や未来の世代はこの想像を絶する時代を生きる必要がある。(その頃になると人類は火星での居住を選択できるかもしれないが、この記事では触れないでおく)

自然・生物生態系の変化

私は季節ごとのアウトドアを毎年楽しんでいるが、年々群馬の赤城大沼や榛名湖の氷上ワカサギ釣りの開催期間が縮小している(榛名湖は6季連続で中止)。また、景勝地の紅葉の見頃が遅れたり・色づきが悪くなったりしていることを肌で感じている。これらも地球温暖化が関係しているようだ。

また、魚類の生息地も変化している。原因は、日本近海の海水温の上昇だ。

気象庁

気象庁によると、日本近海の海域平均海面水温の上昇率は、2023年までの約100年間で+1.28℃/100年。この上昇率は、世界全体で平均した海面水温の上昇率(+0.61℃/100年)よりも大きく、日本の気温の上昇率(+1.35℃/100年)と同程度の値である。

海水温の上昇で海洋生物の回遊行動や産卵行動、生残・成長に影響が出ている。温かい海を好むブリが北海道で大漁になったり、西日本が主産地のタチウオが東北でとれたりしているようだ。

2023年は激痩せした熊も見られた。カラフトマスの遡上が激減したため、エサが不足し痩せてしまったようだ。

テレ朝news

近年、温暖化の影響で生態系が変化している。この変化は自然の摂理の一部ではあるが、人為的な要因が大きく影響していることは否定できない。

私がこれから実践していきたい対策

地球温暖化対策に触れていく。

地球温暖化対策に取り組むために、パリ協定の目標に触れておきたい。パリ協定は、気候変動に対する国際的な取り組みの中で最も重要な枠組みの一つである。主な目的は以下の通りだ。

  1. 気温上昇の抑制

    • 産業革命前と比較して、地球の平均気温上昇を2℃未満に抑え、1.5℃に抑える努力を続けることを目指す。

  2. 適応と緩和

    • 各国が温室効果ガスの排出を削減するための国別貢献(Nationally Determined Contributions, NDCs)を提出し、定期的に更新することを求める。

  3. 資金援助

    • 先進国は、途上国が気候変動に対処するための資金援助を提供する義務を負う。

MckinseySustainabilityによると、1.5度に抑えることは技術的には達成可能だが、非常に大きな5つの変革が必要だと記述している。

  1. 食料と森林の改革(食肉消費の削減、農業慣行の変更、森林伐採の停止)

  2. 電化の促進 (電気自動車の使用、家電の省エネ型変更)

  3. 産業操業の適応(エネルギー効率の高い製品を使用、メタン排出削減)

  4. 発電と燃料の脱炭素化(再生可能エネルギーの大幅増加、石炭・ガス発電の削減)

  5. 炭素回収・貯留の拡大(CCUS技術、大規模な植林)

これらの変革は相互に関連しており、一つの分野が遅れると他の分野でより大きな努力が必要になる。

私たちにできること

個人消費者ができる温暖化対策としては、いくつかの方法がある。

例えば、発電と燃料の脱炭素化の一環として、再生可能エネルギーを提供する電力会社に切り替えることが挙げられる。白くま電力やハチドリ電力など、日本には再エネの電力を取り入れている企業が多く存在する。

また、スマートホーム技術を導入してエネルギー使用を最適化したり、植樹活動に参加して炭素吸収に貢献することも可能だ。

さらに、カーボンクレジットは個人でも購入できるようになってきている。

カーボンクレジットは、炭素排出削減に貢献することで経済的インセンティブを提供し、新たな市場を創出して持続可能なビジネスモデルへの移行を促進する効果が期待されている。

私自身は電力会社を再生可能エネルギーを提供している事業者へ切り替えたことや、カーボンクレジットの購入を行ってきた。個人単位の活動が温度上昇の抑制にどのくらい効果があるのかを定量化することは難しい。しかし、私はさらなる取り組みに励みたいと思う。

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