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Pachypodium × ハイターで多品種・発芽促進!?(第3回)
カビ防止で始めた種子のハイター浸漬ですが、発芽促進という思わぬ効果が得られそうな気がしています。今回はその検証3回目です。
記事のまとめ
・多品種のパキポディウムでハイターの発芽促進実験をしました
・しかし、サンプル数も少なく、発芽促進効果は確かめられませんでした。
・ラメレイに関しては、20倍希釈では、薄すぎるようでした。
1 前回までのあらすじ
ドイツから輸入したパキポディウム・ラメレイ(Pachypodium lamerei)の種子を発芽させるに際し、吸水の代わりにハイターを吸わせて、発芽促進の効果を検証しました。
結果、10倍希釈ハイターでは、発芽が早くなり、5倍希釈ハイターでは種は死にました。
2 今回の目的
ラメレイ以外の種類ではどうなのか?ほかのパキポディウムも含めて、ハイターの効果を検証します。
ただ、問題は・・・ラメレイ以外は種子の数があまり準備できなかったことです。これが今回の試験の結果を大きく左右することになるとは・・・
3 試験方法
試験方法は、前回と同様です。
浸漬用の液を複数準備して、それぞれの液に種を1時間浸漬、その後、流水洗浄2時間、その後に播種です。用土・播種の方法は、以下のとおりです。
使用した種と、試験区分はこちらです。
区分の名称は、種の種類と、ハイターの希釈倍率になっています。例えば、「lamerei 20」ならば、種の種類は「lamerei」、ハイターの希釈倍率は20倍です。なお、「0」というのは、水道水を使った対照試験です。
ここで問題(その1)が・・・・
「前回のあらすじ」で書きましたが、これまでの試験結果と比較できるのは、「lamerei」の「10倍」だけのはずでした。
なのに、今回はなぜか、「lamerei」 は「20倍」だし、他の種類に至っては「50倍」とかあるし、『前回までの試験の続きじゃないの?? センスなくね??』とお思いだと思います・・・
実はこれには、問題(その2)として、試験に使える「種が少なかった」という事と、もう一つ大きな問題3があったのです・・・
4 問題3とは(種の観察)
問題3は、種類によって種の大きさがあまりにも違うという事です。これまでラメレイしか使ってこなかったので、何の疑問も持ちませんでしたが、パキポディウムと言っても、その種類によって種の大きさが全然違うんです!
よく考えれば、パキポディウムと言っても、日本の国土よりも広い(1.6倍!)マダガスカル島の様々な地域に自生し、南アフリカにも自生している種類があるくらいですから、違って当然なのですが・・
しかし、こんなに違うのなら、ラメレイでは大丈夫だった10倍希釈でも死んでしまう品種もあるのかも・・・そう思うと、一律10倍希釈とすることはできませんでした。種の数も少なく、実験とはいえ、発芽させたい、育てたいという思いに勝てず、結局、「10倍よりもっと薄いハイターを使った方がいい」という結論に達してしまったのです・・
言い訳がましくなりますが、どれだけ種の様子が違うのか、まずは、今回の試験に使った種を順にご覧ください。なお、挿入図は、試験開始から20日後のそれぞれの芽の様子です。
まずは、ラメレイ(lamerei)から。今まで試験に使っていた品種で、種は1cmくらいあります。
次に、ラモスム(ramosum)です。こちらは、ラメレイの仲間のようで、種もラメレイに似ています。芽の姿も「今のところは」ラメレイに似ているようです。
次は、ゲアイ(geayi)です。種は、大きさも質感もラメレイに似ています。芽の様子も、まあまあ似ています。
次は、ソフィエンセ(sofiense)です。コイツは・・・ゴーヤの種くらいありますね・・質感も全然違います。芽の様子も全然違います。自生地もマダガスカル島の北部のようで、ラメレイとは似ても似つかない感じです。
次は、ビスピノーサム(bispinosum)です。こちらは成長するとツボ型になる品種のようで、芽からして、ややツボ型なのがツボです(笑)。種はかなり小さい感じです。
次は、ホロンベンセ(horombense)です。こちらは、小さくて、種の質感が他のとかなり違いました。水を吸わなそうな感じ。芽も小さくて長細く太って、独自色です。
次は、サキュレンタム(succulentum)です。こちらは、成長するとツボ型になる人気の品種みたいです。これもまた、小さい・・・
と、ここまでご覧いただいた通り、大きい種から小さい種まで、結構バラエティーに富んでいたんです。
更に、用意できた種の数も少なく、失敗できない・・・
というわけで、ヒヨって、
・1cmくらいの大きさの種 → 安全に20倍にしよう
・それより大きい種 → これまで実績ある10倍で大丈夫だろう
・1cm未満の種 → う~ん、ご、50倍にしとくか・・・
という事になりました。
この決断が、今回の試験結果を微妙なものにしました・・・。
5 浸漬の様子
言い訳はこれくらいにして、次は、浸漬の様子です。まず、浸漬前の様子をご覧ください。
次に、浸漬後です。
ハイター群は全体的に脱色しています。ヒヨって希釈倍率を上げたりしましたが、脱色はされたようです。1種類を除いては・・・
上記は、いずれもハイター群なのですが、「水を吸わなそう」と思っていたホロンベンセは、案の定、脱色していませんでした。これで本当に効くんだろうか、もっと濃度を上げておけばよかったのではないか、後悔先に立たずです。
続いて、洗浄です。
さらに、播種
朱線から右がハイター群です。最下段のsofienseの真っ白な種が目を引きますね。
播種から、実験終了までの気温は以下のとおりです。
6 ハイターの効果や如何に!?
それでは、順番にハイターの効果を検証して参りたいと思います。
まずは、ラメレイ(lamerei)から・・
ここで、横軸は日付、縦軸は、発芽した種の合計数です。
水色は水道水群、黄緑色はハイター群です。
100%のラインは、播種した種の合計数です。
結果・・・・微妙 orz
10倍ハイターでは発芽促進効果を確認できた(つもり)だったのに、今回の試験では、殆ど変わらない、という結果でした。
次は、ラモスム(ramosum)です。
サンプル数が少なくて「何も言えねぇ(北島選手)」
どっちかというと、水道水の方が発芽してるし・・だめだこりゃ。
続いては、ゲアイ(geayi)です。
少しだけ、ハイター群の方が早い??感じもしますが。
いかんせんサンプル数が・・
続いては、ソフィエンセ(sofiense)です。
同じですね(笑)こいつは10倍希釈で、あんなに漂白されていたのに・・何事もなかったかのような結果です。
続いては、ビスピノーサム(bispinosum)です。
こちらは都合により試験区分毎に使用した種の数が違うので、これまた比較、、、、は難しいですね。促進されているとはとても言えなそうです。
次は、漂白すらされていなかった、ホロンベンセ(horombense)です。
うぉ・・・・むしろ水道水の方がちゃんと芽が出てるし・・・orz
最後は、サキュレンタム(succulentum)です。
・・・・・何もいう事はありません(笑)
7 まとめ
今回は、「ハイターの発芽促進効果」を検証したかったのか、貴重な多品種の種を無駄なく発芽させたかったのか、私の優柔不断な態度が試験方法にも反映されてしまい、結果的に何の検証もできませんでした・・・・(泣
ここまでご覧頂いて何の得にもならなくて、本当にごめんなさい!!
8 次回予定
次回は、「ハイターの発芽促進効果」の検証の鬼になります。
国内の業者さんから、パキポディウム サンデルシー (Pachypodium saundersii)を100粒購入したので、こちらを使って、ハイターの濃度を振って試験中です!!
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