見出し画像

Pachypodium lamerei の実生記録

パキポディウム・ラメレイ(ラメリー)の種の入手から、発芽(失敗)試験までの記録です。

 【記事のまとめ】


●パキポディウム・ラメレイの種子は、ドイツのKoehres Kakteenから購入できました。

●6月末に入手した種を水道水に8時間浸漬して、播種したら1週間で6/10個発芽しました。→ 【追記】9/10個(10日目)→10/10個(11日目)

●カビ防止目的でハイターに浸漬してから播種した種は、全滅しました・・・。


 1 種の入手(ドイツからくる種)

以前、パキポディウムの種を輸入した時、植物検疫証明書が荷物に付属していなかったために、すべて捨てられてしまったという経験から、今回は、しっかりした業者と名高い「Koehres Kakteen」さんから種を購入しました。

(購入の手順)

・ウェブサイトでほしい種を選んで、送信する。

・合計金額を記載したメールが来るので、ペイパルで送金する。

・発送と、追跡番号を知らせるメールが来る。(入金から3日後でした。)

上記のような簡単な手順で、種を購入できました。

ただし、買おうとしている種がワシントン条約対象種の付属書Iに該当しないか(輸入できないので)の確認が必要のようです。

Koehres Kakteenさんでは、特に要求しなくても植物検疫証明書(phytosanitary certificate)を発行してくれたので(お金はとられますが・・)助かりました。

2 種が届くまで(滞る通関)

種が届いたのは、発送メール受領から、約1週間後でした。画像は、EMS(国際スピード郵便)の追跡の画面です。

画像1

毎日ステータスをチェックしていたのですが、通常1、2回で済むという「通関手続中」が、3回も連続して表示されました。「通関手続中」が2回続くとヤバい!等とネットで見ていたため、「また捨てられるのか・・((((;゚Д゚))))」とドキドキしましたが、特に何事もなく、届きました。

画像2

郵便の外見はこんな感じで・・

画像17

植物防疫所のハンコがおしてありました。ハンコレスといっても、こういうのはレスにはできないんですね。格好いいですしね!

画像4

頼んだのは、こちらの種です。「100K」とあるのは100個です。今回はラメレイを使いましたが、他の種は今後の実験に使っていきます。

画像5

種は、粉薬の袋のような袋に詰められて・・・

画像6

植物検疫のテープで束ねてありました。

3 土の準備(大人になっても使えるように・・)

今回は、ネットの情報から、土を2層構成にしました。

●下層:砂を中心とした水はけ重視の組成

●上層:ココピート単味

下層の配合は、次のとおりです。いずれも、体積比(容器ですくっただけ)です。桐生砂 6 / 富士砂 4 / ゼオライト 3 / バーミキュライト 3 / ココピート 4

画像7

見た目はこんな感じで、ザ「砂」といった感じです。この用意した下層の用土を、プラステラ90鉢の5分目くらいまで入れました。

画像8

次に、この上に、ココピートを1cmくらいの厚みで載せて、準備完了です。ココピートも灰汁や塩分が残っているものがあったりして吟味しなくてはいけないそうですが、今回はダイソーの「水で増える園芸土」を使いました。

4 種子のハイターへの浸漬(スパルタ方式)

以前の経験から、パキポディウムの種まきは、カビとの戦いだと感じていました。カビがはえると、発芽しなくなってしまうのが常で、どうやってカビを抑えるのがよいかと思案していました。そこに、「次亜塩素酸塩の園芸作物種子の発芽に及ぼす影響」という文献をみつけ、種に吸水させるかわりにハイターを吸わせたらどうかと考えました!

実験概要はこちらです。

名称未設定

画像10

使ったのはこちらの種です。なんだか見るからにカビがはえそうな感じを醸しだしています・・・(今気づきましたが、"lameri"とありますね。。"lamerei"かと思っていましたが、違う種類だったりして!?)

画像11

画像12

そこで、水道水(0%)、ハイター2倍希釈("50%")、ハイター原液("100%")に浸漬しました。界面活性剤が含まれていない洗濯用のハイターの未開封のものを開封して使いました。なんだか黄緑色で、見るからに効きそう・・

そして・・

8時間後・・・

画像13

こ・・

これは・・・

お前はもう・・死んでいる・・・

50%も100%も同じような感じで、脱色して、種皮はフニャフニャになっていました。なんだかもう、失敗は明らかな感じもしましたが、念のため種まき。。。

画像14

上から、水道水、50%、100%です。そして、この上から、ココピートを5mmくらい被せます。

画像15

これで完成です。1つの鉢に2粒ずつ蒔いてあります。この後、1日1回、霧吹きで水をかけ、日陰に置いておきました。実験中の気温は以下のとおりでした。

名称未設定2

5 結果(私は誰と戦っていたのか・・・)

結果は・・・・

言うまでもないですが、1週間後に発芽したのは、区分0(水道水に浸漬した種)だけでした・・

「区分0」が6粒/10粒の発芽ですが、気温が思ったよりも上がらないので、残りの4粒はもう少し待ってみます。

 【追記】 

結局、10日目にして9/10個、11日目には10個全て(区分0)発芽しました・・・普通に水道水で十分発芽するじゃん・・・私は一体誰と戦っていたのか・・・無駄にした20粒の皆さん、ごめんなさい。

画像17

6 今後の計画(めげずに続けます)

なにしろハイターに8時間はやりすぎでした。でも、種皮が軟らかくなって吸水しやすくなる効果はありそうなので、次回は、

●浸漬時間を短くする

●浸漬した後、すぐに水道水で洗って、水道水にしばらく浸漬する

という手順でやってみたいと思います!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?