「アイドル＝恋愛禁止」が独り歩きしてないですか？
今日のJuice=Juiceの高木紗友希さんの活動終了のニュースを見て、とてもとてもやりきれなさを感じたので感情に任せて書きます。
同棲報道が出たのが昨日の11日、そしてJuice=Juiceおよびハロプロの脱退が決まったのが今日の12日。報道が出てたった1日で脱退。理由はこれ。
「自覚を欠いている」と総合的に判断、って書かれてるけど。どの部分でそう判断されたのだろう。複合的な理由かもしれないけど、大きな理由として「交際の事実」があることは想像に難くない。今までのハロプロでもそんな理由で脱退に至った前例、いくつもあった。
ただ、そもそもハロプロって恋愛禁止ってはっきり明文化してたっけ？と思うし、実際の契約条件に「恋愛禁止」があったかどうか、正直知らない。条件に「恋愛禁止」があったなら、それは契約不履行になるかもしれない。が、そんな契約は法律的に無効なのでは？ともかく、実際に"契約違反"があったか、外からは分かりようがないので、そこには触れない。というか触れようがない。
ただ一つ、なんで「アイドル＝恋愛禁止」なんて風潮が蔓延ってしまったか、不思議でならない。
いっつもそう。アイドルが交際報道が出るたびに、「アイドルとしての自覚に欠けてる」だの、「ファンを裏切る行為」だの。そんな言葉が必ず出てくる。
アイドルの恋愛は、どうしてファンを裏切る行為なの？
それが全く分からない。
今回の高木さんのコメントにも「ご迷惑とご心配をおかけしてしまい、本当に申し訳ありません。」「沢山の方の気持ちを裏切ってしまいました。」とあるけど、いやいや、迷惑だなんて思ってる人も、裏切られたと思う人も、ほとんどいないんじゃないの？
むしろ交際報道って嬉しくない？
パートナーがいるって喜ばしいことなのでは？
応援してたのに裏切られたと感じる一部のファン心理も、裏切ってしまったとアイドルに猛省を促す運営側の心理も分からない。
いつ頃からか「アイドル」という職業、いや言葉が都合の良い解釈をされているように思える。
「アイドル」の定義なんてないし、各人が思い描く「アイドル」像なんて全然違う。ましてや、「アイドル」とはこうあるべきなんて語りようがない。「アイドル＝偶像」がいつの間にか独り歩きして、勝手に形を歪められている印象。
「アイドル」は疑似恋愛の対象、だから「アイドル」は恋愛しないのが当然、もし交際していたら引責で活動停止・脱退すべきだ。
そんな考えの「ファン」って本当にいるのだろうか？
少なくとも、高木さんのInstagram・Abemaブログのコメント、応援の声しかなかったよ。
だから、誰に対しての"ご迷惑"なのかも、誰に対しての"裏切り"なのかも、全然分からない。多くのファンは、何も迷惑とも裏切りとも思ってないでしょ。
なのに事務所は報道の翌日に首を切るってどういうこと？
それって応援してくれている「ファン」のためになるの？
彼女やグループを知らない、もしかしたら「アイドル」もよく知らない、けど「アイドル」はこうあるべきだと何となく頭に描いている層に向けて謝罪させてない？
これと似たような現象を、全く別のところで見たことがある。
大相撲の「横綱」だ。
例えば今、白鵬・鶴竜の両横綱に対して、ここ1~2年で休場しすぎだと非難の声が挙がっている。さらに遡れば8場所連続休場した稀勢の里、もっと遡れば7場所連続休場した貴乃花を、いくら何でも休みすぎだと世論は批判した。
そんな時決まって聞くのが、「横綱の責任を果たしていない」「横綱としての品格が問われる」などという定型文。
これらのセリフを相撲関係者や横綱経験者が言うのは分かるよ。ただ全く相撲を知らない、相撲ファンですらない人が語ってなかった？気のせいかしら？
「横綱」としての責任や品格なんて、いっくら相撲見てても分からない。
さらに言うと、横綱のファンの多くは休んでもいいって思ってるし、思ってたよ。統計を取ったことないし取れないけど、通常のファン心理なら「じっくり怪我を治して元気になって帰ってきてね」になりませんか。
稀勢の里が連続休場してたあの時、ずっと戻ってくるのを待ち続けてた私にとって、そんな批判の声が本当に悲しかったのを思い出しました。
「アイドル」にしても、「横綱」にしてもそう。
「アイドル」として、「横綱」としての当人を本当に応援しているファンじゃなくて、「アイドル」として、「横綱」としてのあるべき姿を勝手に思い描いた第三者が、彼らを批判しているようにしか見えません。
別に「アイドル」が恋愛したっていいじゃないですか。
少なくとも、私はこれからもJuice=Juiceで活躍する高木さんが見たかったし、歌が聴きたかった。
このような形で、あっさり活動終了させた事務所の決断に、当分納得できそうにありません。
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