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僕の麻辣はでっかくなるぞ

 今週から中華料理屋でランチタイムだけ働くことになった。僕が夜の六本木で働いていることは知っている人は知っているだろう。とはいえ知らない人は知らないだろう。夜働いている店の隣が、今回働く中華料理屋。ランチ営業を始めるから手伝ってくれないかと打診を受け、睡眠時間と引き換えに中華を作ることとなった。かつて僕が睡眠時間と引き換えに間借りカレー屋を開業し、結局寝坊して月の半分を営業できず、半年も経たずに閉店してしまったことは、知っている人は知ってて、知らない人は知らないと思う。どうなることやら。
 さて、僕がランチ中華統一をするためには麻辣湯春雨を作らなければならないという。もっと言うと、その中華料理屋、麻辣湯しか出さないという攻めの中央突破。でも考えてみれば、ここ数年で増えた街中の麻辣湯屋は麻辣湯専門店であり、麻辣湯屋は麻辣湯だけで成り立っている。まあ、おかしくはないか。ちなみにその中華料理屋はチェーン店で、夜は薬膳火鍋を売り出している。なので、昼の麻辣湯は薬膳の麻辣湯。「麻」と「辣」。「麻」はホアジャオ(花椒)のしびれるからさ。「辣」は唐辛子のからさ。そこに、漢方系の武将たちが合流して、あなた(お客様)の口福のために中華統一を目指す物語。そんなこんなで、仕込み作業をしていると、草果や当帰、良姜などあまり聞いたことなく、かつ扱ったことがないものが。匂いの強烈なものが多く、これってスパイスなんだよな、と。なんだかこの仕事、カレーに活かせそう、と思いながら厨房の軍師。中華のスパイスを加えたカレーもいつか作ってみたい。
 ちなみに、そこの社長がランチ営業やりまっか、じゃあかわいい女の子をホールに立たせなきゃあかん!と六本木のキャバ嬢(六本木の三本の指に入るキャバクラから)をニッコニコで引っ張ってきた。なかなか稼いでいるだろうにどうしてランチのバイトなんてと疑問だが。この店のランチタイム、今後は後藤スパイシーと六本木のキャバ嬢の二人で回していく日もあるらしいのだが、どうなることやら。というかキャバ嬢、絶対に僕の倍額くらいの給料もらっているわ……。カナシーー!

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