夢について7
未来につうじる夢。いまの僕の心には、古い修道院がある。
中庭のある修道院。薬草を育てながら、哲学者たちが共同生活をする。
哲学的感度があるにもかかわらず、人の世で生きていくことが難しい人たち。いや、哲学的感度が強すぎるからこそ、人の世で生きていくのが難しい人たち。そんな哲学者が集まって、のびのびと哲学をする。
お気に入りの薬草酒バーがある。それはすでに現実化した夢の場所。バロック音楽とも現代音楽ともつかない音楽が流れ、僕は底のない底へと落ちていく。僕の夢の中の薬草は、そこからやってきた。
ある若い女性の哲学者に、修道院の話をした。「中庭にハンモックがあるといいな。」その人はそう言った。それ以来、僕の修道院にはハンモックがある。
この夢そのものを叶えたいと思っているわけではない。夢は上からやってきて、夢を集めていく。
そもそも、修道院の夢がはじめにやってきたのは、スペイン旅行のときだった。クラシカルギターが、未来につうじるその夢を、過去の記憶につなげてくれた。
その夢が、現実に降りてこようとしているのをかすかに感じる。
つづく
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?