見出し画像

PdM1年生が顧客理解をするまで

このエントリは iCARE Advent Calendar 2024 の投稿です。

iCAREでPdMをしています。でんでんです。
今月でリードエンジニアからPdMにロールチェンジし丸1年が経ちました。
「開発だけでなく、顧客へ価値を届けるまでしたい」と思いPdMになりましたが色々と苦戦する1年でした。
特に最初は顧客解像度が低いという大きな課題があり、それをどう乗り越えた(越えている)かを残したいと思います。

PdMになったはいいが…

PdM系の本や記事を読み、意気揚々とPdMになりましたが現実は厳しいものでした。

思考のスタートの違いと知識不足に戸惑う

開発では「要望をどう解決するか?」を考えますが、
PdMだと「何を要望として扱うか?」から考える必要があります。
すべての要望に対応できればいいですが、実態は何十・何百の中から解決するものを決めて、それ以外を捨てることになります。

またRICE(Reach, Impact, Confidence, Effort)などの指標で優先順位をつけようとしても、知識不足で要望の背景を読み取れなかったり優先順位を見誤ることもありました。
もちろんCSなどに事細かに聞けば分かりますが、コストがかかりすぎます。
早い話が意思決定に必要な「顧客理解」ができていませんでした。

顧客理解が進まない

顧客理解を進めるために本を読んだりググると、

  • データから仮説を立てる

  • ユーザーヒアリングを行う

  • 業務を実際に体験してみる

などが出てきますが、
Carely健康管理クラウド(以降クラウド)は、健康診断結果などの要配慮個人情報を専門職(産業医・保健師・人事etc)が管理するシステムです。
気軽にはデータを見られないですし業務体験も非常にハードルが高いです。

なんとか顧客を理解したい

顧客解像度の低さから機能が線でつながらず、どうあるべきかの理想も語れず悶々とする日々でした。

パーパスから振り返る

色々迷ったあげく、iCAREのPurpose「働くひとの健康を世界中に創る」に戻ることにしました。その説明に以下のことが書かれています。

わたしたちは、カンパニーケアの常識を変えることで
「働くひと・組織・社会」が健康になる好循環を実現します。

https://www.icare-carely.co.jp/about#purpose

どうやらカンパニーケアが重要そうで定義は以下です。

企業が働くひとのために行う健康づくり。
iCAREはこの一連の活動を総称して「カンパニーケア」と名付け、そこに携わる人事・産業医・産業保健看護職・管理監督者・上司の活躍を日々支えています。(中略)その先に目指すのは、「働くひと・組織・社会」が健康になる好循環の実現。

https://www.icare-carely.co.jp/about#purpose

人事を始めとする専門職の活躍を促進して健康をつくることを目指しています。この最上位の概念を忘れて機能を考え始めると、凄いミクロな話をしてしまい優先順位を見誤ります。

商談の録画を見る

経験豊富なPdMなら「これがひとを健康にできるプロダクトだ!」といきなり行けそうですが、それができるなら苦労していません。
まずは専門職の方々が何を期待して導入するかから知ることにしました。
幸いiCAREではSalesの商談記録を見ることができます。

いくらか見る中で重要視されるコトや業務が見えてきたので、そこを重点的に学び直すことにしました。
(多分CSやSalesなら入社初週にしています。エンジニアだと実装の中身から入るので前工程は案外見たことなかったです…)

基礎知識から勉強しなおす

クラウドへの期待値を知った上で、今度はお客さんへのヒアリングをするために基礎知識を勉強しなおします。思えば入社時に読んで以降は疎かになっていました。
業務ドメインの本を読み直し、

労働安全衛生法やそれに伴う厚生労働省の資料を読んだり…etc

改めて読むと新しい発見があるので、定期的に読み直すのが大事ですよね。

お客さんへのヒアリングに(やっと)行く

ここまでで知識をつけつつ、CSについていく形でお客さんへヒアリングをしにいきました。
(PdMとCSの連携については、このnoteにも書かれています)

ヒアリングの際に顧客ごとの業務フローを整理して絵にすることで、企業間の共通点と違いを見れるようにします。
さらに追加でES部に担当企業様のフロー図を共有してもらったり、ヒアリングを行いました。
(Employee Success部。保健師・看護師を始めとするドメインエキスパートが集まる部署)

画像
作成したフロー図

これらを進めることで「これはどの企業でも負荷が高い」「この工程を機能化できれば業務改善できそう」など視覚的にすり合わせ、それを元に仮説を立てられるようになってきました。
今はこの仮説を社内の専門家や顧客に聞くことでFBをもらい、ロードマップを描いています。

全部普通なことでは?

そう言われるとそうなんですよね…すみませんとしか…

  1. Purposeからプロダクトを考える

  2. Salesの情報から顧客の期待値を知る

  3. 大枠を掴んだら分野ごとのインプット

  4. CSと一緒に顧客の現場ベースでヒアリング

  5. 専門職に課題をぶつけてFBをもらう

を通して一次情報を得ながら仮説検証するという「それはそうでしょ?」なんですが…
既存PJを別で進めていたとはいえ、凡事徹底にたどり着くまで時間が掛かってしまいました。

健康をつくる道のりはまだ長い

1年前に比べて顧客の解像度は上がり、ロードマップも作成できるようになってきましたが、プロダクトとしては道半ばです。
健康を管理することは進んでいますが「健康をつくる」というレベルにはまだまだ課題が残っています。
そもそも「健康をつくる」も

  • 労働災害を防ぎたい

  • 産業保健体制を効率的にしたい

  • 従業員の不調を早く検知したい

  • 従業員を健康にしたい

など文脈によって様々でアプローチも違います。それらを包括的にカバーしていくことを考えると、現状のプロダクト進捗は10%ほどでしょうか…2025年も頑張ります。

そんなわけで、iCAREでは仲間を絶賛募集中です!!
興味のある方は、ぜひ下記リンクからエントリーください。

いいなと思ったら応援しよう!

PdM1年生が顧客理解をするまで|でんでん