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分数の定義を検証する Part2

今回検証したいのはこちら↓

ここで重要なのは,$${ \{ (x,y) : (a,b) \approx (x,y) \} }$$という集合の中で任意に代表元を取り替えても同じ集合になるという点である.(同値関係の定義から容易に証明可能


これを,一般の同値関係・同値類について証明する.

同値関係$${\sim}$$の定義は以下の通り.

$${x \sim x}$$
$${x \sim y \to y \sim x}$$
$${x \sim y \wedge y \sim z \to x \sim z}$$

「$${\to}$$」は「ならば」,「$${\wedge}$$」は「かつ」を表す.

同値類とは,
$${ \{ x : a \sim x \} }$$
という集合.ここで,$${a}$$のことを代表元という.


同値類$${ \{ x : a \sim x \} }$$の中から,任意に$${a’}$$を取る.

このときに,$${ \{ x : a \sim x \}=\{ x : a’ \sim x \} }$$であることを示せばよい.


まず,$${ \{ x : a \sim x \}}$$に属する任意の$${x}$$が$${\{ x : a’ \sim x \} }$$にも属することを示す.

$${x}$$が$${ \{ x : a \sim x \}}$$に属するということは,$${a \sim x}$$が成り立つということである.
一方,$${a’}$$も$${ \{ x : a \sim x \}}$$の中から取っているので,$${a \sim a’}$$すなわち$${a’ \sim a}$$が成り立つ.

よって,$${a’ \sim a}$$かつ$${a \sim x}$$より$${a’ \sim x}$$なので,$${ \{ x : a \sim x \}}$$に属する任意の$${x}$$が$${\{ x : a’ \sim x \} }$$にも属することが分かる.


同じようにして,$${ \{ x : a’ \sim x \}}$$に属する任意の$${x}$$が$${\{ x : a \sim x \} }$$にも属することが示せる.


よって,同値類$${ \{ x : a \sim x \} }$$の中から,任意に$${a’}$$を取ったときに,$${ \{ x : a \sim x \}=\{ x : a’ \sim x \} }$$であるので,同値類は代表元を任意に取り替えても良い.


※一部,厳密さより簡潔さを優先した

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