学習塾を株式会社的な組織が運営することに限界を感じる
“株式会社的な組織”の定義
まず前提として,“株式会社的な組織”を以下の二つの特徴を持つ組織として定義しておく.
組織の利益の一部を受け取る存在(※株式会社における株主)が,運営者(※株式会社における社長)とは別で存在する
永続的な成長を目指す
ゆえに,例えば社長が100%株主の会社などは「株式会社であるが株式会社的ではない」ということになる.(あくまで,この記事内における定義)
ぼくは経済に詳しくないので間違っていたら訂正していただきたいが,株式会社的な組織は上記のような特徴から,安定的な利益による成長が求められると思っている.
学習塾の抱える問題
次に,学習塾の抱える問題について考える.
人により様々な意見があると思うが,個人的に大きな問題の一つだと思っているのは,「生徒に勉強させている先生は,勉強していない」という点である.
これを突破するシンプルなモデルは大学である.
大学の教員は,教育者であると同時に研究者である.
塾の先生が“研究”というほどのことをしなくてもいいと思うが,少なくとも“勉強”しているべきだと思う.
というより,日頃から勉強している人こそが塾の先生になるべきだと思う.
株式会社的な組織では学習塾の問題を突破できない
ところで,学習塾の先生はなぜ勉強していない(人が多い)のだろうか.
これは個人的には,勉強する時間がないからだと思っている.
塾の先生の仕事は,生徒を指導することだけではない.
自分の知る限り最も忙しく働いている先生は,直接の生徒指導より集客やカリキュラム作りなどに時間がとられている.
だが,現在進行形でゴリゴリに勉強している人が,目の前の生徒指導に集中している塾を想像してみてほしい.
ぼくなら,集客に時間を費やしている塾よりもその塾に通いたい.そして,そのような人ならカリキュラムを組むのに莫大な時間はかからない.
ただしこの場合,属人性が高くなりすぎる.
ビラのデザインや実績の数字を工夫して集客しなきゃいけないのは,属人性を下げて集客するためだ.綿密にカリキュラムを組まなきゃいけないのは,属人性を下げて指導クオリティを担保するためだ.
属人性が高すぎるビジネスは,安定的な利益による成長が求められる株式会社的な組織には向かない.
一方で,株式会社的な組織という枠組みに囚われなければ,むしろ現代では属人性が高ければ高いほどいいのでは,とも思うが,それに関しては巷で議論され尽くしていることなのでこの記事では割愛する.
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