Dear My Friends

21年。

始めたころの記憶は遠く、何が面白くてのめりこんでいったのかよく覚えていない。
いつの間にか毎週土日には千駄ヶ谷に通う日々が続いていた。

いろんなことがあった。プロってかっこいいよなって5歳の時に思って、
周りと同じように奨励会を受けて、そこそこ強くなって、俺だけが途中で壊れた。

19歳の時、落ちぶれてるところから気合を入れ直して初段になった後、5歳くらい離れてる後輩と例会で当たった。それまで3回指して負けたこともなかったし、1mmも強いと思っていなかった相手に負けた。なんとなくその将棋あたりで気づいたのかもしれない。

「・・・無理かもな。」


あれから7年経って、この文章を書きながら26歳になった。

僕はまたあの頃みたく落ちぶれている。というよりはあの頃のまま、
何も変わることができずにいるだけなのかもしれない。
7年前に負けた相手がついこないだ四段になったその陰で、
僕と一緒に奨励会に入った同期が二人年齢制限を迎えた。

最後まで戦い続けた彼ら二人に。
お疲れ様。途中で投げ出してしまった僕なんかとは違って、やっぱあんたらの根性はすごいよ。
落ち着いたら、酒でも飲みに行きたいね。



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