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新記録達成|折田翔吾五段

皆様こんにちはこんばんはおはようございます。棋士の折田です。
この原稿は2023年8月末にしたためております。

私は遊ぶのがだいすきなので、この夏はほんまに遊びに遊んでいました。
多い時で1週間に11回ライブに行っていました(アイドルさんの)。
これは新記録、おめでとうございます。普段からそんなに行っているわけではなく、平均週7回ぐらいだと思うのでご安心ください。

夏はフェスもあったりでめちゃめちゃ楽しかったです。夏はあんまし嫌いだったのですが、今年のフェスが楽しくて夏もええやん、と好きになったかもです。
遊ぶの大好きすぎますが、締め切りには抗えないのでこうして仕事をしています。やはり仕事をしっかりしてこその遊びです。
「フリークラスからの昇級」というテーマでご依頼をいただきましたので、四段になった頃からの話をしたためていきましょう。

と思いきや、意外にもいきなり今後の抱負を書きます。盤上の最善を追求することももちろん重要ですが、ついつい相手の読みを裏切ろう、意表を突こう、としてしまうのが棋士の習性であります。
今年の5月にC2に昇級して7年後の引退を回避したわけですが、そのときに描いた理想の未来は「70才現役」です。特に長生きをしたいという意味ではなく、もし生きていられたらというニュアンスです。
棋士という仕事は選手寿命の長さがとても良い所だと思います。60代まで現役でいられるケースも多くそれでも十分に長いですが、順位戦C2から落ちなければいつまででも現役を続けることができるのが現行規定となっています。
70才現役を実現するにはどうすればよいか、どのような行動習慣がよいか、など日々考えて生きています。

2018年にアマとして初めて公式戦に参加して以来ずーっと、対局がものすごくすきです。
正直、子供の頃と違って今では練習将棋などを指すのはそれほど好きとは言えないのですが、将棋に人生を懸けた人間同士が指す、真剣勝負の「対局」は何物にも代えがたいです。
なぜ対局が好きになったのかと考えると、奨励会時代にたくさん記録係を務めたから、という気がしています。高校生の頃から10年間、全部で350局以上務めました。その内半分以上は順位戦でした。
「あっちに座りたいな」という憧れを秘めながら1日中盤側に座る日々があったので、実際に盤の前に座れることの幸せを噛み締めています。その気持ちは引退するまできっと変わらない気がします。

もうあんまし覚えていない感じもありますが、そろそろ四段になった頃から現在を振り返ってみます。
2020年4月に四段になり、1年目は棋士編入試験クラウドファンディングのお返しで忙しかったです(笑)。有難い限りです。竜王戦だけは勝ち進めて嬉しかったです。
2年目は何も活躍してなかったです。
こりゃあかん、と2年目の終わり頃から勉強時間を増やしたこともあり、3年目はアベトナに出られて楽しく過ごせたり、後半は成績が上がりました。
4年目の出だしでC2に昇級できて、7年後の引退縛りから解放されてちょぴっとだけ気が楽になりました。

そして現在ですが、最も難しいのは体調の整え方です。万全とは程遠く常時諸々の不良を抱えながら、病院に行く回数は年々増えていくばかりです。
体調がすぐれなければ、ろくな将棋は指せませんし、普段から盤に向かう気力も湧いてきません。
最近は原因不明の症状に悩まされることもあり、厄介なものです。ただ、人生はそういうもんなのでしょう。

今日の夜もライブがあってめっちゃ楽しみです。ライブを満喫するためにも、盤に向かって1日過ごそうと思います。