R3.12.31 川合研オンライン戦型研究会レポート

川合研では、オンラインでの戦型研究会という企画を行いました。
オンラインらしい企画がしたいと思ったし、面と向かってのレーティング戦とは違う内容にしたかったというのもあります。
今後オンラインが増えていく未来を踏まえ、果たしてどれほどの反響があるかと期待しましたが…全然なかったです^^;
まあ、仕方ないですね。新しい方がいきなりいらっしゃるのは難しいですよね。でも、将棋を楽しみたい、自分に合った楽しみを見つけたいという方がどこかにいらっしゃると思うので、めげずに将棋の楽しみ方を広げていきたいと思っています。

大まかな流れ

・参加募集を「LINE公式アカウント」か「Twitter」でしており、申し込みメッセージをもらったら、その返信としてZoomのURLや当日の諸連絡をやり取りした。
・13:00~「Zoom」でオープニング。今回は、ここで進行の仕方を決めた。
・「将棋倶楽部24」で対局開始。今回は、戦型を相談しておき、2人が対局し他は観戦。
・「Zoom」で感想戦。継ぎ板を画面共有。
・今後のことも語り合って、終了は18:00前。

第1局「ゴキゲン中飛車」

先手ゴキゲン中飛車に対し、後手居飛車は一目散に4枚穴熊で固める作戦。
先手は袖飛車に振り直し、35に銀を進めた局面は、後手から手を作るのが難しく先手を持ちたい人が多そう。
しかし、たがいに4段目に飛車を浮いたやり取りは、後手が得をした様子。

画像1

図の△7九角がうるさく、▲3八飛に対し△5六歩ならー400ぐらいで後手有利だったようだ。
ゴキゲン中飛車に対する居飛穴は手を作るのが難しいが、先手も左金の捌きをうまくやらないと良くするのは大変という見解に落ち着いた。

第2局「美濃囲い・振り穴でない振り飛車」

居飛穴が猛威を振るう中、振り飛車の囲いが見直されている。
美濃囲いは手数も掛からずに固いというのに、新しい囲いが求められているのは時代が代わっている感じがする。
もっとも、居飛車の急戦への対応のためか、「やはり美濃囲いがベスト!」に落ち着いているようにも見えるが、美濃以外の囲いの良さはどこにあるのか検証した。

画像2

ミレニアムの何がいいかというと
・▲4八銀引とした形の連結がいい。
・2九の玉が意外と動きやすい。本譜も△3六歩~△3七銀~△3八銀成に対して▲3八同玉~▲4九玉と逃げて手勝ちした。美濃だと玉が一段上だし、2八に金銀の利きがないので王手がかかると寄ってしまいやすい。

ただ図の▲6四歩は危険で、△4五銀~△6五桂打の筋で穴熊ペース。
図の前に▲4五歩△同歩▲同桂△4四銀に▲4六歩と囲いを維持して▲6四歩を見せたのが工夫だが、これでもAIは居飛穴が若干有利としていて、居飛穴最強説は崩すのが難しい。
▲3六歩~▲3七桂を急いで居飛穴に組みづらくするのが有力かもしれない。

第3局「角換わり早繰銀」

藤井聡太竜王も多く採用している角換わり早繰銀。豊島九段とのタイトル戦での相早繰銀は、序盤から迫力満点の好局が連発だった。
本譜はわけあって、後手の早繰銀に、先手が腰掛け銀で対抗し▲6五歩△同銀▲6八飛と工夫したが、後手が一歩得で満足したことで先手が暴れる展開に。

画像3

暴れたのが実って図では先手優勢だが、▲5三銀△同玉▲3三角成で決まっていたようだ。
たがいに玉が薄くて大技も繰り返し出た。先手の飛車は2五~8五と回ったのだが、駒得の後手が無理やり押さえ込んでおけば難しかったようだ。

今後に向けて

戦型研究会という企画は敷居が高かったが、少人数でやってとても充実感がありました。
ただの検討より、目の前で対局しているからスッと頭に入ってきます。
アプリで対局しまくるより、じっくり勉強したい、一局・一つの戦型を集中して検討したいという人が集まったらいいと思いました。
初級者、級位者の方が来てくれたら、基本的なことから一緒に勉強できたと思うので、ぜひ仲間が増えたらと思います。

川合研オンラインは、ひとまず3月に例会形式で開催が決定。
みなさま、よろしくお願いしますm(__)m

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