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女流ABEMAトーナメント2023 ドラフト結果

3月4日、女流ABEMAトーナメント2023のドラフト会議が放映されました。早速各チームのメンバー構成を確認しておきたいと思います。
※本稿は収録当時の呼称で記載させていただきます。

ドラフト結果

リーダー:里見香奈女流五冠
一巡目:清水市代女流七段
二巡目:川又咲紀女流初段

「出雲のイナズマ」里見女流五冠が指名したのは、前回と同じ清水女流七段と川又女流初段でした。清水女流七段は言わずと知れたレジェンドであり、前回の落ち着いた対局の所作は多くの将棋ファンの眼を釘付けにしました。川又女流初段は偉大な姉の心の支えとなる存在で、この1年の成長を見せてくれることを期待したいと思います。

リーダー:西山朋佳女流二冠
一巡目:山根ことみ女流二段
二巡目:鈴木環那女流三段

「麗しき剛腕」西山女流二冠が指名したのは、前回はリーダーを務めた山根女流二段と初出場となる鈴木女流三段でした。山根女流二段は今回の全メンバーの最年少となりますが、四強を追う若手実力者であり、リーダーの重圧から逃れて伸び伸びとした活躍が期待されます。鈴木女流三段は女流順位戦はB級、女流名人リーグでも上位に君臨する実力者で、フィッシャールールでの対局が見られるのは楽しみです。

リーダー:伊藤沙恵女流名人
一巡目:香川愛生女流四段
二巡目:上田初美女流四段

「第1回女流ABEMAトーナメント優勝」伊藤女流名人が指名したのは、前回は他チームで活躍した香川女流四段と上田女流四段でした。香川女流四段はタイトル獲得2期の実力者で、前回は優勝チームでリーダーを支える頼もしい存在として活躍しました。上田女流四段もタイトル獲得2期の実力者で、前回は準優勝チームで精神的支柱としての役割を果たしており、今回もチームメイト牽引する活躍が期待されます。

リーダー:加藤桃子女流三段
一巡目:渡部愛女流三段
二巡目:中村真梨花女流三段

「前大会チャンピオン」加藤女流三段が指名したのは、前回はリーダーを務めた渡部女流三段と初出場となる中村女流三段でした。渡部女流三段は第1期白玲戦で里見女流五冠を倒して七番勝負に登場した実力者であり、前回のリーダーとしての経験を活かしての活躍が期待されます。中村女流三段は真梨花攻めと称される積極的な棋風の実力者で、フィッシャールールでどのような将棋を魅せるのか楽しみです。

ドラフト総評

今回はチーム数が減ったこともあり、指名の重複はなく、サプライズ指名もありませんでした。各リーダーが「楽しみたい」と口を揃えて臨んだドラフト会議でしたが、勝負にもこだわって順当に実力者を指名した印象です。
ただ30歳前後の中堅に片寄った感があり、10代はゼロ、20代前半も1人と、普段観ることの少ない若手女流棋士が選ばれなかったのは残念に思います。ABEMAさんには、次回は是非チーム数を増やして欲しいと願います。

優勝チーム予想

優勝候補筆頭には、チーム伊藤を挙げたいと思います。メンバー全員が前回も実績を残しており、層の厚さは断トツだと思います。リーダーが自ら「お二人ともはっきりと意見をおっしゃる方なので、ぶつかることもあるとは予想しています」という個性の強い香川女流四段と上田女流四段が、どのようにリーダーを盛り立てていくのかポイントになりそうです。
対抗にはチーム西山を挙げたいと思います。リーダーが前回は11勝1敗と圧倒的な強さを見せており、「成績が上の方から選ばせていただいた」というメンバーが活躍すれば優勝しても不思議ではありません。カギを握るのは、初出場の鈴木女流三段のフィッシャールールへの適応力かもしれません。
この両チームは1回戦第一試合で激突するようなので、大注目の一戦となりそうです。

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