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「観る将」が観た第5期叡王戦第一局・第二局

少し前になりますが、6月21日に行われた叡王戦第一局、7月5日に行われた第二局の感想です。叡王戦はまだ第5期と歴史の浅いタイトル戦ですが、これまでの番勝負はいずれもストレートで決着しており、永瀬叡王も挑戦者の豊島竜王名人も、是非とも先行しておきたいところだったと思います。

第一局は先手の永瀬叡王が角換わり早繰り銀に誘導し、優勢気味に進行していましたが終盤に千日手となり差し直しとなりました。
差し直し局は20:50開始で、先手の豊島竜王名人が角換わりから雁木の駒組みを進め、再度千日手模様となりましたが▲2二角から打開した豊島竜王名人が勝利しました。過密スケジュールの中、両者死力を尽くしての激闘だったと思います。

第二局は角換わり腰掛け銀となり、永瀬叡王が局面をリードしていたように見えましたが、安全策で入玉を目指しました。豊島竜王名人も相入玉以外の選択肢がなくなり入玉を目指し、点数をめぐる攻防となりました。最後は豊島竜王名人が1点足りない状況で1分将棋となり、200手を越える激闘となりましたが、相手の香を取って24点となったところで両者持将棋(引き分け)に合意し成立しました。

第一局、第二局を通して、序盤は永瀬叡王が優勢を築いたものの、豊島竜王名人が決め手を与えず、お互いに負けられないという気迫がぶつかり合った好局だったと思います。第三局以降も、熱戦を期待したいと思います。

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