第5期清麗戦予選トーナメントの展望

大成建設杯清麗戦は2019年度に新設された女流棋戦で、予選トーナメントの勝者と、再挑戦トーナメントと呼ばれる敗者復活戦を勝ち抜いた3名の、合わせて4名で本戦トーナメントを戦い優勝者が挑戦権を得ます。敗者復活制度のため実力者が順当に本戦に駒を進め、挑戦権を獲得しやすい棋戦と言えるかもしれません。前期も3回戦で敗れた里見香奈女流四冠(当時)が、再挑戦トーナメントと本戦トーナメントを駆け上がって挑戦権を獲得しタイトル奪還に成功しています。

今期の予選トーナメントは1回戦が終わり、2回戦に差し掛かっています。再挑戦トーナメントまでは先の長い戦いになりますので、予選トーナメントのベスト4に残りそうな顔ぶれを確認しておきたいと思います。

一番上のブロックでは、前期五番勝負に敗れて失冠した加藤桃子女流三段が最有力候補と思います。実力者の清水市代女流七段、香川愛生女流四段、中村真梨花女流三段にも、十分チャンスがあると思います。若手の北村桂香女流初段や加藤結李愛女流初段にも期待したいと思います。

二番目のブロックでは、安定感抜群の伊藤沙恵女流名人が最有力候補と思います。実力者の渡部愛女流三段が既に敗れて再挑戦トーナメントに回っていますが、本田小百合女流三段、加藤圭女流二段、石本さくら女流二段は上位進出を目指しています。注目の松下舞琳女流1級（10月19日付で昇級）も楽しみにしています。

三番目のブロックでは、女流順位戦でA級昇級を果たした上田初美女流四段を最有力候補に挙げたいと思います。実力者の甲斐智美女流五段、山口恵梨子女流二段、山根ことみ女流二段にも、十分チャンスがあると思います。若手の川又咲紀女流初段、岩佐美帆子女流2級にも期待したいと思います。

四番目のブロックでは、前期は挑戦者決定戦で敗れた西山朋佳女王がが最有力候補と思います。実力者の千葉涼子女流四段が既に敗れて再挑戦トーナメントに回っていますが、中井広恵女流六段、室谷由紀女流三段、鈴木環那女流三段ら、強豪がひしめく激戦ブロックとなっています。若手の武富礼衣女流初段、塚田恵梨花女流初段、野原未蘭女流初段にも期待したいと思います。