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ABEMAトーナメント2023 エントリートーナメント

4月8日、ABEMAトーナメント2023のエントリートーナメントが放映され、厳しいトーナメントを勝ち上がった3人が15チーム目のメンバーとして確定しました。前回は新鋭3人で結成したエントリーチームが予選を突破し、ベスト8まで駆け上がっています。今回は誰が勝ち上がったのか、メンバーを確認しておきたいと思います。
※本稿は収録当時の段位で記述します。

関西ブロック(40名参加)決勝

準決勝で大石直嗣七段を降した古賀悠聖四段と、久保利明九段を破った古森悠太五段の顔合わせとなりました。振り駒で後手となった古森五段が四間飛車に振り美濃囲いに構えると、古賀四段は左美濃に囲います。古森五段が角を交換して向かい飛車に振り直し穴熊に組み直すと、古賀四段は銀冠に組み直してから▲4五桂と跳ねて桂交換し、8筋の歩を交換して▲8五桂と跳ねます。古森五段が△8四歩と桂頭に打つと、古賀四段は▲5一角~▲6二角成と馬を作ります。古森五段は歩で先手陣を乱して飛銀両取りに△6四角と打ちますが、古賀四段は飛車を見捨てて"と金"で後手陣の金銀を剥がします。お互いに相手玉目指して攻め掛かり、古森五段は△5八飛と打って攻防に利かせますが、少し時間を残していた古賀四段は▲8二銀から長手数の即詰みに討ち取りました。

関東Aブロック(40名参加)決勝

準決勝で井出隼平五段を降した郷田真隆九段と、谷川浩司十七世名人を破った阿久津主税八段の顔合わせとなりました。振り駒で後手となった阿久津八段が横歩取りに誘導し、郷田九段は堂々と横歩を取ります。阿久津八段が香取りに△2八角と打つと、郷田九段は飛車取りに▲7五角と打ち、飛角交換して▲2一飛と打ち込みます。阿久津八段が△2二角と打って香取りを防ぎ、竜取りに▲5二金と上がると、郷田九段は▲2四歩と打って竜を取らせる代わりに銀と角を取ります。阿久津八段が△6三馬と引き付け、歩で先手陣を乱してから角桂両取りに△2四飛と打って△2九飛成と竜を作ると、郷田九段は手堅く▲3九金と打って竜を追い返します。阿久津八段が△6五金と出て竜を捕獲すると、郷田九段も▲2三歩と打って竜を取りにいきます。阿久津八段は飛金交換してから竜を逃がしますが、郷田九段は馬と成銀と成桂で着実に後手陣の守備駒を剥がして寄せ切りました。

関東Bブロック(40名参加)決勝

準決勝で村中秀史七段を降した千葉幸生七段と、青嶋未来六段を破った行方尚史九段の顔合わせとなりました。振り駒で先手となった行方九段が相掛かりに誘導し、千葉七段は受けて立ちます。行方九段が▲4五銀と繰り出して▲5六角と打つと、千葉七段は△6五角と合わせます。行方九段が構わず銀をぶつけて交換すると、千葉七段は角を交換します。千葉七段が△7五歩とぶつけると、行方九段は▲6六角と打って間接的に飛車を睨み、▲8五銀と打って飛車を追います。千葉七段が角取りに△5四銀と打つと、行方九段も飛車取りに▲7五桂と打ち、角と飛車を取り合います。激しい将棋となりましたが、行方九段は▲3四桂と後手玉を追ってから▲7三歩成と挟撃態勢を作り、▲2三飛成と飛び込みます。この竜はタダですが取ると3手詰みなので、千葉七段は残り2秒まで考えて王手しますが続かず投了を告げました。

エントリーチームのメンバー決定

前回のエントリーチームは3人とも初出場でしたが、今回はいずれも出場経験のある3人がメンバー入りを果たしました。
3人の話し合いでリーダーとなった郷田九段は、3回連続出場となります。私としてはドラフト指名候補にリストアップしていた実力者であり、フィッシャーとは思えない落ち着いた指し回しは抜群の安定感を誇ります。
行方九段は、第3回にチーム木村の一員として出場して以来となります。今回決勝で魅せたような大技が、本戦でも炸裂するのか楽しみにしたいと思います。
古賀四段は、第4回にチーム天彦の一員として出場して以来となります。当時は大抜擢という印象もありましたが、昨年度は順位戦で昇級を果たすなど着実に力を伸ばしている印象です。私としてはドラフト指名候補にリストアップしていた期待の若手であり、活躍を楽しみにしたいと思います。

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