第16期マイナビ女子オープン本戦の展望

マイナビ女子オープンは通常、アマチュア女性や女性研修会員が参加できる｢チャレンジマッチ｣が行われますが、今期もコロナ禍のため見送られています。7月18日に女流棋士のみ参加する予備予選を通過した14名と予選シード者34名による予選一斉対局が行われ、12名の本戦進出者が決まりました。本戦シードの4名を加え、西山朋佳女王への挑戦者を決めるトーナメントの組み合わせが発表されましたので、顔ぶれを確認しておきたいと思います。

左の山には、前期ベスト4でシードされた渡部愛女流三段と山根ことみ女流二段が入りました。伊藤沙恵女流名人は予選で鈴木環那女流三段と室田伊緒女流二段を降して勝ち上がっています。上田初美女流四段は予選で女流順位戦A級の石本さくら女流二段らを破り、甲斐智美女流五段も予選で女流順位戦A級の加藤圭女流二段らを破っての本戦進出です。若手の中では、予選で小高佐季子女流初段らを破った野原未蘭女流初段と、予備予選から勝ち上がり予選で室谷由紀女流三段らを破った佐々木海法女流1級が目を引きます。挑決進出の最有力候補には伊藤女流名人を挙げたいと思いますが、若手の山根女流二段と野原女流初段にも注目しています。

右の山には、前期ベスト4でシードされた里見香奈女流四冠と香川愛生女流四段が入りました。前期はまさかの予選敗退となった加藤桃子清麗は予選で中澤沙耶女流二段らを降して勝ち上がっています。千葉涼子女流四段は予選で武富礼衣女流初段らを破り、予備予選から勝ち上がった山口恵梨子女流二段は予選で本田小百合女流三段らを破っての本戦進出です。若手の中では女流順位戦B級残留を決めた北村桂香女流初段に注目しています。挑決進出の最有力候補は里見女流四冠ですが、清麗戦五番勝負で里見女流四冠の挑戦を受けている、加藤(桃)清麗にも期待したいと思います。