第82期順位戦B級1組7回戦

10月19日に順位戦B級1組7回戦の一斉対局がありました。

私が注目していたのは、5勝1敗で昇級争いをリードする増田康宏七段と今期3勝3敗の近藤誠也七段との対局です。先手の増田七段が相掛かりに誘導し、先に飛先の歩を交換してから3筋の縦歩も取ると、近藤七段も飛先の歩を交換し、△2六飛と転回します。増田七段が歩で飛車を追ってから角道を開けると、近藤七段は角を交換し、飛車取りに打った角で△7六角と1歩得します。増田七段は1筋を端攻めして押さえ込みますが、近藤七段は7筋の歩を伸ばして桂頭を狙います。増田七段は飛車取りに▲5五角と打って飛角交換し、近藤七段が桂を取る間に、▲2一飛～▲1一飛成と香を取って竜を作ります。近藤七段が△4五桂～△7九角と先手玉のコビンを狙うと、増田七段は▲4五飛と桂を食いちぎり、▲5二金打と自陣に投じて馬と交換します。近藤七段は△7七歩成と攻め込みますが、増田七段は▲5五角～▲3三角成と馬を作り、竜との連携で後手玉を追い詰め寄せ切りました。

他の対局結果は以下の通りです（左が勝者）。

　佐藤康光九段 － 横山泰明七段
　澤田真吾七段 － 大橋貴洸七段
　千田翔太七段 － 三浦弘行九段
　山崎隆之八段 － 羽生善治九段
　屋敷伸之九段 － 木村一基九段

増田(康)七段が勝って6勝1敗となり、単独トップを維持しています。千田七段が5勝2敗、糸谷八段が4勝2敗で追っています。澤田七段、羽生九段ら7人が3敗で追う混戦となっており、今後の展開を楽しみにしたいと思います。
次の8回戦では増田(康)七段と千田七段の対局が組まれており、昇級争いに大きく影響する大一番になりそうです。